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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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200/210

第200話 オリハルコン会員

新連載もよろしくお願いします!

『平民出身の転生執事、最強王女を育成する』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 しばらくベッドで休んだあと、俺たちは探索を再開することにした。


「ふう。気持ちよかった!」


 ルナがベッドから起き上がり、大きく伸びをした。


「うん。ちゃんとしたベッドで休めるのはいいね」


 フェリシアも満足そうだ。


 俺も少し身体が軽くなった気がする。


 硬い岩の上で休むのとは、やっぱり違うな。


「じゃあ、片づけようか」


「うん!」


 俺は三台のベッドと寝具を《収納》へしまった。


 あっという間に、空洞は元の静かな場所に戻った。


「便利だねえ」


 ルナが感心したように言った。


「そうだね。これなら何日も探索できそうだよ」


 ただし、食料や魔力の残りには気をつけないとね。


「テリー、ステフ。ありがとう」


「ワフ!」


「キュ!」


 二匹も元気そうだ。


 俺たちは周囲の安全を確認してから、四十三階層の奥へと進んだ。


 ◇


 四十四階層へ下りると、すぐに魔物が現れた。


 通路の向こうに、赤黒い甲殻を持つ大型の魔物がいる。


 俺は《鑑定》した。


【クリムゾンスコーピオン】


【硬い甲殻と毒を持つ尾で攻撃する魔物】


「サソリみたいだね」


 ルナが言った。


「うん。尻尾に気をつけよう」


 魔物たちは大きな鋏を動かしながら、こちらへ近づいてくる。


 そのうち一体が、突然尾を振り上げた。


「アレン、来るよ!」


「うん!」


 鋭い針が俺に向かって突き出される。


 俺は横へかわし、尾の付け根へ竜爪剣を振り下ろした。


 ザシュッ!


 尾が地面へ落ちる。


 続けて、甲殻の隙間へ剣を突き立てた。


【4,400P獲得】


「よし!」


 その間に、フェリシアのオービットが別の魔物の背後へ回り込んだ。


 ドンッ!


 魔弾を受けた魔物が体勢を崩す。


「アレン、そっち!」


 ルナの矢が、別の一体の脚に命中した。


 俺はその隙に駆け寄り、次々と仕留めていく。


 五体すべてを倒し、二万二千Pを獲得した。


「結構もらえるね!」


 ルナが言った。


「うん。深い階層だけあるね」


 俺は倒した魔物を《収納》へしまった。


 まだまだ先がありそうだし、どんどん進もう。


 ◇


 四十五階層では、巨大な蜘蛛のような魔物が現れた。


 八本の脚を広げ、天井や岩壁を素早く移動している。


【グレイアラクネ】


【岩壁や天井を移動し、糸で獲物の動きを封じる魔物】


「うわっ、糸を出してきた!」


 ルナが後ろへ跳んだ。


 白い糸が岩壁に張りつく。


 どうやら、あれに絡まると厄介そうだ。


「フェリシア、お願い!」


「うん!」


 フェリシアが四つのオービットを動かした。


 天井に張りついた魔物の周囲へ、石が回り込む。


 ドンッ!


 魔弾が一体の脚に命中した。


 魔物が体勢を崩し、地面へ落ちる。


「今だね!」


 俺は駆け寄り、竜爪剣を振り下ろした。


【4,600P獲得】


 続けて、ルナが別の魔物の糸をかわしながら矢を放つ。


 フェリシアのオービットも、天井からの攻撃を牽制してくれる。


 俺は落ちてきた魔物を次々と仕留めた。


 五体で二万三千P。


 倒した魔物はすべて《収納》に入れた。


 いい感じだ。


 ◇


 四十六階層へ進むと、今度は大きな岩の塊が動き出した。


「……あれも魔物だよね?」


 ルナが尋ねる。


「うん。魔力の反応があるよ」


 俺は《鑑定》した。


【アイアンロック】


【岩石と金属が混ざった硬い身体を持つ魔物】


 岩のような身体には、黒い金属がところどころ露出している。


 五体のアイアンロックが、ゆっくりと近づいてきた。


「硬そうだね」


 フェリシアが言った。


「うん。でも、動きは遅いみたい」


 俺は一体の側面へ回り込んだ。


 竜爪剣を振るう。


 ガキンッ!


 刃が硬い身体にぶつかった。


 なるほど。かなり頑丈だな。


 でも、ゴールドスライムほどではない。


 俺は《鑑定》で身体の構造を調べ、金属の少ない部分を狙った。


「はあっ!」


 ザシュッ!


【5,000P獲得】


 よし。


 これなら倒せる。


 その後も、ルナとフェリシアの援護を受けながら五体を討伐した。


 獲得したのは二万五千P。


 倒した魔物はすべて《収納》に入れた。


 俺は表示を見ながら、少し考えた。


 そういえば、累計獲得Pはかなり増えているはずだ。


 もうすぐ百万Pに届くんじゃないかな。


 ◇


 四十七階層でも、魔物との戦闘が続いた。


 今度は、青黒い鱗に覆われた大きな四足の魔物だった。


【ブルーファング】


【鋭い牙と強靭な脚を持つ魔物】


 五体が一斉に飛びかかってくる。


「アレン、右から二体!」


「うん!」


 俺は最初の一体をかわし、もう一体の側面へ回り込んだ。


 ザシュッ!


【5,200P獲得】


 フェリシアはオービットを使い、ほかの魔物が俺を囲まないように動きを制限してくれた。


 ルナの矢も、次々と魔物の脚に命中する。


 俺は五体すべてを倒した。


 二万六千Pを獲得。


 倒した魔物はすべて《収納》に入れた。


 ここまで来ると、普通の魔物でも一体で五千P以上になるんだな。


 俺は《会員》の表示を開いた。


【累計獲得P:973,430P】


「おおっ!」


 思わず声が出た。


「アレン、どうしたの?」


 ルナが尋ねる。


「累計獲得Pが、もうすぐ百万になるんだよ」


「百万!?」


「うん。あと二万六千五百七十Pだね」


「すごいね!」


 フェリシアも驚いている。


「百万Pになったら、何かあるの?」


「うん。次の会員ランクになるはずなんだ」


「そうなんだ!」


 ルナが目を輝かせた。


「じゃあ、もう少しだね!」


「うん」


 確か、次はオリハルコン会員だったはずだ。


 プラチナ会員になったときも、いろいろな特典が増えた。


 今度は何が変わるんだろう。


 ちょっと楽しみだな。


 ◇


 四十八階層に入ると、広い通路が続いていた。


 壁には黒い岩が露出し、ところどころに小さな光が見える。


 俺は《魔力感知》を使った。


 少し先に、五つの反応がある。


「また魔物がいるね」


「うん!」


 俺たちは通路を進んだ。


 現れたのは、黒い甲殻に覆われた大型の魔物だった。


 頭部には二本の角があり、太い脚で地面を踏みしめている。


 俺は《鑑定》した。


【ブラックホーン】


【硬い甲殻と二本の角を持つ大型の魔物】


「五体だね」


 フェリシアが言った。


「うん。じゃあ、いこうか」


「任せて!」


 ルナが弓を構える。


 ブラックホーンたちは一斉に突進してきた。


 ドドドドッ!


「結構速いね!」


 ルナが言った。


「うん。でも、ゴールドスライムほどじゃないよ」


 俺は横へ跳んで突進をかわした。


 フェリシアのオービットが一体の脚を狙う。


 ドンッ!


 魔弾を受けた魔物が体勢を崩した。


「今だよ!」


「うん!」


 俺は竜爪剣を振り下ろした。


 ザシュッ!


【5,600P獲得】


 続いて二体目。


【5,600P獲得】


 残る三体が、左右へ広がった。


 しかし、ルナの矢が一体の進路を塞ぎ、フェリシアのオービットが別の一体を牽制する。


 俺はその隙に三体目を斬り倒した。


【5,600P獲得】


 さらに四体目。


【5,600P獲得】


 最後の一体が、大きく角を振り上げた。


 俺は横へかわし、胴体の隙間へ竜爪剣を突き立てた。


 ザシュッ!


【5,600P獲得】


 よし。


 これで五体すべて倒せた。


 倒した魔物はすべて《収納》に入れた。


 その瞬間だった。


【累計獲得Pが1,000,000Pを超えました】


【会員ランクが上昇しました】


【プラチナ会員 → オリハルコン会員】


「……あっ!」


 俺は目の前に現れた表示を見つめた。


 ついに。


 オリハルコン会員になったんだ!


「アレン?」


 ルナが声をかけてきた。


「どうしたの?」


「百万Pを超えたみたいだよ!」


「本当!?」


「うん。オリハルコン会員になったんだ」


「やったね!」


 ルナが嬉しそうに笑った。


「おめでとう、アレン!」


 フェリシアも微笑んだ。


「ありがとう!」


 俺は改めて《会員》の表示を開いた。


 ◇


【会員ランク:オリハルコン】


【累計獲得P:1,001,430P】


【保有P:544,220P】


【会員特典】


【能力強化:20,000P/能力値+1,000】


【半回復:10,000P】


【全回復:20,000P】


【《共有》が強化されました】


【共有可能人数:5人】


【共有率:30%】


【会員本人の負担率:1%/人】


【購入済み固有スキルの再購入が可能になりました】


【新たな固有スキルが追加されました】


「おおっ!」


 俺は思わず声を上げた。


 すごいな。


 またいろいろな特典が増えている。


 まず、《共有》だ。


 今までは三人までだったけど、今度は五人まで共有できるらしい。


 それに、共有率も二十%から三十%へ増えている。


 しかも、俺自身の負担は一人につき一%。


 これはかなり大きい。


 俺自身の能力をあまり下げずに、仲間を強くできるんだ。


 そして、もう一つ気になる表示があった。


【購入済み固有スキルの再購入が可能になりました】


「……再購入?」


 どういうことだろう。


 以前買ったスキルを、もう一度買えるようになるのかな。


 今までは一度購入したものは、もう購入できなかったはずだ。


 同じスキルを二回買ったら、どうなるんだろう。


 これはあとで確かめてみたいな。


 ◇


 俺は新しく追加された固有スキルの一覧を開いた。


【購入可能な固有スキル】


【200,000P】


《念話》


《耐水》


《浮遊》


《言語理解》


《結界》


《探知極》


《隠密極》


《錬成》


《浄化》


《魔力吸収》


《炎神》


《氷神》


《水神》


《土神》


《光神》


《風神》


《雷神》


【300,000P】


《転移》


《スキル共有》


《時間加速》


《重力操作》


《魔法無効》


《分身》


《癒神》


「……すごいな」


 俺は思わず呟いた。


 見たことのないスキルが、こんなにたくさん追加されている。


 しかも、二十万Pや三十万Pのものばかりだ。


 今までのスキルとは、少し違うみたいだな。


 俺は気になったものから説明を読んでいった。


【《念話》】


【《共有》に登録されている者同士で、離れた場所から会話できる】


 なるほど。


 これがあれば、離れていても連絡を取り合えるんだ。


【《耐水》】


【水中で呼吸でき、水圧の影響を受けない】


【《浮遊》】


【自分の意思で空中を移動できる】


「……空も飛べるのか」


 これは便利そうだ。


 今まで行けなかった場所にも行けるかもしれない。


 さらに説明を読み進める。


【《転移》】


【過去に訪れた場所へ瞬時に移動できる】


【使用者に触れている者も一緒に転移できる】


 ……これはすごい。


 街から街へ移動するのも、ずいぶん楽になるんじゃないかな。


 しかも、一緒にいる仲間も連れていけるらしい。


 次に目に入ったのは、《言語理解》だった。


【《言語理解》】


【人間以外の生物とも意思疎通できる】


 ……あっ。


 これって、もしかして。


 俺はテリーとステフを見た。


「ワフ?」


「キュ?」


 二匹が不思議そうに首を傾げる。


 このスキルがあれば、テリーやステフとも話ができるのかな。


 それはちょっと楽しそうだ。


 ◇


 さらに、俺は別のスキルを確認した。


【《探知極》】


【広範囲の生命反応、魔力、罠、隠された通路などを探知できる】


【《隠密極》】


【自身の姿、気配、魔力反応を隠すことができる】


【《結界》】


【指定した範囲に、外部からの侵入や攻撃を防ぐ結界を展開する】


 なるほど。


 探索に役立ちそうなスキルも増えている。


 特に《結界》は、ダンジョンで休むときにも使えそうだな。


 そして、俺はもう一つ気になるスキルを見つけた。


【《スキル共有》】


【《共有》に登録されていない人物や生物にも、自身の所有するスキルを共有できる】


【必要P:300,000】


「……へえ」


 これは面白い。


 今まで《共有》の対象になっていなかった相手にも、スキルを分けられるんだ。


 もし使えるなら、いろいろなことができそうだな。


 ただ、三十万Pか。


 かなり高い。


 今の保有Pなら買えるけど、ほかにも欲しいスキルがたくさんある。


 どれを買うか、よく考えないとね。


 ◇


 他にも属性の名前がついたスキルが並んでいた。


【《炎神》】


【炎を自在に生成・操作し、炎系魔法の威力と制御能力を高める】


【《氷神》】


【氷を生成・操作し、強力な凍結魔法を使用できる】


【《水神》】


【水を自在に生成・操作できる】


【《土神》】


【土や岩石を自在に操作できる】


【《光神》】


【光を自在に生成・操作できる】


【《風神》】


【風を自在に生成・操作できる】


【《雷神》】


【雷や電気を自在に生成・操作できる】


 すごいな。


 どれも強力そうだ。


 魔法を得意とするフェリシアなら、こういうスキルを使いこなせるんだろうな。


 でも、これをどう使うかは、まだよく分からない。


 俺は最後に《癒神》を確認した。


【《癒神》】


【傷や病気を瞬時に治療できる】


【熟練度の上昇により、さらに高度な治癒が可能になる】


【極めて高い熟練度に達した場合、蘇生が可能となる場合がある】


「……蘇生?」


 俺は表示を見つめた。


 死んだ人を生き返らせることも、いつかできるようになるのか。


 もちろん、すぐに使えるわけじゃないみたいだけど。


 それでも、とんでもないスキルだな。


 ◇


「ねえ、アレン」


 ルナが声をかけてきた。


「新しい会員ランクって、そんなにすごいの?」


「うん。かなりすごいと思う」


「例えば?」


「今までより強くなれるし、新しいスキルもたくさん買えるようになったんだ」


「へえ!」


 ルナが興味深そうに近づいてくる。


「どんなスキル?」


「空を飛べるものとか、遠くへ一瞬で移動できるものとか」


「ええっ!?」


 ルナが目を丸くした。


「空も飛べるの!?」


「うん。スキルを買えばね」


「すごい!」


 フェリシアも驚いた表情をした。


「それなら、今まで行けなかった場所にも行けそうだね」


「そうだね」


 俺は頷いた。


 ほかにも《言語理解》や《結界》など、便利そうなものがたくさんある。


 それに、スキルを《共有》に登録していない人や生き物にも分けられるようになるらしい。


 今まで以上に、できることが増えそうだ。


「どれを買うか迷っちゃうな」


 俺が言うと、ルナが笑った。


「じゃあ、みんなで考えようよ!」


「うん。そうしようか」


 百万Pか。


 ここまで来るのに、いろいろなことがあったな。


 家を追い出されたときは、こんなことになるなんて思ってもいなかった。


 でも、今はルナとフェリシアがいる。


 テリーとステフも一緒だ。


 それに、まだ行ったことのない場所もたくさんある。


 俺は新しく増えたスキルの一覧をもう一度眺めた。


 これから、どんな冒険が待っているんだろう。


 ちょっと楽しみだな。


【保有:544,220P】

【累計獲得P:1,001,430P】



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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