27話
『風よ、そよ風よ、我が前に現れよ』そう唱えたアランは、椅子の上にある紙を見ていたが、一向に紙が動かなかった。
「失敗ね~。でも、最初の1回で成功する人は、いないにも等しいから気にしない様にね」
「うん、ママ。もっと練習してフィオナに見せてあげるんだ」
そう言いながら練習を繰り返しているとアランがレイラに、身体が少しおかしい事を伝えた。
「ママ。何か身体が少しダルイような感じなんだけど、何で?」
「それはね、魔法を使っているからよ。少ない数や弱い魔法なら多く使えるけど、何度も使ってたり強力な魔法は魔力が切れるのが早いから、自分で慣れないといけないわよ」
それを聞いていたアランは、ゲームで言う『MP』の事かと考えていた。
「ダルクなって来たのなら、今日はそろそろ終わりにしなさい~」
「は~い。後、1回か2回したら終わるね」
そう言って1回目は何もなく、2回目の詠唱を唱えたら椅子の上の紙が少し動いていた。
「おめでとう、アラン!初日で少しでも動かせたら上出来よ」
「ありがとう、ママ!取り敢えず今日はこれで終わるよ」
少しとはいえ動かせた事に2人は喜んでいた。レイラが練習を終えて眠りに着いたアランを見ていると、ダレンがアランの魔法の事で聞いてきた。
「初心者用の魔法とはいえ、アランが動かす事が出来たのは凄いのか?」
「凄いわよ~。私でも初日は動かせなくて大変だったんだからね~。少しとはいえ、それを3歳でやれるのは。アランは将来凄い子になるかも」
寝ているアランの髪を撫でながらレイラは、アランの将来を想像していた。
翌日、アランはフィオナに魔法を見せに館に来ていた。
「フィオナ。初心者用の魔法だけど少し出来るようになったよ」
「えっ?うそよ~」
「じゃあ、見ててね。やるから」
そう言いながらアランは、椅子と紙を用意して宿屋で練習したとおりに魔法を唱えてみた。そうすると僅かだが紙が宙に浮いていた。
「わぁ~、凄い凄いアラン!」
「へへ~ん。出来たでしょう」
胸を張ってフィオナに成功のポーズをとっていた。




