森を抜けて
ケイは森を抜けるまで黙々と歩き続けていた。
まるで、俺達を避けているかのように早足だった。
「アルベール。あのさ。ちょっと聞いていいかな?」
「何だ?」
「何かケイが俺達の事を避けてないか?」
「気のせいだ。あいつは考え事を始めるといつもこうだ。」
そうなのか?あからさまに避けてる気がするが・・・。
「森を抜けると近くに村があったはずだ。ケイ。」
アルベールがそう言うと、ケイは振り返った。
「そうか。なら、そこで休もう。森を抜けるのに
何かと体力を消耗しただろうし。」
「そりゃあいいな!俺はもうヘトヘトだぜ~。」
「ふっ・・・これくらい序の口だろう。」
アルベールの底なしの体力にもう言葉も出なかった。
そこら辺の女子力とは比べ物にならないぞ。
「そういえば、さっきの・・・。
ボイドとか言う奴から何か聞けた?」
俺がケイに質問すると、ケイの顔が一瞬こわばった。
「あ、ああ。あいつの口が堅くてな。
全然、話してくれなかったよ!」
「そうなのか・・・。
レイアが森を通ったかくらい聞きたかったな。」
「あ!その件なんだがな・・・。忘れてたわ・・・。」
「え・・・。」
「だ、大丈夫だって!東に行くと行ったら
通れる道はここしかないから!」
「そう・・・だよな。」
まあ、いいや。本当に通る道はここしかないし、
本来の目的より、旅自体が面白いから。
「村の入口が見えたぞ。」
アルベールの視線の先には、さっきまで生い茂っていた森の中とは
思えないほど拓けたところが見えた。
ここが山と緑の村、エメルグリーンか。
噂には聞いていたけど、とても綺麗な村だ。
俺達は村に入って行った・・・。




