表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/13

第1話 古の記憶と、憎しみの真実



玉座に腰を下ろしたまま、混乱する俺・黒金鉄也の頭の中に、突如として激流のように押し寄せてくる見知らぬ記憶――

血のにおい、燃える故郷、絶望の叫び…そして、底知れぬ憎しみが渦巻いていた。


「……頭が…!」

俺はこめかみを押さえ、うめくように声を漏らす。


すると、最も高位の従者がゆっくりと顔を上げ、遠い眼差しで語り始めた。

その声は、まるで千年の時を超えて響くかのように重く、深い――


「ブラック様…その記憶こそが、我らの真の姿…そしてこの帝国が生まれた理由です…。

お聞きください…もともと我らも、貴方と同じただの人間だったのです…」


「……何?」

俺は息を呑み、耳を疑った。


従者は続ける。


「古の時代――我らの祖先も、平和に畑を耕し、家族と笑い合う何の変哲もない民でした。

だが、善良な顔をした権力者たちが現れたのです。

自らの保身と欲望のために、我らを陥れ…ありもしない邪悪な罪をでっち上げた…。


次々と家は焼かれ、男は虐殺され、女は辱められ、無垢な子供たちまで容赦なく踏みにじられた…。

我らの部族を…我が妻を…我が子を…愛する家族を…皆、残虐に殺し尽くしたのです!」


その言葉に、流れ込む記憶が鮮明に疼く。

絶望の淵で、祖先であるこの身体の元の主が、天に向かって叫んだ光景が浮かぶ――


「『助けてくれ…』と、我は必死に祈った…。

だが…神など、どこにも居なかった!!

ならばもう何でもよかった…!

邪悪な者でも、悪魔でも構わない…我に復讐の力を与えてくれるなら、この身も命も魂も、全てくれてやる!!――とな!」


従者の声が高まり、大広間の空気が震え上がる。


「その瞬間!空を引き裂いて一筋の閃光が走り、巨大な隕石が大地に落ちたのです!

近づいてみると、その隕石の中心から、微かに脈打つ未知なる生命の核が輝いていました。


その核は、絶望と憎しみに満ちて死にゆく我らの身体に自ら入り込み…

寄生し、融合し、新たな命を与えたのです!


こうして我らは不死身の闇の民となり、力を得て復讐を誓った…。

正義を騙る者どもへの、永遠の闘いが始まったのです…」


記憶の奔流が収まり、俺は玉座にもたれたまま、言葉もなく天を仰いだ。


――悪と決めつけられていたこの帝国に、こんな悲痛な真実が隠されていたなんて…。


正義の戦隊ブラックとして育った俺の常識が、今、音を立てて崩れ落ちていく。


「さあ我らが総帥…ブラック様よ。

貴方こそが、この宿命を受け継ぐ者…

さあ、正義を騙る連中へ、復讐の裁きを下してください…!」


従者たちが一斉に拳を掲げ、闇の帝国全体が俺の決意を待っていた――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ