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でびるハンター  作者: 片山翔
第二章 それぞれの思惑
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それぞれの思惑 -アルベール Side-


「やはり、これにも載っていないか・・・。」


分厚い本を閉じるとため息がひとりでに吐かれた。

全く、人間の書物などいい加減なものだ。

殆どが虚像で出来ている。


可能性。仮説。想像。


情報源が本だけでは、やはり物足りんな。


(魔界の遺産など、人間界には無いのか・・・。)

(だが、世界中には封印が点々と存在している事は確かだ。)

(これが魔界と何か接点があるに違いない。それにしても・・・。)


今回の依頼もつまらすぎた。退屈しのぎにもならない。

・・・奴の様子でも見に行くか。


私は書斎から出て、暖炉のある居間に歩いた。


「・・・・・・・・・・・。」


ふ~む。ケイが真面目な顔をしているな。珍しい。


「どうした?珍しく真面目な顔をしとるな。」


ケイは思考に耽っていたらしく、

こちらの存在に気が付くと微笑を浮かべた。


「ふふ、ちょっと、な。」


私はその笑みの意図がよく分からなかった。


「何だ、その笑みは。」

「いや、平和だなーって思ってさ。」


平和か。そういえば、こいつは昔から平和を望んでいたな。

だが、真の平和など夢のまた夢、空論でしか無い。


「平和か。今のところはな。」


私は毅然とした態度でケイに答えた。


「それよりさ。どうだ?最近の調子は?」


いきなり話題が変わったな。

こいつが何かを隠す時のいつもの癖だ。

だが、今は何を隠しているかを問い正すのも面倒なので流す事にした。


「特に問題ない。この体にも馴染んできたとこだ。」


実際、この借り物の体で真の実力を出せるまでは、

大分掛かりそうだった。


「それは良かった。」


返事に覇気を感じらんな。他の事を考えているようだ。

私の頭の中に一つの答えが浮かんだ。


(昔の事を考えているんだな。)


いつまで、過去にとらわれている?



「・・・・・・・・。」

「あれから、数年は経ったな。」



ケイの指先が動いた。やはり、昔の事のようだ。

こいつは昔の話を何故か喋りたがらない。


暖炉の炎が勢いを失いかけているのが、横目に映った。


「もう、寝ようぜ。」


ケイは立ち上がりそう言った。

表情には出さないが、早々に立ち去りたそうな素振りを見せた。


「ああ、私はもう少し調べ物をしてからにする。」


私は、書斎へと戻った。

数年前の魔術戦争か・・・。あれも人間同士の醜い戦いだったな・・・。


「・・・・・・・・・・・。」


そして、私は再び本を漁り始めた・・・。

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