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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第1章 スキル≪会員≫

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第3話 初めての報酬

新連載もよろしくお願いします!

『平民出身の転生執事、最強王女を育成する』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

「……さて」


 目の前の表示を消し、倒れたゴブリンを見る。


 初めて魔物を倒した。


 しかも、そのおかげでPまで増えた。


 気になることはいくらでもある。


 だが、まずやることがある。


「討伐証明は耳だったな」


 ゴブリンのような魔物は、討伐した証拠として右耳を冒険者ギルドへ持ち込めば、報奨金を受け取れる。


 冒険者になるなら覚えておくべき基本知識として、受付でも説明を受けていた。


 小刀を抜く。


 近づくと、草に落ちた血の匂いがまだ残っていた。


「…………」


 さすがに少し抵抗はある。


 魔物とはいえ、ついさっきまで動いていた生き物だ。


 それでも。


「これも仕事か」


 右耳を切り取り、持っていた布に包んだ。


 これで討伐証明はいい。


 残るのは死体だ。


「このまま放っておくわけにもいかないな」


 血の臭いを放置すれば、獣や別の魔物を引き寄せる可能性がある。


 ここは冒険者たちが薬草採取に訪れる場所だ。


 誰かが襲われる原因を残したくはない。


 近くに落ちていた太い枝と平たい石を使い、地面を掘る。


「結構、大変だな……」


 しばらくかかって、ようやくゴブリンの身体を埋められる程度の穴ができた。


 死体を入れ、土をかぶせる。


「これでいいか」


 立ち上がって手についた土を払った。


 冒険者になったばかりだ。


 まだ知らないことは多い。


 でも、少しずつ覚えていけばいい。


「……まずは依頼を終わらせないとな」


 薬草はまだ七株。


 残り三株だ。


 ◇


 少し歩いたところで一株。


 さらに二株。


「よし」


 これで十株。


 一株ずつ確認する。


 葉の形。


 茎の色。


 中心に咲く白い花。


 似た毒草は混じっていない。


 問題ないだろう。


 薬草を袋へ入れ、俺は町へ戻ることにした。


 帰り道。


「…………」


 歩きながら、自分の足を見る。


 やっぱり速い。


 《敏捷強化》を買ってから、かなり時間が経っている。


 それでも効果は消えていない。


 能力情報を確認する。


【名前:アレン・ヴァルディス】


【筋力:20】


【耐久:20】


【敏捷:30】


【魔力:18】


【一般成人基準:10】


「敏捷三十……」


 元々は二十。


 それが《敏捷強化》を一度買ったことで三十になった。


 しかも。


 もう一度買うこともできる。


 今の保有Pは百三十。


 三十Pあれば一回強化できるから。


「四回買えるのか」


 敏捷強化を四回。


 そうすれば三十から七十。


「…………」


 一般成人の基準が十。


 七十まで上げたら、どうなるんだ?


 考えただけでも試してみたくなる。


「いや」


 首を振った。


 Pについて分かっていることは、まだ少ない。


 魔物を倒せば増えることは分かった。


 だが、いつでも都合よく魔物に出会えるとは限らない。


 それに《回復》には五十P必要だ。


「使えるからって、全部使う必要はないな」


 必要なときに使える分は残しておく。


 その方がいい。


 俺は表示を消し、町へ向かった。


 ◇


 冒険者ギルドへ戻ったころには、昼を少し過ぎていた。


 朝よりも人は少ない。


 受付には、俺の登録を担当してくれた女性がいた。


「あ、アレンさん」


「戻りました」


「お疲れさまでした。薬草は採れましたか?」


「はい」


 袋を差し出す。


 受付嬢が中から薬草を取り出し、一株ずつ確認していく。


「一、二、三……」


 やがて十株すべてを確認した。


「はい。問題ありません」


「よかった」


「状態も綺麗ですね。似た毒草も混じっていません」


「見分け方は知っていたので」


「薬草の知識もあるんですか?」


「多少は。家で教わりました」


「なるほど」


 受付嬢が納得したように頷く。


 ヴァルディス家を追い出された。


 でも、そこで学んだことまで失ったわけじゃない。


「それでは、薬草採取の依頼は達成です。報酬は五千ジェニーになります」


「五千ジェニー……」


 昨日までなら、そこまで気にする額ではなかった。


 でも今は違う。


 これからは自分で稼いで生活しなければならない。


「あ、それと」


 俺は荷物から布包みを取り出した。


「途中でゴブリンを一体倒しました」


「ゴブリンですか?」


「討伐証明もあります」


 布を開く。


 中にある右耳を見て、受付嬢が確認した。


「確かにゴブリンですね」


「依頼を受けてなくても報酬は出るんですか?」


「はい。ゴブリンは人を襲う魔物ですから。正式な討伐依頼を受けていなくても、討伐証明を持ち込めば報奨金が支払われます」


「そうなんですね」


「ゴブリン一体なら三千ジェニーです」


 受付嬢が計算する。


「薬草採取が五千ジェニー。ゴブリンの討伐報奨金が三千ジェニーですので――」


 硬貨の入った袋を差し出した。


「合わせて八千ジェニーです」


「八千……」


 袋を受け取る。


 ずしりとした感触。


 昨夜泊まった安宿は一泊三千ジェニーだった。


 食事代も必要になる。


 八千ジェニーは大金ではない。


 毎日働かなければ、すぐになくなる額だ。


「…………」


「どうしました?」


「いや……」


 袋を見つめる。


 これは父からもらった金じゃない。


 ヴァルディス家の金でもない。


 自分で依頼を受けて、自分で薬草を集めて、ゴブリンと戦って、自分で稼いだ金だ。


「これが……俺が稼いだ金か」


自分の力で生きていくために手にした、最初の金だ。


「それでは、これで依頼達成となります」


 受付嬢が言った。


 その瞬間。


【依頼達成を確認しました】


「……!」


 目の前に文字が浮かぶ。


【Fランク依頼《薬草採取》を達成しました】


【20P獲得】


「…………」


 さらに表示が続いた。


【初回依頼達成ボーナス】


【100P獲得】


【保有:250P】


「二百五十……」


 思わず声が漏れた。


「どうしました?」


「あ、いえ。何でもありません」


 受付嬢には見えていない。


 俺は表示へ意識を戻す。


 間違いない。


 百三十だった保有Pが二百五十になっている。


「依頼でも増えるのか……」


 魔物を倒す。


 Pが増える。


 依頼を達成する。


 それでもPが増える。


「…………」


 考えてみれば。


 これは冒険者ととんでもなく相性がいいんじゃないか?


 依頼でジェニーとPを稼ぐ。


 魔物を倒せば、さらにPと討伐報酬。


 そのPで強くなれば、もっと上の依頼へ行ける。


「……なるほど」


 冒険者と《会員》。


 とんでもなく相性がいい。


 思わず口元が緩む。


 家を追い出されたから。


 食べていくために冒険者になった。


 最初は、それだけだった。


 でも、冒険者を続ければ俺はもっと強くなれる。


「アレンさん?」


「あ、すみません」


「次の依頼も受けていきますか?」


「はい。そのつもりです」


「でしたら、少しお待ちください」


 受付嬢が依頼書を探し始める。


 その間に俺は少し離れ、人の少ない場所で《会員》を開いた。


【会員ランク:ブロンズ】


【保有:250P】


【筋力強化 30P】


【耐久強化 30P】


【敏捷強化 30P】


【回復 50P】


「二百五十……」


 かなり使える。


 敏捷だけを何度も上げることもできる。


 筋力だけを上げることもできる。


 だが今の能力は。


【筋力:20】


【耐久:20】


【敏捷:30】


【魔力:18】


「まずはバランスかな」


 ガレスとの戦いを思い出す。


 速く動けても、力が足りなければ攻撃は通らない。


 耐久が低ければ、一撃を受けたときに危険だ。


「筋力強化を一回」


【筋力強化を購入しますか?】


【必要:30P】


【保有:250P】


「買う」


【30Pを使用しました】


【保有:220P】


【筋力:20 → 30】


「……おお」


 身体の奥から力が湧く。


 拳を握るだけでも、今までとの違いが分かる。


「次は耐久だ」


【耐久強化を購入しますか?】


【必要:30P】


【保有:220P】


「買う」


【30Pを使用しました】


【保有:190P】


【耐久:20 → 30】


 もう一度、能力情報を確認する。


【筋力:30】


【耐久:30】


【敏捷:30】


【魔力:18】


【一般成人基準:10】


「三十、三十、三十」


 魔力以外は三十になった。


 一般成人の基準が十。


 それに比べれば、かなり高い数字だ。


 しかも、まだ百九十P残っている。


 その気になれば、ここからさらに何度でも強化できる。


「でも、今日はこれくらいにしておこう」


 何が起こるか分からない。


 少なくとも《回復》をいつでも使えるだけのPは残しておきたい。


 表示を消した、そのときだった。


「お願いします。もう一度だけ探してもらえませんか?」


「……?」


 少し離れた受付から声が聞こえた。


 女の子の声だ。


 見ると杖を胸の前で握った少女が、別の受付嬢と話していた。


 銀色の髪が、俯くたびに頬へ落ちる。


 俺より少し年上だろうか。


 冒険者らしい服を着ている。


「フェリシアさん」


 受付嬢が困ったような表情を浮かべた。


「お気持ちは分かります。でも、今回の依頼を一人で受けるのは危険です」


「分かっています」


「でしたら……」


「だから、パーティを紹介してほしいんです」


 フェリシアと呼ばれた少女が杖を握りしめた。


「もう三組に断られました」


「…………」


「でも、私は攻撃魔術師です。ちゃんと戦えます」


「フェリシアさんの実力を疑っているわけではありません」


「じゃあ、どうして……」


 受付嬢が答えに困る。


 フェリシアが俯いた。


「……火力が足りないから、ですよね」


「…………」


「分かってます」


 声が少し小さくなる。


「攻撃魔術師を入れるなら、もっと強い魔法を使える人の方がいいって」


「…………」


 俺は思わず彼女を見る。


 昨日の自分と少しだけ重なった。


 どんな人間なのかではなく、持っている能力だけで価値を決められる。


「でも」


 フェリシアが顔を上げた。


「私だって、もっと上の依頼を受けたいんです」


 受付嬢が困ったように息を吐く。


「せめて前衛の方と組めればいいんですが……」


「前衛……」


 俺は自分の腰を見る。


 剣がある。


 それに、ちょうど俺も次の依頼を探していたところだ。


「…………」


 俺はフェリシアの方へ歩いた。


「あの」


「……?」


 フェリシアが振り向く。


「はい?」


「俺でよければ」


 一度、息を吸う。


「一緒に依頼を受けませんか?」


「……え?」


 フェリシアが大きく目を見開いた。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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〇〇会員的なものなら何でもポイント獲得できるのかな 例えば商業ギルドの会員になって商業活動したり 薬師ギルドでポーション作って納品したり 鍛冶ギルドで鍛冶行って納品したり 教会員になって神に祈るでもポ…
今の段階でいうのはあれですがAIを使っている場合はAI利用のタグをつけといた方がいいかと 一番なのは自身で書くというかAI特有の不自然さを消すことですが。
みんな大好き報酬二重取りか 会員スキル有能 会員ランクを上げるのに商品購入しないといけないから、回復用の50P残し以外は都度使い切るのが育成効率良さそう
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