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覚書  作者: 汀 空木
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6/25

音が聞こえる。

灰色で、静かで、視界から細く落ちていく。

冷えた風が私に教えたの。

無数の雨粒。

静かに、静かに、落ちていく。


何も感じさせない優しさが、心地いい。

少しの孤独を愛する私には、今日はいい日。

とても心地がいい。


「どうしたの?」

「何が?」

最近、あなたは。

「いや、何だろう。」

「何か感じる?」


あなたは。



「何か言いたいことがある?」



その横顔を、見ていた。

考えている。

あら、分かっているはずでしょう?

帰り際、彼は言った。


「あなたは、よく、頑張っているよ。」


あぁ、やめて。

あなたのその目に嘘などつきたくない。

そんなこと、わかっていて、それでも、あなたは言ってくれたのね。


優しくて、愛おしく、優しくなくて、酷い人。

あなたには、救われないでいたい。

なんて、手遅れかしら。

否、それでも、私は私にしか救えない。

ねぇ、いい日だね。

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