第22話:究極パージ、そして“真の一点突破”
黒幕が私に手を伸ばす。
「ほら、リゼット様。
もう隠さなくていい。
羞恥も、快楽も、全部私に見せて――」
(……もう……やだ……)
心臓が早鐘みたいに鳴る。
胸の魔力紋が、また赤く脈打つ。
(……でも……)
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(私がこんなに震えるのは、
生きてるから。
この心臓が、
まだ止まっていないから――)
羞恥も、快感も、痛みも。
その全部が、私の命。
だから――
「っ……あぁ……もう……っ……
――いいよ……!」
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両手を胸に当てて、
魔力を思い切り込めた。
極薄のPSUが、心臓の鼓動に合わせて波打つ。
羞恥に顔が熱くなる。
レイナに全部見られてる。
黒幕にも見られてる。
でも、もう隠さなかった。
「……私の……
羞恥は――
私の、生きる証!!」
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その瞬間、
胸の魔力紋が真紅に輝き、
全身を駆け巡る。
極薄装甲が、
内側から膨大な魔力に突き上げられて、
小さくパリン、と砕ける音が響いた。
(これが……本当の……一点突破――!)
光が私の体から溢れ出して、
神殿の闇を切り裂いた。
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「……素晴らしい……!
ああ……リゼット様……
貴女はやはり至高……!」
黒幕は恍惚とした顔で、
その光に両手を伸ばす。
でも次の瞬間、
その身体が崩れ、
瘴気のように溶けていった。
「この羞恥……快楽……痛み……
ああ……愛して……います……
リゼット様――」
甘く切ない声を最後に残し、
黒幕は闇の中に消えた。
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(終わった……)
膝から崩れ落ちそうになった私を、
レイナがしっかり抱き止めた。
「……見事だったわ。
全部……見せてくれて、ありがとう」
レイナの声が、
泣き笑いみたいに震えていた。
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私も泣いていた。
でもそれは、
悔しさや羞恥だけじゃない。
心の奥が、
少しだけ温かかったから。
(……私、生きてる……)
その証を、
また胸の魔力紋が小さく脈打って教えてくれた。




