中学校の記憶
「おい!高橋さっさとコーラ買ってこい」
「すっ、すみません!」
これはなんだ?
「なあ、高橋俺らは友達だよな。」
「.........」
「チッ!」
そう言って彼は俺の足を蹴った。
この記憶は......中学校の俺か?
こいつの名前はもう思い出せない。
おそらく、トラウマかなにかで記憶が吹き飛んでいるんだろう。
顔もはっきりとしない。
はじめこの男子とあった時は仲良く遊んでいた。
「なあ、○○○今日一緒にゲームしよう!」
「おっ!高橋じゃん。いいぜ!」
気安く声をかけ会い、お互いに信頼しあっていたと思っていた。
だが真実は違った。
あるときに聞いてしまったのだ。
トイレから出るときになにか話し声が聞こえるので耳をすませて何を言っているのか聞いた。
「おい、○○○なんであんな陰キャと仲良くしてるんだよ?」
「ん?....ああ、ただの金蔓だよ。金を気前良くくれるし、いろいろ買ってくれたりするしな。あいつもバカだぜ」
「というかそのかねどこから出てくるんだよ?」
「ラノベ作家とか言うのらしいぜ。この前原稿見つけたからぐるラ送っとくわ。」
言わないって約束したのに.....
仲良くするって約束したのに.....
これからも仲良くしようって約束したのに....
心の中でその時なにかが壊れる音がした。
こんなことになるなら《《誰も信じなければいい》》。
こんな糞みたいな世界で信用できる人間はいない。
「なあ、高橋今日一緒に遊びに行かねえか?」
「........うん」
放課後に誰もいない帰り道の途中、最後まで彼のことを信じてみたいと思って俺はそこで切り出した。
「なんで俺との約束を破ったんだ?」
「...あん?...何の話だ?」
「ラノベのこととか言わないって言ってたのにグループラインに送ったんだろ」
「.....ぶふっ!ギャハハハハハ、お前本気で信じてたのかよ。」
彼は急に俺のことを嘲るように話し出した。
「お前はただの俺の財布で俺の都合のいいように動く駒なんだよ!」
そう言って彼は俺の髪の毛をつかんだ。
「暴力は振るわないでやる。だが、俺の言う通りに動け!動かなかったら学年全体にお前のラノベのことを......」
このようにしてパシりの3年間があった気がする。
これ以上のことは思い出したくない。
頭が拒絶する。
裏切られた記憶は消えず、俺の目と耳に焼き付いている。
「――はっ!」
冷や汗とともに、荒い呼吸が口から漏れた。
……学校に、行かなきゃな。
最悪で、重苦しい夢から目覚めた俺は、ぼんやりとそんなことを思った。




