表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「日常の不協和音」  作者: Harumin


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/31

「現実と未来」


蘭は、律と付き合う意味をようやく理解できた。

“互いを大切に思える存在”。

その確かな安心感が心地よかった。


そのせいだろうか。

職場のあの不協和音も、今日はなぜか遠くに感じられた。

世界がすこし変わった気がした…


***


夕方、スマホが震えた。


咲からのメッセージだった。

「今夜時間ある? 蘭に話したい事があるんだ…

「うん。私も咲に話したいことある!」

そうして、あっという間に会う予定が決まった。


***


久しぶりに、二人だけで向かい合う食事。

懐かしい空気が戻ってきて、話が尽きる気がしなかった。

咲は少し照れたように、けれど嬉しそうに言った。


「蘭…私、結婚することになった。

 一緒にフランスに行くの。向こうで暮らすって決めた。」


「えっ……咲、ほんとに!?

 すごいじゃん!! おめでとう、おめでとう〜!!」


蘭は椅子から立ち上がりそうなくらい喜んだ。

咲も笑いながら、蘭を見つめる。


「でもさ、蘭も……素敵な彼氏ができてよかったね?

 水城さんって誠実だし、安心できる人じゃん。

 蘭も、やっと幸せ掴んだよね。おめでとう。」


「ありがとう……。」


そんな風に、二人は乾杯を何度も繰り返した。

外に出ると、夜風が冷たくて心地よい。

別れ際――蘭がそっと咲を抱きしめた。


「咲……幸せにね。

 私も、ちゃんと幸せになるから。」

咲は強く抱き返した。

二人はゆっくり離れ、笑い合った。


***

家までの帰り道、蘭は夜風を胸いっぱいに吸い込みながら、

ひとりでぽつぽつと心の中で呟いていた。


”結婚か”…まあ二人のことだから大丈夫だろうけど

結婚か〜 


私は律との結婚考えたりするのかな…

律は結婚とか考える人なのかな…


それにしても…

咲も海外に行っちゃうし、ちょっと寂しいな、

私も仕事探さなきゃな〜


この先、どうなるんだろ。

 どう、変わっていくんだろ。


未来は見えない。

蘭は空に向かって、深く長いため息をついた。


「……はぁ……どうなるのかな、私。」


でも、そのため息の最後には、ほんの少しだけ微かな笑みが混ざっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ