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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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197/199

第197話 さすがSランク

新連載はじめました!

『王女殿下、まずは拳をお下げください ~転生執事と最強王女の成り上がり~』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 ミナリアの街に戻った俺たちは、そのまま冒険者ギルドへ向かった。


 俺たちは扉を開け、中へ入った。


 夕方ということもあって、ギルドの中は賑わっていた。


 依頼を終えた冒険者たちが、受付で報告をしたり、仲間と話したりしている。


「あっ、アレンさん!」


 受付の女性が俺たちに気づいた。


「お帰りなさい。ダンジョン、お疲れさまでした」


「はい。今日は依頼の報告に来ました」


「ありがとうございます。アビスクラーケンの討伐依頼ですね」


「はい。無事に倒せました」


「えっ、もうですか?」


 受付の女性が目を丸くした。


「はい」


「……。依頼を受けられたばかりですよね?」


「そうですね」


 女性は少し驚いた様子だったけど、すぐに笑顔に戻った。


「さすがSランクのアレンさんですね。それでは、討伐の確認をさせていただきます」


「お願いします」


 俺たちは受付の女性に案内され、素材を確認するための部屋へ向かった。


 ◇


「では、こちらにお願いします」


 案内されたのは、広い素材査定室だった。


 床には大きな魔物を置ける場所が設けられている。


「それじゃあ、出しますね」


 俺は《収納》からアビスクラーケンを取り出した。


 ドサッ!


 巨大な身体が床に現れる。


「……!」


 受付の女性が息をのんだ。


「本当に、アビスクラーケンですね……」


「はい」


「しかも、こんなにきれいな状態で……」


 女性は魔物の身体を確認し、続いて査定担当の職員を呼んだ。


 やってきた男性職員も、アビスクラーケンを見るなり驚いた顔をした。


「これは……。触手にも大きな損傷がありませんね」


「墨袋は大丈夫でしょうか?」


 俺が尋ねると、男性職員が頷いた。


「確認してみます」


 職員は慎重に身体を調べ始めた。


 しばらくして。


「……問題ありません。墨袋は無傷です」


「よかったです」


「いや、これは見事ですね。これほど状態よく討伐するのは、簡単なことではありませんよ」


「ありがとうございます」


 職員が感心したように頷いた。


 受付の女性も嬉しそうに笑う。


「これで依頼達成ですね!」


 その直後、いつもの表示が現れた。


【依頼を達成しました】


【100P獲得】


 よし。


 依頼達成分のPも手に入った。


「報酬は百五十万ジェニーとなります」


「ありがとうございます」


「三名様で均等に分配されますか?」


「はい。お願いします」


 受付の女性が書類に記入していく。


「それでは、お一人五十万ジェニーですね」


「うん!」


 ルナが嬉しそうに頷いた。


 フェリシアも笑っている。


 俺たちはそれぞれ報酬を受け取って《収納》に入れた。


 ◇


「ところで、アレンさん」


 受付の女性が尋ねてきた。


「今回は、ほかにも魔物の素材をお持ちですか?」


「はい。結構あります」


「そうなんですね。それでは、続けて査定いたします」


「お願いします」


 俺は《収納》から魔物の素材を取り出し始めた。


 ロックウルフ。


 ロックムカデ。


 ダークビートル。


 そのほかにも、探索中に倒した魔物が何種類もある。


 査定担当の男性職員が、次々と現れる魔物を確認していった。


「これは?……」


「ロックムカデですね。二十六階層にいました」


「二十六階層……?」


「こちらは?」


「はい。ロックウルフです。二十七階層にいました」


「二十七階層……?」


 職員が手を止めた。


「しょ、少々お待ちください。二十七階層とおっしゃいましたか?」


「はい」


「ミナリア西ダンジョンの、ですよね?」


「そうです」


 男性職員が受付の女性と顔を見合わせた。


「……こちらのダンジョンは、二十五階層までしか到達記録がありませんが」


「あっ、そうでしたね」


 俺は頷いた。


「今回は、その先まで行ってきました」


「その先……ですか?」


「はい。三十階層までです」


「……三十階層!?」


 女性が思わず声を上げた。


 男性職員も驚いている。


「三十階層まで到達されたんですか?」


「はい。階層主も倒しました」


「階層主まで……」


「デスヒドラという魔物でした」


 俺は《収納》から巨大なデスヒドラを取り出した。


 ドサッ!


 三本の首を持つ大きな魔物が、床に現れる。


「…………」


 二人の職員が言葉を失った。


 男性職員が、ゆっくりと近づいてくる。


「これは……確かに、初めて見る魔物ですね」


「三つの頭が別々に動くので、少し厄介でした」


「少し……ですか」


 男性職員が何とも言えない表情をした。


 受付の女性は、しばらくデスヒドラを見つめていたけど、やがて我に返った。


「申し訳ありません。これはすぐに上の者へ報告しなければなりません」


「お願いします」


 女性が慌ただしく部屋を出ていった。


「さすがSランクというべきなのでしょうか……」


 男性職員が呟いた。


 こういうやりとりに慣れたとはいえ、俺は少し照れくさくなった。


 ◇


 しばらくすると、受付の女性が別の男性を連れて戻ってきた。


「お待たせいたしました。こちら、当ギルドの調査担当です」


「よろしくお願いします」


 俺が挨拶すると、男性も丁寧に頭を下げた。


「三十階層まで到達されたと伺いました。本当でしょうか?」


「はい」


「それでは、詳しくお話を聞かせていただけますか?」


「もちろんです」


 俺たちは、今回の探索について説明した。


 二十六階層から先には、これまで見たことのない魔物がいたこと。


 二十八階層では、スウォームロックが現れたこと。


 そして三十階層には、デスヒドラという階層主がいたこと。


 調査担当の男性は、何度も頷きながら記録を取っていた。


「なるほど……。三十階層まで攻略されたということですね」


「はい」


「ちなみに、三十階層が最下層だったのでしょうか?」


「いえ。デスヒドラを倒したら、奥の扉が開きました」


「扉、ですか?」


「はい。その先にも通路が続いていました」


「……ということは、さらに深い階層がある可能性が高いですね」


「そうだと思います」


 男性はしばらく考え込んだ。


「これは重要な情報です。ミナリア西ダンジョンの到達記録を大きく更新することになります」


「そうなんですね」


「はい。これまでの最深到達記録は二十五階層でしたから」


 調査担当の男性が、改めて俺たちを見た。


「それにしても、よく三十階層まで進めましたね」


「三人で協力しましたから」


「……それでも、簡単なことではありませんよ」


 男性は感心したように言った。


 ◇


「それでは、素材の買取についてですが……」


 査定担当の男性が口を開いた。


「今回は相当な量がありますので、本日中にすべての査定を終えるのは難しそうです」


「分かりました」


「明日までお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」


「はい。大丈夫です」


「ありがとうございます。金額が確定しましたら、改めてお伝えいたします」


 査定に時間がかかるのも仕方ないだろう。


「ちなみに、デスヒドラの素材も買い取っていただけますか?」


「もちろんです。ただ、初めて扱う魔物なので、慎重に査定させてください」


「お願いします」


 これで素材の方は大丈夫そうだ。


 あとは明日、金額を聞きに来ればいい。


 ◇


「あっ、そうだ」


 俺はもう一つ、報告することを思い出した。


「群晶石も見つけたんです」


「群晶石、ですか?」


 受付の女性が顔を上げた。


「またスウォームロックから採れたんでしょうか?」


「それも一つあるんですが、今回は岩壁からも採れました」


「岩壁から?」


「はい。二十六階層に、たくさん埋まっていたんです」


 俺は《収納》から群晶石を取り出した。


 一つ。


 二つ。


 三つ。


 机の上に、黒い石を並べていく。


 青白い光が、石の内側で揺れている。


 受付の女性は、最初は興味深そうに眺めていた。


 だけど、次々と群晶石が増えていくにつれ、表情が変わっていった。


「……アレンさん?」


「はい?」


「これは、いったい何個あるんでしょうか?」


「十四個です」


「…………十四個?」


「はい。二十六階層で採掘しました」


 女性が目を丸くした。


「以前、一つ採れただけでも珍しいとお伝えしましたよね?」


「はい。覚えています」


「それが、十四個も……?」


「結構見つかったんです」


 俺が答えると、女性は額に手を当てた。


「……少々お待ちください」


 また別の職員を呼びに行ってしまった。


「みんな驚いてるね」


 ルナが小さな声で言った。


「そうだね」


 フェリシアが微笑む。


 確かに、ここまで驚かれるとは思わなかった。


 ◇


 しばらくすると、研究担当だという男性がやってきた。


 机の上の群晶石を見るなり、目を見開く。


「これは……!」


 男性は一つを手に取り、慎重に眺めた。


「間違いありません。群晶石ですね」


「はい」


「これほどの数を、どこで?」


「ミナリア西ダンジョンの二十六階層です」


「二十六階層……?」


「岩壁に埋まっていました」


 男性は驚いたように顔を上げた。


「魔物から採取したのではないんですか?」


「はい。岩を削って取り出しました」


「……なるほど」


 男性は考え込んだ。


「つまり、群晶石は魔物からしか採取できないわけではないんですね」


「そうみたいです」


「これは興味深い……」


 男性は群晶石を見つめた。


「実は、以前買い取らせていただいた群晶石について、現在も研究を続けているんです」


「そうなんですね」


「はい。魔力を通すと発光することは確認できましたが、それ以外の性質については、まだ分からないことが多くて」


「あっ、それなら……」


 フェリシアが口を開いた。


「少し、お見せしてもいいですか?」


「何をでしょうか?」


「群晶石の使い方です」


 フェリシアは自分の《収納》から、オービットを一つ取り出した。


 そして、魔力を流す。


 青白い光が強くなり、石がふわりと浮き上がった。


「……えっ?」


 研究担当の男性が固まった。


 フェリシアが群晶石をゆっくりと動かす。


 右へ。


 左へ。


 そして、彼女の周囲を一周させた。


「こうやって、魔力で動かせるんです」


「…………」


 男性は浮かんでいる群晶石を、じっと見つめていた。


「これは……魔力で動かしているんですか?」


「はい」


「誰にでもできるのでしょうか?」


「どうでしょう。アレンとルナも試しましたけど、動かせなかったんです」


「なるほど……。かなり高度な魔力操作が必要なのかもしれませんね」


 男性の表情が真剣になった。


「これは、ぜひ詳しく調べてみたいですね」


 フェリシアは群晶石を手元へ戻した。


「研究のお役に立てるなら嬉しいです」


「ありがとうございます。本当に貴重な情報です」


 男性は深々と頭を下げた。


 ◇


「それでは、こちらの群晶石についてですが……」


 研究担当の男性が机の上を見つめた。


「できれば、研究用としていくつか買い取らせていただけませんか?」


「はい。もちろんです」


「ありがとうございます。何個ほどお譲りいただけますか?」


 俺はルナとフェリシアを見た。


「どうしようか?」


「二つくらいでいいんじゃない?」


 ルナが言った。


「うん。ほかにも使い道があるかもしれないしね」


 フェリシアも頷く。


「じゃあ、二つお願いします」


「二つですね。ありがとうございます」


 研究担当の男性が頷いた。


「前回と同じ、一個三十万ジェニーでいかがでしょうか?」


「はい。大丈夫です」


「それでは、二個で六十万ジェニーですね」


「ありがとうございます」


 俺たちは買い取ってもらう二つを渡した。


 残りの十二個は、《収納》へしまっておく。


 研究担当の男性は、買い取った群晶石を大切そうに手に取った。


「これで研究を進められます。本当にありがとうございます」


「いえ。こちらこそ」


 何か新しいことが分かるといいな。


 ◇


 ようやくすべての報告が終わった。


「それでは、アレンさん」


 受付の女性が言った。


「魔物素材の査定額は、明日お伝えいたします」


「はい。よろしくお願いします」


「本日は本当にありがとうございました。それにしても……」


 女性が俺たちを見た。


「アビスクラーケンの討伐に、三十階層への到達。さらに群晶石の大量発見まで……」


 そして、小さく笑った。


「さすがSランクの冒険者ですね」


「ありがとうございます」


 俺は少し照れくさくなった。


 でも、今回もルナとフェリシアのおかげで、無事に探索できた。


「じゃあ、帰ろうか」


「うん!」


 ルナが元気よく頷く。


「今日はゆっくり休みたいね」


 フェリシアも笑った。


 俺たちはギルドを後にした。


 明日は素材の買取金額が分かる。


 今回はかなりの量だったし、どれくらいになるんだろう。


 ちょっと楽しみだ。


【保有:244,420P】

【累計獲得P:701,630P】



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
群晶石から魔法が使えるのは報告しないのね。 トンデモ兵器だから隠しておくのかな?
「これは二十七階層の魔物でしょうか……」 「はい。ロックウルフです」 「こちらは?」 「ロックムカデですね。二十六階層にいました」 「二十六階層……?」 他の方も書いてたけど二十七層の魔物では驚いて…
職員との会話で、27階+ロックウルフで無反応なのに、26階で階層更新についての反応をしているのはおかしいのではないか? 25階層+グランドホーンなら、納得感はある。
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