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「日常の不協和音」  作者: Harumin


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22/31

「-Restart-君のそばで〜」

律と恭兵は、蘭が待っている部屋へと戻った。


玄関を開けた瞬間、蘭がぱっと顔をあげて微笑んだ。


「二人とも、おかえり!」


その笑顔を見た途端、律はもう我慢できず、そっと蘭を抱きしめた。


「……ただいま……」


蘭は律の背中を優しくポンポンとたたき、安心させるように微笑む。


後ろで、恭兵が頭をかきながら、


「おいおい、俺、完全にお邪魔虫じゃん〜」


と言った瞬間、蘭はぱっと律から離れ、恭兵に思わずハグした。


「ほんとに…ありがとうございます!」


その予想外の行動に、律も恭兵も固まった。


「ちょ、蘭! おい…!」


律が慌てて蘭を自分の方へ引き戻すと、蘭は悪戯っぽく笑った。


「だって恭兵さんが助けてくれたんだよ。嬉しかったんだから」


律はその笑顔に勝てず、ただ苦笑してため息をついた。


***


「蘭にちゃんと、話してなかったな…今更だけど…

 こいつは俺のいとこの佐々木恭兵。」


「ホント、今更だけど…

 まあ、職場で何かあれば言ってよ…改めてよろしくな!」


(いやいや、知り合いだなんて知れたら、何言われるか…)

「あ、はい。 こちらこそ…よろしくお願いします…

 最初はびっくりしましたけど…”蘭ちゃん”呼ばれた時は、

 正直怖かったです…」


「おい恭兵!どんだけ距離感バグってんだよ 驚かすなよ!」

「ごめんごめん フランクにしすぎたわ〜〜」

「ったく、手出すなよ…俺の蘭なんだからな!」

「はいはい わかってますよ〜」


 (え…今さらっと“俺の蘭”って言ったよね…?

 無理、恥ずいって……)

 蘭は頬に広がる熱をどう隠すか必死だった。



****


 三人で食事に行った帰り、律は蘭を自宅まで送り届けた。

「今日は、いろいろあって疲れただろ…ごめんな。

 でも…ありがとう。蘭…これかもよろしくな」


 律の優しい声で、全てを包み込むように囁かれたら、

 もう、胸がぎゅーってなって、心地良さに溶けていく…


 「律 前にゆっくりでいいって言ってくれたでしょ…

  全然、ゆっくりじゃなかったね…」

 「律を取られたくなかったから 急いじゃった…」

 と、蘭は笑いながら言った。

 

 「俺も、蘭を誰にも取られたくないな…」

 律は蘭をそっと抱きしめ、唇を重ねた…

 声も、鼓動も、温度も、同じ波長でそろっていくようだった。


 二人にだけ届く、小さな“Restart”の音がした。



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