第3話 正義と悪の狭間
~仮面の総帥と、愛しき戦士~
闇の帝国が世界にその姿を現した瞬間、空は黒雲に覆われ、大地は不気味に震え上がった。
正義の象徴『エクリプス戦隊ソルジャー』は、総力を挙げてこの脅威に立ち向かう。
「悪の総帥よ!我らエクリプス戦隊がここで倒し、世界を守る!!」
真っ赤な閃光と共にリーダー・レッド=赤城大介が前に出て、気合いのこもった声を上げる。
ブルー=一条冷が冷静に状況を分析し、グリーン=青葉みどり、イエロー=黄島向日葵も武器を構える。
そしてその後ろに、いつになく悲痛な面持ちで立つのが――ピンク=桃沢桃子だ。
「この禍々しい気配…どこか懐かしいような…」
彼女は胸騒ぎを抑えられず、震える声で呟いた。
闇の城門が音を立てて開き、漆黒のマントを翻して俺・鉄也が姿を現す。
顔は無機質な仮面で覆われ、赤い瞳だけが妖しく光り輝いていた。
全身の赤黒い紋様が脈打ち、周囲に圧倒的な闇の力が立ち込める。
「ふん…正義を騙る連中か。我らに流した血と涙、数千年の恨み…ここで晴らしてやる!」
低く響く声が空間を揺らす。
「行くぞ!諸君!!」
大介の合図で戦闘開始!
だが俺の力は彼らを圧倒した。
かつて共に戦ったコンビネーションも、今の俺には手に取るように読める。
「何だ…!?まるで戦隊ブラックの戦い方だ!!」
一条冷が驚愕の声を上げる。
「速い!強い!こんな敵見たことない!」向日葵が息を切らす。
俺は容赦なく攻撃を叩き込むが、不思議と彼女たちには致命傷を与えず、力の限界を見極めるように戦っていた。
その時――
スキを突いて桃子が真っ直ぐに俺へと斬り込んできた!
「やめて!!あなたは一体…誰なの!?」
彼女の剣が仮面に触れた瞬間――
ガチャリ…
仮面が音を立てて外れ、俺の素顔が白日のもとに晒された。
赤く輝く瞳、口元の小さな牙、肌に浮かぶ赤黒い紋様…だが確かに、そこには彼女が忘れられないあの男の面影があった。
「……っ!?」
桃子の剣が地面に落ち、時間が止まったかのように静寂が訪れる。
「その顔…まさか…黒金…鉄也…さん…?」
彼女は信じられないというように手を口に当て、一歩、また一歩と近づく。
「違う…だって…あなたは私を庇って…跡形もなく消えたはず…!!」
仲間たちも絶句し、凍りついた。
俺は迷いを断ち切るように、赤い瞳で真っ直ぐ彼女を見つめ返した。
「そうだ…俺は黒金鉄也。
だがもう正義の戦隊ブラックではない。
古の民の恨みを受け継ぎ、偽りの正義を裁く…闇の総帥だ!」
「なんで…どうしてこんな姿に…!?」
桃子の瞳から涙が次々と零れ落ちる。
その涙を見た瞬間、心の奥に押し込めたはずの愛しさが疼き出す。
だが復讐の誓いが俺を引き止める。
「桃子…お前だけは…この闇から遠く離れて生きろ…」
俺は震える声で告げると、再び仮面を取り付け、冷徹な総帥の声で宣言した。
「だが戦いは終わらない!次こそ、この世界全てを我らのものとする!!」
闇の嵐が吹き荒れ、俺は仲間を連れて闇の彼方へと消えていった。
残された戦隊メンバー…そして崩れ落ちる桃子の嗚咽が、戦場に悲しく響き渡った――
✨いかがですか?




