休息
森の湿った空気と違って、村の空気は澄んでいた。
静かに流れる小川。規則正しく植えられている街路樹。
そして、もうずっと舗装されていない歩道。
石造りの道が所々剥げて土が露出している。
「とりあえず、宿へ行くか。」
「オーケー。早く休みてえ~。」
俺の言葉にすがるようにヒロは答えた。
慣れないこと尽くしで相当疲れてんだろうな。
俺達は宿屋の前に着いた。
建物がやたらデカイと思っていたら、
どうやら酒場と宿屋が一つの建物になっているようだ。
「さて、とりあえず部屋は確保しよう。」
「あ、それなら部屋は俺がとっておくよ。」
「そうか。サンキュー。」
ヒロが手続きを済ませてる間が暇だな。
「アルベール。森でヒロと何を話してたんだ?」
「大したことは話していない。」
「・・・・・?」
アルベールはそこで間を置くと顔をそむけた。
「ヒロは・・・面白い奴だな。」
「ふ~ん。珍しいね。俺以外の人間に興味を持つなんて。」
「ふっ・・・。」
カウンターの方からヒロが歩いてきた。手続きが済んだのか。
「ケイ。あのさ・・・部屋はあるんだけど・・・。
一つの部屋に二つのベットしかないらしいんだ。」
「ああ~。なら、二つ部屋が空いてないか確認してくれ。」
「分かった。」
「・・・・・・・・・・・。」
「二つとっておいたぜ。これでやっと休める・・・。」
ヒロは安堵のため息を吐くと壁に寄り掛かった。
「じゃあ、部屋に行こうぜ。」
俺は声を掛けながら辺りを見渡した。
どうやら、二階に酒場があるみたいだ。
後で、飲みに・・・いや、情報でも仕入れに行くか。
考えたいことは山ほどあるが、後でゆっくり考えよう。
そう思いながら俺は部屋へ歩いた・・・。




