おててが…
やはり、この気持ちから逃げることはできない。
俺は、体温計で熱を測って熱がないことを確認してからそう思った。
だが、どうすればいいんだ?
俺は今まで恋愛などしたことがない。
どうすれば俺の気持ちを伝えられる?
というか、この気持ちを伝えてどうするんだ?
茜が俺のこと別に好きじゃなくて、友達として意識してたんだなんて言われたら俺はどうしていいかわからない。
*ありえねぇ
ピコンッ
『橘さんからの看病はどうだったんだ?』
『ありがたかったよ。』
『どうしたんだよ。急にそんな感じになって、もしかして好きなのか?』
こいつだけには教えてはいけない。
教えたらおそらく言いふらしはしないだろうが、大騒ぎしそうだ。
こいつからの煽りはまぁまぁしんどいからな。
『答えはNOだ。』
一方的にどう送るとその後、隆からのチャットは見ない。
どうだ!これが俺の考え出した最強の答えだ!
*ただのヘタレ
茜に俺が回復したことを伝えて、いつ映画館に行くか知らせないとなぁ……
茜に連絡するためにトーク画面を開いたのだが、手が震える。
どうしちゃったの?僕のおててさん。
♦︎茜side
どうしよう!
流石に流れであ〜んするのはやばかったのかな?
蒼介くんがいつもと違ってたし。
とりあえず体調が大丈夫か聞いた方がいいよね。
『元気になった?元気になったら映画でも行く?』
♦︎蒼介side
うわっ!
送ろうとプルプル震える俺の手を押さえながら送ろうとしたら茜から来た。
『大丈夫。いげぞう。』
だめだ!
いげぞうってなんだ!?
まずい、消さなければ!
そう思ってバックスペースキーを押そうとしたが間違えて送信ボタンを押した。
あぁぁぁ!
まずいまずい、まずい!
削除ボタンを押そうとしたが、それより先に既読がついた。
嘘だろ!?
既読ってこんなに早くつくものなのか……
*違う
もしかしたらシステムのバグか何かで勝手に既読がつい他のかもしれ……
『いげぞう?』
あぁぁぁ!
*うるさい
せめてもの謝罪を茜にしないと思った俺は、定文で必ず置いてあるものをタップした。
『申し訳ございません。タイプミスでございます。』




