神殿の記憶
神殿の中は閑散としていた。無論、誰も居ないのだが・・・。
入り口よりはるかに綺麗に掃除されている床。
所々は風化しているが、未だ使われている感じだ。
これも幽霊の仕業なのだろうか?だとしたら悪霊ではないに違いない。
「誰も居なさそうだな・・・。」
俺の声が辺りに響く。
「所詮、噂だろう。」
まあ、とりあえず調査を進めるとしよう。
「いや、ケイ。何か感じるぜ。」
ヒロは不安気にそう言う。
霊感ってやつか?マジかよ。
ということは本当にいるとしたらかなり面倒なことになる。
俺は除霊なんてしたことねえぞ!
「どういう事だ?ヒロ。」
「分かんねえが、殺気?みたいなものを感じるんだ。
ここら辺じゃない。もっと奥の方かも。」
「そうか・・・。とりあえず、気を付けて行こう。」
まずは進むしかなさそうだ。
少し進むと、十字路になっていた。
「とりあえず、しらみつぶしに部屋を回るぞ。」
手始めに左の廊下を進んだ。
万が一、死霊系の魔物が出てきても、十字に斬ればいいだろう。
特に意味は無いが、威力が上がりそうな気がした。
と、考えている間に、ドアを見つけた。
そのドアを開けると水浴び場が見えた。
多分、この部屋は信者達の身を清めるための部屋だろう。
「特に何もなさそうだな。」
「そうだな。」
俺とヒロがそう言って立ち去ろうとした時、
点いていない灯りに突然、火が点いた。
しかも、青い炎ときたもんだ。
「うわ!なんだこれ!?」
ヒロは飛び上がって驚いた。盛り上がってまいりました。
ここで、アルベールが驚けば萌えポイントだったのに。
アルベールは特に驚くこともなく、しかも微動だにしなかった。
とりあえず、この部屋には何もない様だから、部屋を出た。
さっきの廊下を進むと行き止まりだったので、
引き返して反対側の廊下へ進んだ。
こっち側にも同じようにドアがあった。
部屋に入ると、会議室と倉庫が合体した様な妙な部屋に入った。
「!?」
耳を澄ますと話し声が聞こえてきた。
「異教徒を地下に収容するには牢屋の数が足りません!」
「ならば、数が足りるようにすればいいではないか?
「それがどういうことか。分かっておられるのですか!?」
「じゃあ、どうするというのだ。現に今、
牢屋は足りておらぬではないか?」
「異教徒共の考えを正す?馬鹿馬鹿しい。バカは死なねば治らんのだ。」
「・・・・・・・・・。」
そこで会話は終わった。
「今の聞こえたか?」
ヒロは驚いた様子でそう言った。
ヒロにも聞こえていたのか。ということは全員に聞こえていた様だな。
「ああ、聞こえたよ。だが、今の俺達には関係の無いことだ。
これは亡霊たちが創りだした過去の記憶だ。」
俺達はその部屋を後にし、残る奥へ続く道へ足を運んだ・・・。




