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でびるハンター  作者: 片山翔
第三章 旅立ち
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山道

とある雪が降る山道で一人の青年と少女は旅をしていた。


鋭い寒さが顔に突き刺さる様な感覚。

幸いなことに雪はさほど強く吹いていはいなかった。

青年は足早に先を急ぐ。


「ショウさま~!待ってくださいよ~!

 足が速すぎます~!」


メイアはそう言うとトコトコと走りながら追い付いてきた。

今にも転びそうなその様に俺は少し不安にもなる。


「ちっ、メイア。もうちょっと早く歩いてくれ。」


メイアの足の速度に合わせるとなると遅くてたまらん。

まあ、仕方がないか大人と子どもの歩幅は結構違うものだ。


「これじゃあ、夜になっちまう。」

「何言ってるですか~。ショウ様が速すぎるだけですよ~。」

「そうかもしれんが・・・。」


子どもの足にとっては早く感じるものだと思うが、

俺はややゆっくり目に歩いてるつもりなんだがな・・・。


「ショウ様がおんぶしてくだされば、早く着きますよ~?」

「おいおい。それはお前が楽したいだけだろ。」

「え~?おぶってくださいよ~!」


そう言うと、今にも抱きついてきそうな構えをとった。

俺は足早にその場から離れた。本当に背中に乗っかかれては困る。


「断る。早く行くぞ。」

「ショウさま~!!待ってくださーい!!!」


全く、やっぱり子どもは苦手だな・・・。

雪がひどくなる前にこの山道を越えなければならないのに、

まだ全然進んでいない。

まあ、メイアはまだ十になったばかりか、それ以下だろう。

大体の事は我慢するか。


そんなことを考えていると魔物の気配を感じた。

どうやら、腹を空かした魔物が徘徊しているようだ。

この雪が降る山道に現れる魔物といえば・・・。


「ちっ、雪犬か・・・。」


所詮は俺の敵ではないが、数が集まれば面倒になる。

無駄な魔力消費は避けたいし、何よりも野宿がしたくなかった。


「できるだけ・・・発見されないように・・・行きましょう!」


遅れてやってきたメイアが息を切らせながらそう言った。


「そうだな。」


気配はしているが、この近くにはいなかったようだ。

山道は意外にも短く、下山する階段が現れた。

どうやら、下は森へ続くようだ。これでは狼どもの思うツボだ。

誰がこんな道作ったのか・・・。

最短距離ではあるが、どうぞ襲ってくださいと

言わんばかりの道の作り方だ。


「道があるだけマシか・・・。」


と、自分で自分を納得させて進むしかなさそうだった。

森を進むと明らかに放置しているであろう洞窟が見えた。

自然の洞窟を掘り進んでトンネルにしたんだろうが、

それも今や魔物の住処になっている。


少し歩くと商人らしき人物が暖を取っていた。


「あんた、この森を通るのかい?」

「ああ。そうだが。」

「なら、回復薬を大量に買い込むべきだな。

 実はな。俺は薬屋でな。良かったら買っていかないか?」


俺には回復薬は不要だな。ダメージを受ける予定もないし、

何しろ有能な治癒師が付いている。


「それなら、心配無用だ。回復薬は持ち合わせている。」

「そうなのか?まあ、どちらにせよ。魔物には気を付けてな。」

「ああ。それじゃあな。」


俺は会話を終えるとさっさと先を急いだ。

俺には話をしている暇は無いんだ。


少し歩くと、洞窟が姿を露わにした。


「自然洞窟をトンネル代わりに使っているのか。

 これは、もう魔物の住処になってるな・・・。」


人里を離れた自然な道など、とっくの昔に

管理を投げ捨てられているに決まっていた。


「よし、入るぞ。」

「ここを通るんですか~?気味が悪いですよ・・・。」

「仕方ないだろう。ここしか道はないんだ。

 森の中をテキトーに歩いたら遭難するかも知れんからな。」

「うぅ・・・。分かりました~。」


メイアはしぶしぶ、俺の主張を受け入れると

俺にひっついたまま歩いた。

怖いのか?まあ、無理もないか。


俺達は洞窟の中へと足を運んだ・・・。

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