プロローグ 影の戦士の最期と、悪の玉座の目覚め
俺の名前は黒金鉄也。
正義のヒーロー部隊『エクリプス戦隊ソルジャー』――そのブラックだ。
チームの仲間たちはこうだ。
リーダーで真っ直ぐ熱血漢のレッド・赤城大介。
いつも冷静沈着で的確な判断を下すブルー・一条冷。
穏やかでみんなの癒し役グリーン・青葉みどり。
太陽みたいに明るく場を照らすイエロー・黄島向日葵。
そして――俺が誰よりも密かに愛し続けた、可憐で心優しいピンク・桃沢桃子。
俺はクールな影キャラ。前に出るより、後ろからみんなを守り、危険から庇うのが役目だった。特に桃子だけは、何があっても絶対に無事に帰す――それが俺の、誰にも言えない誓いだった。
だが運命の日は、突如戦闘の最中に訪れた。
「ソルジャーども!これで世界もろとも消し飛べ!!」
敵の総統が放った漆黒の超破壊砲。
空間さえ歪めるその一撃が、まっすぐ桃子へと狙いを定めていた!
「桃子っ!危ない!!」
考える間もなく体が跳ねた。
俺は彼女を背中に庇い、全身で爆風を受け止める。
ドォォォォォン――ッ!!!!
閃光が世界を覆い、鼓膜を引き裂く轟音。
俺の体は跡形もなく消し飛ぶほどの爆発に飲み込まれていく。
「鉄也ぁぁっ!!!」
「ブラックーッ!待て、無事なのか!?」
「やめてぇっ!鉄也さん!!」
遠くで仲間たちの叫びが響く。
桃子の泣き崩れる声が、胸に焼きつく。
――ああ…これで役目は果たせた。
お前だけでも守れて…よかった…。
そう思って意識が闇に沈んだはずだったのに――
ふとっ…
重いまぶたを開けると、そこはどんよりと暗く禍々しい大広間。
壁には不気味な紋様、床を這うように赤い炎がゆらめいている。
俺は、黒光りする重厚な玉座にどっしりと腰を下ろしていた。
見慣れた戦闘服ではなく、漆黒の鎧と闇を纏うようなマントを身につけている。
混乱する俺の前に、骸骨のような従者たちがひれ伏し、畏怖に満ちた声が響いた。
「ブラック様…お目覚めですか?我らが君、悪の帝国の総帥よ…」
「……は?ブラック様…?」
正義の戦隊ブラック・黒金鉄也は、愛するピンクを守って散った。
なのに目覚めた先は、敵の本拠地の玉座の上――悪の帝王として、第二の人生が始まるなんて!?
これからどうなる…?仲間は?そして桃子は――?




