間幕 : 天使と竜。
3か月前
エイレーネ
目を開けると、私は緑がかった葉を茂らせた木の下にいた。身を起こすと、もうラプラスのもとにはいないことに気づいた。いや、私は広大な平原の真ん中にいた。
辺りを見回したが、カリュセの姿もラプラスの姿も見当たらなかった。フェイトとニマリについては、レオンから逃げるよう二人に命じたことが最後の記憶だった……。
「レオン!!」
「そんなに俺の名前を叫ぶ必要はない……」
低い声がそう言った。
私はその声のした方へ顔を向けた。そこには、長い年月によって擦り切れた外套に身を包んだ竜が立っていた。その外套は、かつて持っていたであろう白さをすでに失っていた。
私は完全に立ち上がり、彼を見つめた。
「ここで会うのは初めてだな。」
私は目を細めた。
「この地に書き直されてから、どれくらい経ったの?」
「もう正確な年数は覚えていない。ただ覚えているのは、ここで初めて目を覚ました時、ルシアの隣にいたということだけだ。」
ルシア・クリーク。
黒き影の最初の使徒であり、『機械の魔女』でもある。
「そう……。あなたもこの出来事に巻き込まれていたのね。なら説明して。どうして私たちを襲ったの?」
「……」
私は空気が変わったことを感じた。
何もしていないのに、空気は次第に重くなっていく。
違う……。
原因は私の正面にいた。
この世界の竜。
伝承では、災厄と破壊しか語られない存在。
その竜は、怒りで煮えたぎっていた。
「この世界では、カリュセは最期を迎える前の姿で書き記されていた。あの最後の瞬間とまったく同じ姿で……しかも、あの男と一緒にいるのを見たんだ!」
「まさか、カリュセを殺したなんて言わないで……! お願いだから、カリュセを殺していないと言って!」
「……」
「答えて、レオン!」
「いや……。俺にはできなかった。もう二度と、あいつの最期の言葉の原因にはなりたくなかったんだ。俺は長い間、ただあいつにもう一度会いたいという想いだけを抱えて生きてきた。だから、カリュセの隣にいるフェイトを見た瞬間、理性を失った。」
私は小さくため息をついた。
少なくとも、みんな無事だった。
「これからどうするつもりなの、竜?」
「フェイトを探し続ける。」
「……」
「そして何より、あの男を殺す。」
そこが問題だった。
私もラヴォワには死んでほしかった。
けれど、その復讐にニマリを巻き込むつもりはまったくなかった。
あの子は、自分の中に宿る悪と共に生きることなど、一度も望んではいなかったのだから。
「レオン……あなたに伝えたいことが――」
「俺は何としてでもユミルを見つけなければならない。」
その名前を聞いた瞬間、私の記憶がよみがえった。
黒い髪の小さな少女が、私のローブにしがみついていた姿。
彼女と過ごした、あの幸せな日々のすべて。
「ええ、その通りね。でもそのためには、まずフェイトと話をしなくちゃ。」
「そうだな。あいつを親もいないまま放っておくわけにはいかない。」
「だって、あなたがあの子のお父さんなんだから!」
彼は照れくさそうにため息をつくと、東の方角へ向き直った。
私は彼のそばへ歩み寄る。
「あなた、本当に変わらないわね。でも、相変わらず大きい。」
「ついてくるのか?」
「もちろん。またみんなに会って暴走されたら困るもの。それに、この世界はあなたが眠っている間に大きく変わったのよ。」
レオンはため息をついた。
「俺は四時間しか眠っていない。」
私は足を止め、彼を見つめた。
「違うわ。あなたは四百年以上眠っていたの。」
その知らせにもレオンは驚く様子を見せず、そのまま歩き続けた。
「ねえ、レオン。どうして竜の姿に戻らないの? その方がみんなに早く追いつけるでしょう?」
「本来の姿になるたびに、あの忌々しい精霊神が『毎回その土地の生態系を変えるな』って何年も俺につきまとってくるんだ。」
「なるほど……。竜も楽じゃないわね。」
レオンと話していると、不思議と心が落ち着いた。
この人は、最後に会った時から何一つ変わっていなかった。
懐かしい顔を再び見ることができて、私は安堵していた。
「カリュセとあの老人なら、村に送り届けておいた。」
「本当? ありがとう。」




