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闇修験 石動玄斎の異世界紀行 〜こっちでは冒険者稼業で食っていく〜  作者: 黒木吼


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6話 イベェ―ルの冒険者 〜最初の任務〜

ガルドのパーティーは、前衛で大剣遣いのガルド、後衛で弓遣いのミリア、同じく後衛の魔法使いレオン、回復役で僧侶のトマス。

かれこれ10年は共に依頼をこなしてきた、このイベェ―ル村の看板パーティーである。ランクもこの村で最高のシルバーランクだ。


ギルドのランクは主に魂の昇華、通称ランクアップや依頼達成度で決まる。下からブロンズ、アイアン、シルバー、ゴールド、ミスリル。

そして最高ランクのオリハルコンは、国が召抱えて、戦略的任務や外交・国家防衛に関わる権限と待遇が与えられたりもする。


ガルドのシルバーランクは中堅だが、複雑な依頼や集団戦もこなし、村や街では信頼される実力を持つ。


ニコルとガルドの関係は6年前にさかのぼる。

6歳のとき、流れ行商人の両親とニコルは、イベェールに近い外道で魔物に襲われた。

両親はニコルを庇い命を落としたが、幸いにもガルドのパーティーが駆けつけ、ニコルは救われる。

助けられたニコルは、イベェ―ル村の孤児院に預けられ、ガルド達はその後もことある毎に面倒を見てきた。


そして今日、ニコルは冒険者となり、ガルド達の後ろに立って森へ向かう。

今回のゴブリン掃討作戦は、イベェ―ル村近隣の森の奥にできたゴブリンの集落を壊滅させるためのものだ。


ゴブリンは集団で行動する性質があり、数が増えると集落を作り、戦力も飛躍的に上がる。

魔法を使う個体や戦闘力に秀でた個体、そして「王」と呼ばれる個体も現れる。

小さな村のギルドでは到底手に負えず、領主の出番となるほどだ。


ギルドの広間には冒険者たちの熱気が満ち、木製の床を踏む音や鎧の金属音がわずかに反響する。

討伐隊は総勢二十名。ガルド率いるイベェ―ル村のギルドの十三名と、近隣の冒険者ギルドから応援として派遣された七名の精鋭で構成される。

その中にはゴールドランク2人も含まれていた。


ギルド長の声が広間に響く。

「以上だ。――それでは、出発だ」


隊列の前にはガルドのパーティーが立ち、周囲を警戒する。

ガルドの目は森の地形や魔物の出現場所を逐一確認し、仲間たちの行進を支えた。


ミリアは警戒する身のこなしから斥候としての経験の豊かさを示す。

レオンは鋭い目で周囲を観察し、些細な魔力の揺らぎも見逃さない。

トマスは慎重に足取りを確かめ、胸の中で仲間と作戦の成功を祈った。


ニコルは先輩たちの背中を見上げ、胸の高鳴りを抑えながら歩を進める。

森の湿った土と枯れ葉の匂い、遠くで枝が折れる音、微かな魔力の波動――すべてが神経を研ぎ澄ませる。


ガルド達の後ろには、ゴールドランク2人が静かについて来ている。

鎧や武器の輝きから放たれる威圧感に、ニコルの胸は思わず跳ね上がった。

「ゴールドランク……か」

息を呑み、背筋を伸ばす。これが本物の最上級の冒険者なのだ。


森の奥深くへと進む隊列。

ガルドはもうすぐ目的の場所へ到着する旨を、後続の冒険者へと伝えた。


討伐の鐘が鳴る時が迫り、ニコルは緊張で胸が張り裂けそうだ。

そして、ニコルはその瞬間が自分の冒険者としての第一歩であることを、静かに噛みしめていた。



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