買い物への誘い
秋山さんに原稿を提出しに行く日だ。
海に誘われ俄然やる気も出て書き始めたおかげで小説の原稿の仕事は案外早く終わることができた。
『今日、原稿書けたので確認できますか』
LINEで秋山さんにコンタクトを取ったのちに連日徹夜続きだった俺は昼寝した。
昼間からの酒ではなく、昼間からの惰眠をむさぼるのは最高だ。
酒の味は知らんが、大人が昼間から酒を飲むのは最高だなとか言ってるの聞いたことあるんだよなぁ。
たぶんあの大人の人たちもこんな感じで最高の気分に違いない。
そう思いつつ、心地よく意識が暗転していくのを感じていた時、
ピコンッ
という通知音がなった。
最悪である。
どこぞの会社員が休日に酒を飲んでいたら急に出勤命令を受けた気分だ。
『そーすけ君、明日一緒にショッピングモールいかない?』
秋山さんではなく、茜だった。
出勤命令ではなく、普通に茜だった。
こういえば失礼だが、また爆弾送りつけてきたのかと一瞬思った。
う~ん、俺は最近茜に対して弱いからな........
自分でもこの気持ちが何なのかはまだ整理がつかない。
いずれこの気持ちに向き合うことになると思うが、今の自分では茜のことを裏切ることなんかできそうにない。
完全に信用してしまっている。
最初のころ、茜が俺に近づいてきたときに比べ自分が茜に対して大変優しい行動をとっていることがなんとなくわかる。
『ああ、行くよ』
と俺が送ったのちにほとんど差がなくまた送られてきた。
『帰らないって言ったのに帰ったことは忘れてないから。その埋め合わせもちゃんとしてもらうよ。そーすけ君?』
怖い!
やっぱり茜は何考えてるのかあんまりわかんない!
結局、なんで俺のいた部屋で寝てたかも知らないし、ほとんどわからずじまいである。
ピコンッ
また通知だ。何が来たんだ?
『高橋君、仕事が終わったんだね。じゃあ思い切り橘さんと遊んできなさい。』
秋山さんからである。
相変わらず何考えてるのかわかんねえな。
そう思ったのち、先ほどの昼寝の続きをしようと思ったが、すっかり目が覚めてしまったのでアニメを見ることにした。
そんな蒼介は、次の日のショッピングモールで何が起きるのか知らない。




