表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第2章 巻き込まれる英雄見習い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/71

第59層目

 その後も何度か霧に紛れて接近を試みたが、全て失敗に終わっている。


 ハイドラを中心に半径30m以内に入ると、何かしらの手段で察知しているのか、俺がいる方を重点的に魔法や熱線を乱射してくる。


 そのため、強引に近づこうにも向こうの手数に押し切られ、退却を余儀なくされている。


 ここまでに確認できている魔法は、水・氷・闇の3種。

 これに加えて魔眼による熱線を放ってきているのが、いまいち詰めきれない原因といったところだ。


 こちらも魔法を使っているんだが、いまいち魔法の通りが悪いんだよな。


 狐火を含めた混成魔法の場合は避けたり相殺していることから、完全に無効にできるわけではないんだろうが、水と氷だけだと避けないのを見ると効いていない気がする。


 割と八方塞がりになりつつあるが、どうしたものか...。



 Side サズキ



 ダゴンの右ストレートに左ストレートを合わせる。


 鈍い打撃音が響き、お互いの拳が砕ける。

 けど、僕はお構いなしに逆の腕で同様に殴る。


 ダゴンの腹部に拳が刺さり、吹き飛んでいく。


 天の道(スカイロード)でダゴンの上を取り、回復した左腕で頭部を殴ろうとしたけど、向こうも()()()()()でこちらの攻撃を防いでくる。


 お互いの攻撃は相手に通るが、数秒のうちに回復するため、千日手となってきている。


 炎鎖(えんさ)による攻撃は打撃よりも効いているっぽいけど、鎖で捉えた部位を燃やしたところで数分程度で元通りになってしまう。


 これは...僕の理性が残っているうちに、カルマと一旦合流した方が良さそうだね。


 炎鎖でダゴンの目を焼いて視界を奪い、戦線を離脱する。


 ハイドラがいた方に走れば、僕が寄ってくるのが見えていたのかカルマがジャンプして寄ってくる。


「戦闘中に相棒がこっちに来るってことは、まだ理性は残ってる状態か」

「何かあったか?」


「何かあったというか、何も進展がないって感じだね」


「そうか、どうやらこっちと似たような状況みたいだな」


 お互いの状況を手短に共有した感じ、カルマの方は初撃以外で攻撃ができていないっぽいね。


「どうする、俺がダゴンの相手をした方が良さそうか?」


「それが良さそうだけど、逆に僕がハイドラを倒すのが難しそうなんだよね」


「そうか、俺がダゴンを魔法で近づけさせずに倒すのと同じような状況になるからか」


「うん、せめて僕が隠密スキルなりを使えると良かったんだけどね」


「恐らくダゴンも水と氷は効きにくいだろうから、他属性の魔法が使える方が楽だろうな...」

「いや、もしかしていけるか?」


「どうしたのさ、カルマ」


 カルマが考え込み始めちゃったな。


 視界が回復したダゴンと、霧が晴れたハイドラが合流しちゃったから、早めに復帰してくれるといいけど。



 Side カルマ



 思い出せ、今までの英雄選定で起きた事象を。


 最近の選定に、俺が今引っかかった内容はない。

 もっと前だ、それこそ最初の選定は...。


 スキルオーブが選定前後で手に入って、俺らに足りていなかった装備も入手できた。

 その次の選定では、俺も相棒も勝つために切望したスキルが発現した。


 以降の選定ではスキルオーブや装備は手に入らなかったが、その分倒したモンスターの数よりも多い素材が入手できた。


 この違いはなんだ。

 俺らと選定対象の差によるものか?


 もし仮にそうだとしたら、今の状況はどうだ。


 Jrサイズとはいえ、天狐(スカイフォックス)よりも明らかに強い敵が2体。


 しかも攻撃はほぼ通らず、お互いに千日手。


 もし、選定中に俺らが強くなる条件が揃っているならば...あと足りないのは勝つためのビジョンか。


 ならば切望しよう、必要な(スキル)を。


「相棒!空へ!!!」


「わかった!」


 ダゴンとハイドラが合流していたのが見えたため、一度上空に避難する。


 空間魔法でぶ厚めの床を創造したので、簡単にハイドラの魔法で壊されることはないだろう。


「どう、いい案は浮かんだ?」


「一応な、今からそれを試そうと思うから一旦俺の仮説を聞いてくれ」


 先ほど思考して纏めた仮説を相棒に伝える。


「なるほどね、カルマの言いたいことは分かったよ」

「確かにこれまでの状況からその仮説に至るのは理解できたけど、それなら今回はどうする?」


「この戦いは、俺に相棒の、相棒に俺のスキルがあれば容易に勝てる」


「確かにそうだね、僕に隠密スキルがあればハイドラの攻撃をかいくぐってダメージを与えることが出来るし、カルマに雷魔法があればダゴンを倒すことが出来ると思う」


「そういうことだ、だから頼むぜ相棒」


「任せて、カルマもしっかりね」


 任せとけ、こちとら元厨二病患者だからな。

 自分が想像するスキルを切望することなんて慣れてる。


 さぁ、願おうか。


 渡せるスキルの個数は少なくていい。

 ただ、どのスキルを相手に貸し出したいかだけを決めさせてくれればいい。


 渡せる対象の条件も厳しくていい。

 相棒にスキルを貸し出せるならそれでいい。


 俺は勝ちたい。

 相棒を元に戻すまで止まってなんかいられないんだ。


 足元の床がハイドラの魔法によってどんどんひび割れていく。


 ...つーかよ、もうこの10日間ほぼスキルも生えず、素材も拾えないただ働きしてんだ!

 その上過去の選定を再開されてそれに付き合ってんだ、いい加減なんかよこしやがれ!!!


 足元の床が崩壊すると共に、脳裏に新たな知識が増える。


 どうやら仮説は、あながち間違っていなかったみたいだな。


「相棒!」

「カルマ!」


「相棒に隠密スキルを!」

「カルマに炎魔法を!」


「「移心伝身(いしんでんしん)!」」


 脳裏に相棒から貸し出された炎魔法の知識が増える。


 さぁ、焼きウツボにしてやる!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ