種族の抗争
問題ないって?正気の沙汰じゃないな・・・。
この数を前にして更に、囲まれて逃げ場がないという
状況下で全く臆せず立ち向かう。
ケイは何を考えているんだ?
俺なんて、生きてる心地が無い+足ガクガクなのに。
アルベールの力もそうだし、ケイも一体何者なんだ?
そんな事を考えていると一匹のコボルトが前に出てきた。
左目に傷跡があるいかにもここのボスって感じだ。
「オメエ等、よくも俺等の仲間を散々殺してくれたな。」
「・・・・・・・。」
「覚悟は出来てるんだろうなァ?」
「覚悟か・・・。」
「ハッハッハ!笑いもんだな!」
ケイは急に笑い出した。
俺はこの状況でケイがオカシクなってしまったのだと思ったが、
ケイはすぐに冷静な顔立ちに戻った。
「覚悟が出来てるか訊くなら、
お前等の覚悟出来てるんだろうな?」
「なにィ?」
「お前等も散々、人を襲ったんだろ?」
「だから、こっちにしても仲間は大量に殺されている訳だ。
こっちだけが悪いことをしているわけじゃない。」
俺はケイの言葉を聞いてハッとした。
今まで、罪のないコボルト達を殺し続けていたと思い込んでいたが、
コボルト達もまた、人間を殺している。
でもやはり、俺達のやってることが正しいと言う訳でもない。
魔物と人間の戦い・・・。終止符を打つ事ができるのか?
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
少しばかりの沈黙の後、ボスコボルトは口を開いた。
「人間。確かにその通りだ。
だがな、仲間を殺した事を許す事はできん。
だから種族の代表として貴様等を葬ろう。」
「そうか。その種族代表の戦いとやらに俺達も答えてやらないとな。」
「人間。これ以上罪を重ねる気か?」
「お互い様って奴よ。」
ケイは俺達の顔を見て、少し笑みを浮かべてから剣を抜いた。
「さて、種族の代表としての戦いを見せてやるか。」
「ケイ?本気なのか?」
「ヒロ。信じろ。俺達ならやれるさ。」
はっきり言って、俺は戦力になんてなりそうもないんだが・・・。
そんな事考える暇もなく、ボスコボルトが猛ると周りのコボルト達は叫びを上げた。
「行くぞ!ヒロ!アルベール!」
俺達は武器を構えた・・・!




