「目が覚めた彼」
翌朝、律は目が覚めた。
律はベッドのに伏せて眠っている蘭に気づく。
そっと蘭の頭を優しく撫でた…
(ずっとそばにいてくれたんだな… 心配かけてすまない…)
蘭が目を覚まし、律と目があった途端、抱きしめながら
「律… 目が覚めて… よかった。」
「蘭 心配かけてごめん」
「うん、記憶は?ちゃんとある?私のことわかる?」
「あー 覚えてるさ、俺の愛する蘭だよ」
蘭は安堵と嬉しさで涙が止まらなかった。
「蘭、ちゃんと説明するよ。」
といって、事故に至った経緯を話してくれた。
柏木貴子という人物は、律の大学の後輩であり、樹こと山下 樹の同級生だった。
大学生の頃から、柏木貴子は律に好意を持っていたらしい。
だが、律は妹のように可愛がっていただけで、恋愛対象ではなかった。
今回仕事で会う機会が増えたことで、彼女は律に交際を求めた。
律は現在付き合っている彼女がいると伝えた。しかし、
彼女は少しでも律の気を引こうとしてとった行動だった。
それを助けるために律は怪我をした。
蘭は彼女のとった行動が許せるわけがない。
だからと言って、蘭はどうすることもできないことは分かっていた。
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数日して、律は無事に退院した。検査の結果も問題なく、
今までの生活に戻れることになった。
蘭は、しばらく律のそばにいることにした。
また、柏木貴子が現れるかもしれない…そんな気がかりもあった。
律の自宅に戻り、律はしばらくは自宅で仕事をすることになった。
彼女との接触はできるだけ避けるよう恭兵の指示でもあった。
「蘭 ありがとう。すまない…」
「どういたしまして… 律は少し休んでてね、まだ仕事しないでよ…」
「あー わかった」
律は安堵したように微笑んだ。
眠りについた律をみて、蘭は一本のメールをした。
相手は海外にいる、山下 樹と咲だった。
あの、柏木貴子という人の人格を知りたかったからだ。




