作られた道順
随分、昔に掘られたトンネルみたいだな。
トンネルって言ってもほとんどが整地されてないから
洞窟と呼んだ方がシックリくるな・・・。
それにしても、コボルトか・・・。
犬系の魔物は繁殖力が高いし、
ほとんどの環境下で生きていける種族。
そして、隠密に優れる俊足のハンターだ。
あいつ等に勝る俊敏さと判断力を兼ね揃えなければ、
そこ等のハンターじゃ手に負えない。
それにこの洞窟、物陰がやけに多いな。
しかも、ほとんどが人工的に配置されている。
岩が周りに馴染んでいないし、
小石が不自然に積まれている箇所もあった。
知能を持つタイプのコボルトか。
「ケイ。気付いているな。」
「・・・・・・・ああ。」
「近くにはいないみたいだ。
確実に人間を狙って組まれている洞窟造りだ。」
奴等は道行く人を襲うのが常習だ。
話が出来るのをいい事に奴等は
話でこちらを油断させてから攻撃し、
身包みを全部剥ぐのだ。
洞窟を抜けるとさっきよりも高いところに出た。
どうやら、コボルト共は他の場所に隠れているようだ。
今の洞窟にいなかっただけでも良しとしよう。
それはさておき、ヒロの息切れ気味を見ると
体力回復が万全ではなかったようだ。
「大丈夫か?ヒロ。」
「ああ、大丈夫。俺、朝に弱いんだよね。」
「そうなのか・・・。」
朝に弱いか・・・。朝こそ気持ちが良いものじゃないのか?
俺には分からない事だ。俺自身が夜を嫌いだからか?
考えながら足を進めると大きな吊り橋が目の前に現れた。
しかし、吊り橋は壊れていた。いや、破壊されていた。
「この橋、明らかに壊されているな。」
「え?」
「ほら、そこ。」
俺はヒロに分かるように橋のロープが
繋がれていたであろう柱を指差した。
「あ!」
「分かったか?」
「ああ。これ・・・柱がキレイに切られてる。
のこぎりか何かで切ったみたいな跡だ。」
「困ったな。吊り橋が渡れないと向こう側に行けないな。」
「ええ!?どうするんだよ!?」
ヒロはがっかりしてその場に崩れ落ちた。
「う~ん。ちょっとそこら辺見てくるわ。」
俺は橋がある場所から少し離れて、
獣道やら旧道やらを探してみた。
橋が出来る前でも通行は可能だったはずだ。
ならば、どこかに道はあるはず・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
探すこと数分・・・。
今はもう使われていないだろう朽ち果てた階段を見つけた。
しかも、造りが雑すぎて急な階段だった。
これじゃあ、ほとんど飛び降りるのと同じだ。
幸い、高さはそこまで高くはないようだ。
並の人間ならば高さで恐怖し飛び降りるには気が引けるだろう。
「よし、ここを通ってみよう。」
俺は皆の元へ戻った・・・。




