風切りの飛剣
「一階にはもう何も無さそうだな・・・。」
ケイは頭を掻きながらそう言った。
害を及ぼすような霊がいないことに対してなのか。
宝がないことに対してなのか分からないが、
納得がいかないといった様子だった。
「次は二階だな。ケイ。」
「ああ、どうやらそれしか無さそうだ。」
一階を調べている途中で二階への階段を見つけたが、
一階を全部調べていなかったので、後回しにしていた。
「行こう。」
二階に上がると通路が続いていた。
「ん?人?」
ケイがそう言ったので、通路の奥を見ると
背丈より若干、大きな剣を帯びた青髪の女性がいた。
「・・・・・・・・・。」
ケイがその人に近づこうとした瞬間!
女性が帯びていた剣がケイに向かって飛んできた!
「おわ!ケイ!大丈夫か!」
「うん。まあ。」
ケイは無事のようだが、
いきなり攻撃するなんて何て奴だ!
「あんた!いきなり斬ることないじゃないか!」
俺は勢いよく叫んだ。
「・・・・・・・・魔物じゃなかったか。」
その女は落ち着いた口調で喋った。
悪気はない様な口ぶりだ。何なんだこの人は。
「わざとじゃないにしろ。いきなりは酷すぎるんじゃないか?」
「・・・すまん。癖でな。」
癖で済む問題じゃない!
苛立つ俺の肩をケイは軽く叩くと前に出た。
「見たところ、ハンターっぽいけど。あんたハンターなのか?」
「まあ・・・そんなところだな。」
相変わらず落ち着いた口調のままだ。
「ここで何をしているんだ?」
「・・・・・・・・・・。」
「すまないが、それは答えられない。先を急ぐんでな。」
そう言うと、その女は廊下の奥へと走りだした。
「おい!あんた!ちょっと待てよ!」
俺は呼び止めようとしたが、
もう既に彼女の姿は見えなくなっていた。
「ほっとけほっとけ。相当な変わり者だ。ありゃあ。」
ケイはいつものオチャラケた喋り方をした。
あの女、何のためにここに?
賞金稼ぎだとしたら、隠す必要はないだろう。
謎だ・・・。




