第12話:ヒロインの“本気の誘い”と核心への一歩
あれから、
胸の魔力紋はずっと、
小さく脈打ち続けていた。
何度も大きく息を吐いて、
ようやく少し落ち着いたと思ったのに、
頭の奥ではエル=ザルゴの声がまだ薄く残響してる。
(……いや……やだ……)
その時だった。
「――リゼット」
振り返ると、
そこにはレイナがいた。
黒髪が夜風に揺れて、
その瞳がいつもよりずっと真剣で、
少し怖いくらいに綺麗だった。
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「じゃあ――本気の、本気の協力プレイ、いくわよ」
「……え……?」
頭が真っ白になる。
「そ、それって……い、今までのは……ちが……?」
レイナはくすっと笑って、
でも目は笑っていなかった。
「ふふ……あれはただの準備運動。
これからは――本番」
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次の瞬間、
レイナが私の腰に手を回し、
ぐっと引き寄せた。
「ひゃ……っ!」
胸がレイナの胸に潰される。
そこにはクリアパーツがあるはずなのに、
もうほとんど素肌同然で、
魔力紋と魔力紋が直接擦れ合っているみたいに、
ズクン……と脈動が大きく跳ねた。
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「やっ……やだ……!
そ、そこ擦れ……ちゃ……っ……!」
「平気。もっと擦りなさい。
ちゃんと魔力、循環させるの」
「む、無理……っ……!」
でも、
レイナの手が私の背をそっと撫でて、
その指先が魔力紋を追いかけるみたいに滑ると、
身体の奥がびくっと震えた。
「ほら……ほらリゼット。
ちゃんと出して。
あなたの魔力、もっと私に見せなさい」
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「っ……あ……あぁ……」
胸元の魔力紋が強く光る。
その光が、レイナの肌に赤く映る。
「……ねぇ。分かる?
あなたの羞恥、全部ここに出てる」
レイナが、そっと額を合わせた。
その熱が、私の脳髄まで落ちてきて、
思考が真っ白になる。
「もっと恥ずかしくなっていいのよ。
……それが、あなたの強さなんだから」
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「っ……いや……や……そんなの……」
「でもほら、
ちゃんとこうして、私が受け止めてるでしょう?」
レイナが優しく笑った。
その顔が、
あんまりにも綺麗で、
私はまた涙が出そうになる。
(……これが、本気……)
分かった瞬間、
腰がガクンと抜けそうになった。
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「大丈夫。支えてるから。
あなたはもっと、晒していいの」
「……や……ぁ……!」
胸の奥から、
大きな魔力が一気に溢れた。
その瞬間、
魔力紋が赤黒く輝き、
レイナの胸元にも魔力が伝わって、
二人の体が震えた。
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「そう……いい子」
レイナは嬉しそうに細く笑って、
私の髪を優しく撫でた。
その声が、
魔力紋に直接落ちるみたいに響いて、
またドクン……と脈を打つ。
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(……もう、元には戻れないんだ……)
でもそれが、
少しだけ怖くなくなっていた。
レイナが、
全部抱えてくれるような気がして。




