出発前
最近、誰かと遊びに行くことになったら服選びに大変時間がかかっている。
蒼介はそう思った。
自分の過去からの変わりように自分でも驚いている。
少し前までは裁判にかけられることを疑ったり、警察来るかもみたいなことでビビり散らかしていたが、今はそんな心配はしていない。
ただ、俺の個人情報がいつの間にか漏れていることは大問題である。
いつの間にか俺の家の場所がバレてたり、今俺が何してるのか知ってる人がいる。
特に怖いのが、隆と秋山さんだ。
隆に関しては、俺のことをどこからどこまで知ってるのかわからないレベルで怖い。
というか俺の小説の編集者さんと繋がってること自体怖いんだけど、なんで?
ピーンポーン……
この無慈悲な世界に呪いをかけたくなった時に茜がやってきた。
別に茜に対して呪いをかけたいわけじゃない。
茜に呪いをかけても何にもならないし、というか可哀想だ。
『蒼介くん、準備まだ~?』
インターホンからかわいらしい声が聞こえたとたん自分の心臓の鼓動が少し早くなった気がしたが、気のせいだと割り切った。
そのまま茜のことを待たせるのも申し訳ないし、とりあえず家の中にいてもらうことにした。
今は夏で大変外が暑いし、女性を外で待たせること自体おかしいからな。
俺はすぐに家の玄関の扉を開けて、
「準備がまだ少しかかるから家の中で待っててくれ。」
「わかった~......また蒼介君の家の中に入れる!」
おうちに入って何しようとしてるのかわからないが良しとしよう。
俺は耳が遠い主人公でもないしちゃんと聞こえるのだ。
最近の小説はそういうことが多い。
許せん。
そうは思いつつもさっさと服を選び茜と行こうとしたとき、また茜が《《部屋に侵入していた》》。
扉のほうから静かにみると俺の本棚を見ていた。
「何見てるんだ?」
「どんな本読んでるのかなって思ったのと、どんな嗜好なのか今から理解したほうがよさそうだからね!」
さらっと変なこと言っている気がするが気にしないようにしよう!
「そろそろ行こうか」
「うん!蒼介君と二人っきりうれしい!」
返答に困ることをサラッと言うなよ!
まあ、この言葉に対する返答は無言での肯定でいいかな?
などということを思いながら二人で玄関から出た俺たちだった。




