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クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第2章 巻き込まれる英雄見習い

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第46層目

 いやぁ、2号とずっと料理してたら、この3日間あっという間だったな。


 基本的には、おにぎりやサンドイッチなど、片手で食べられる物を大量に作った感じだ。

 だが、それだけだと味気ないので、夕飯用に温めるだけでいいスープなんかも用意しておいた。


 とりあえず俺と相棒だけなら、半年くらい孤立無援になっても食料に困らない程度には準備できた。


「ねぇ、カルマ」


 やっぱ時間停止×収納無限の組み合わせはズルいな。

 せめてBランクに上がるまでは、“デカい収納袋持ってる2人組”で誤魔化したいところだ。


「聞こえてるでしょ、カルマ」


 もし仮にバレたら、この前の騒動の比じゃない。

 クラン勧誘、拉致、使い潰し…。パッと想像できる未来だけでもろくでもなさすぎる。


 便利だけど、便利すぎるが故に不便でででででで――!


 思考の渦に沈み込んでいたところで、急に視界がガックンガックン揺れた。

 …いや、揺れてるというか、両肩掴まれて揺さぶられてるなこれ。


「現実逃避もいい加減にしないと!」


 揺れる度に、端正な顔が近づいたり遠のいたりする。


「こうだよ!」


 相棒の声と同時に、脳天に衝撃が走る。


 あぁ、視界が閉じてゆく…。



 ーーーーーーー



 酷い頭痛に目を覚ますと、ガラッとしていたはずの会議室には大勢の冒険者が集まっていた。


 大多数は()()に座る俺らの前に着席しているが、数名ほどこちら側に座る冒険者もいる。


 チラッとしか見たことないが、あの人たちは文武常道(ぶんぶじょうどう)のクラマスと幹部たちだな。


 それと…あれ?

 何時ぞやの苦労人お姉さんとギャルのコンビもいる。


 しかも、会議の準備をしている姉御のところにいる…。

 ということは、俺らの隣に空いてる椅子に、この2人が座るのか?


「相棒、気を強くもてよ」


「えっ?どういうこと?」


「こういうことだ」


「こんにちは!」


 俺らの頭上から声が降ってくる。

 どうやら俺が相棒に注意を促している間に、気が付けば件の2人がこちらへと近づいてきていたようだ。


 顔を正面に向ければ、ニコニコ笑顔のギャルと、眉を八の字にして申し訳なさそうな苦労人お姉さんが目の前にいた。


 苦労人お姉さんと目が合うと、頭を下げられる。

 いや、お姉さんは悪くないっすよ。


 とりあえず挨拶返すか。


「こんにちは」

「こ、こんにちは」


「今回はよろしくお願いしまーす」

「迷惑はかけないように頑張るので、よろしくお願いします」


「よ、よろしくお願いします?」


 挨拶もほどほどに、2人は隣に用意された席に座る。

 相棒と顔を見合わせるが、相棒も何も聞いていないのか困惑している。


 とりあえず情報を得ようと声をかけようとした瞬間、手を叩く音が聞こえる。


「今日は集まってくれてありがとう。早速だが、今回の依頼の概要を説明させてもらいたい」

「全員、こっちを見てくれ」


 気が付けば開始時刻になっていたのか、姉御が資料片手に壇上の中央で視線を集めていた。


 お姉さん達がこっちにいる理由については、何となく分かった気がする。

 だがその可能性は否定したいので、サブ思考で他の理由を考えるか。


「簡単にだが、今回の依頼達成にあたっての大まかな概要を、手元の資料に纏めさせてもらった」

「もちろんダンジョンが相手だ。不測の事態が発生することを念頭に置きつつ、私の説明を聞いてもらいたい」


 一応俺らは報告者兼中心で動く冒険者という事で、資料の方には昨日のうちに一通り目を通している。

 なんなら15層目までの内容は、俺らが得た情報からの推測を記載しているので、俺らが作ったと言っても間違いはないだろう。


 まぁそんな訳で、今回の会議は顔合わせ以外、ほぼ昨日の復習みたいなもんだ。

 ぶっちゃけ2号あたりに代わりに出席してもらいたいが、それが相棒と姉御にバレた時にどんな地獄絵図になるか分からないので、大人しく座っている。


「…というのが、今回集まってもらった理由だ」

「次は今回の依頼の進め方になる」


 あっぶね。

 思考が逸れてる間に、俺らが報告したダンジョン内の様子の説明が終わってたわ。


 ここからは流石に真面目に聞くか…あとが怖いし。


「今回の依頼は、掃討班と援護班に分ける」

「掃討班は私の友人4名と文武常道から16人の3パーティ、援護班は名護弥(なごみ)大のサークルから24人の3パーティで結成する」


 友人4名…?

 ってことは、この2人は姉御の友人ということか。


 そして文武常道からは、当初の予定通り2パーティジャストの16人…。


 あれ、これもしかして…。

 嫌な可能性が当たる確率が、さらに上がったな。


「掃討班は緊急時以外は基本的にパーティ単位で攻略を進めてもらうが、何かあった時にすぐに援護に行ける距離で行動してくれ」

「援護班は10層目付近までは掃討に参加、以降の階層は余裕があると思っても物資の運搬や連絡役に努めてくれ」


 まぁ妥当か。

 基本的に溢れは10層よりも浅い階層が飽和することがトリガーになることが多い。


 そのため、10層目まで確実に殲滅したいのだろう。


 ただ、ぶっちゃけ俺ら若造2人は掃討に参加してるのに、自分達は裏方なのは面白くないと思われても仕方ない。


 文武常道の方は見知った先輩達が過半数以上いるから大丈夫と思われるが、姉御の大学の方は分かんねぇな。

 なんなら現状ですら、壇上にいる俺らに訝しげな視線を向けてきているし。


 こりゃ1階層で派手にやるしかないか。


 …ま、それでもダメなら、こっそり姉御にチクるがな。

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