たすけてくれたおとこのこ
茜が中学3年の時である。
「やめてください!」
茜はそう叫んだ。なぜなら彼女の周りには、いわゆるナンパ大好きなおじさんたちがいたからである。
「ぐへへ、お嬢ちゃんいい顔してんなぁ」
「ちょっとおじさんたちとあっちに行かないかい?楽しいよ」
「ついてきてくれるなら何か奢ってあげようか?」
「いやです! 誰か助けてください!」
無常にもそこは人通りが少なく、ガラの悪い人間しか来ないため逆に、おじさんたちの人数が増えただけである。
彼女は最初は友達3人で高校受験頑張るぞぉの会で集まって楽しく秋葉原を満喫していたのだが、途中で茜が逸れてしまい、迷ってしまったのであった。
「誰かぁ………助けて…………」
茜が今にも泣きそうな声をあげると、その人通りの少ないところに一つの影が立ち止まった。
「おい、おっさんたちそこらへんでやめとけよ。」
「なんだ!テメェは誰だ!」「ガキじゃねぇか」「ガキは家に帰りな」「俺らの楽しみ邪魔してんじゃねぇよ」
「その女の子困ってるじゃないか。なんでそんなことしてるんだよ。それ以上やってたら俺が黙ってないぞ!」
「おーおー、カッコつけちゃって…………ガキは黙ってろ!」
そう叫び、おじさんたちは少年に殴りかかった。茜は驚き声も出なかった。
少年はおじさんよりも身長が低く、すぐに倒されるものだと思われた。
だがしかし、少年はたやすく身をひるがえし攻撃をかわした後、そのおじさんたちに一撃ずつ的確に首の後ろに手刀を入れた。おじさんたちは次々に気絶していった。
「あっ、ありがとう。」
茜は、涙目で顔を少し赤くしながら感謝を伝えた。
その少年は、その涙目で上目遣いの一撃にやられたのか、「うっ!」っと言いながら、
「どうってこともないよ、次からは気をつけなよ。」
そして少年はそのまま走っていった。茜はその姿が消えるまでずっと眺めていたが………。
「茜!大丈夫?どこいってたのよ〜」「心配したのよ〜?」
「うっ、うんごめんね」
茜はまるで恋する乙女のような顔でそう答えた。
「なんでそんなに顔が赤いのよ……もしかしてなんかあった?」「あった?」
「なっ、ナナナナ何にもないよ!!」
「あっ、わかった。好きな人でもできたんでしょ〜」「できたんでしょ〜」
茜は顔を赤くして黙り込んでしまった。
「えっ!本当だったんだ……違うと思って言ったのに……キャァぁ!」「キャァぁ!」
「えっ!ほんとに?すんごーい、応援してるよ」「名前は?ねぇ名前は?」
「あっ、………聞くの忘れてた。」
「ちょっと何してるのよ、そんなの恋が一瞬で始まり一瞬で終わっちゃったじゃない!」「なんとかして探すのよ!」
「無理だよ………探すとしても1年後に受験が終わってからだよ。」
♦︎高校の入学式
茜は第1志望の高校に友達3人で受かることができた。
今はその入学式が始まったのだが、茜はある一点から目を離さない。
「茜!どこみてんの?もしかしてかれぴでもできた?」
「できてない!!」
だが茜はその瞬間心臓がバクバクであった。
なぜなら、そこには助けてくれた彼がいたからである。
内心彼女は、なぜ?どうして?おんなじ学校なの?これが運命なの!?と思っていた。
♦︎その少年
みなさんお気づきでしょうが、この少年は高橋である。
その少年は、完全に動揺していた。なぜなら、ずっと目線を感じると思って後ろを振り向けば、ある一点を凝視して固まっている美少女がいたからである。
高橋の心の中は、
え?なんで?なんでこっちみてんの?why?
……………俺はモブだ!関係ないんだ!そうだ!
というふうに完全に焦っていたのであった。
そう、少年は完全に茜のことを忘れていたのである




