逃げよう
神様にお願いしたが何かが起きる気配は全くない。
くっそー、俺はどうしたらいいんだ?
「蒼介君、私と一緒に寝るのいやなの?」
そう言うと彼女はかわいらしく首をかしげた。
かわいい仕草してもだめだからな!
かわいくてもそれだけは許させるわけがないだろ!
さすがに、それは俺の人生を守るという意味においても最も重要だ。
このままほだされてやってしまえば、俺の一生の恥になるかもしれない。
当たり前だろ!健全な女子高生が健全な男子高校生にそんなこというわけがない!
「嫌じゃないが、倫理的にだめだ。俺は絶対にしない。」
そう言うと彼女はしょんぼりしながら、
「リナさんに負けたくないのに.........」
と言った。その時の顔と言ったら欲しいものが目の前でもらえずしょんぼりしてしまった子どものようだった。
というかリナさんって誰だ?
俺が知らない人間のことを言われても俺としては対応することができない。
「あ~、すまんがリナさんって誰なんだ?」
「恥ずかしいから言えない!」
彼女はそう叫んだ後、自分のベットに飛び込み、クッションを抱きしめていた。
やめろ!
その格好をしてはいけない!
何でそんなポーズを取ってるんだ!
なんでそんなポーズを惜しげもなく俺に見せられるんだ!
*好きだから
くぅ!俺は今試されているのか!?
もし俺がここで負けてしまえば人生と茜との関係がなくなってしまう.......
ん!?俺は今茜との関係を気にしたのか!?
さっきまで疑ってたのに?
俺は少し都合のいい人間のようだな。
彼女はクッションに顔を埋め、少しくぐもった声で
「リナさんと私は競ってるの。」
「何を競ってるんだ?」
「えへへ、秘密!」
彼女はそう言うとにこりと笑いながらクッションを抱きしめた。
何で秘密にするんだよ!?
普通は言ってくれる流れだろ!?
「気になるんだが......」
「へへ~ん、教えてあげないもん。だって今日一緒に寝てくれないんでしょ?」
「酒でも飲んでるのか!?」
「飲むわけないじゃん。私が高校生だって忘れたの?」
「いや、知ってるけど.....」
「お客様はどこで寝られますか」
「!?.........帰らせてもらいます。」
急に話しかけないでくれ!
いつの間にこの部屋の中に入っていたんだ!?
「帰らないでぇ」
やめてぇ!




