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でびるハンター  作者: 片山翔
第三章 旅立ち
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曲げないモノと曲げられないモノ

先へ進む前にこのボイドという男に聞いておきたいことが有った。

何故、俺達を狙ったのか。依頼者は誰なのか。

見る限り、この男は格闘のプロでもあり、殺しのプロでもありそうだ。


俺は大木に倒れこむ男の前に立った。


「ボイドとか言ってたな。聞きたいことがある?」

「・・・・・・・・・・。」


男はぐったりとしていたが、息はあるようだ。

アルベールめ。打ちどころが悪ければ死んでいるところだったぞ。

あいつは手加減というものを知らない。


「仕方ない。少し待つとしよう。」


何故かアルベールとヒロは二人で話しているようだし。

俺はこの男が起きるまで待ちぼうけか・・・。


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


多分、そんなに待ってはいないだろうが俺には

その時間がとても長く感じた。俺は待つのが苦手だ。


「う・・・うう。」


どうやら、気が付いたようだ。

全く、手間を掛けさせる刺客だこと・・・。


「あんたに訊きたいことが沢山ある。答えてもらうぞ。」

「何だ・・・。」

「まず、あんたが俺達を狙う理由だな。それを聞かせてくれ。」

「ふふ・・・。それは答えられませんね。

「なに?」

「時期に分かることになりますよ。」

「質問に答えてくれ。狙った理由は何だ?誰からの依頼だ?」


「申し訳ありませんが・・・。答えることができません。」


殺し屋としてのプライドか何かか?面倒だな。


「そうか・・・。」


狙う理由・・・。直接聞かなくても大体、見当がついてはいる。

だが、確証がほしい。本当にあれが原因なのかその確証が。

俺は男に剣を突き付けた。


「これでも答える気にはなれないのか?」

「私は断じて口にしません。これが私の生き方です。」

「ふっ・・・。」


プライドか・・・。曲げれないものがこいつにもある。

どんな奴にも必ずあるものだ。


「だが・・・。退いてはもらえるだろ?」

「そうですね。私の完敗です。ここは退きましょう。」


俺が剣を収めると共に背後からヒロとアルベールが近づいてきた。


「俺達は先に行かせてもらうぜ。」

「ちょっと待ってください。」


男はフラフラと立ち上がり、木を支えにしながら話した。


「貴方に訊きたいことがあります。お嬢さん。」

「その力・・・。ただ者ではないですね?

 貴方は何者ですか?」

「敗者に答える道理はない。」


「ふふ・・・。そうですね。失礼しました。」

「さあ、もう良いだろう。俺達は先に行かせてもらうぜ。」

「ケイ?何も聞かなくて良いのか?」


「良いんだ。奴は何も語る気はない。」


俺は足早にそこを立ち去ろうとした。

これ以上、過去に関わる事を聞きたくないし、

ヒロに過去を知られるのが何よりも恐ろしかった。






また、人に嫌われる。






忌まわしい過去を捨てるために過去と向き合うしか無い・・・。


そんな事はもうずっと前から分かっているはずなのに・・・。

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