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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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195/198

第195話 青白い光

新連載はじめました!

『王女殿下、まずは拳をお下げください ~転生執事と最強王女の成り上がり~』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 二十六階層へ足を踏み入れた俺たちは、周囲を見回した。


「わあ……!」


 ルナが声を上げる。


 そこには、これまでの階層とは違う光景が広がっていた。


 広い洞窟の壁や天井が、ところどころ青白く光っている。


「きれいだね!」


「うん。こんな場所があるんだね」


 フェリシアも興味深そうに眺めている。


 俺は《魔力感知》で周囲を探った。


 すると、少し離れた場所に魔物の反応があった。


 ただ、通路の先には何も見えない。


「……あれ?」


「どうしたの、アレン?」


 ルナが聞いてきた。


「近くに魔物がいるみたいなんだけど、姿が見えないんだ」


「そうなの?」


「うん。ちょっと待ってね」


 俺はもう一度《魔力感知》を使った。


 反応は、俺たちの前方。


 それも、少し高い位置にある。


 もしかして……。


 俺が天井へ目を向けたときだった。


「アレン、上!」


 ルナが声を上げた。


 ガラガラッ!


 頭上から小石が降ってくる。


 俺たちはすぐに後ろへ跳んだ。


 直後、天井の岩の隙間から、長い身体を持つ魔物が現れた。


「うわっ! 大きなムカデ!」


 ルナが驚く。


 確かにムカデだ。


 ただし、普通のムカデとは比べものにならないほど大きい。


 身体は岩のような硬い甲殻で覆われ、たくさんの脚が並んでいる。


 俺は《鑑定》した。


【ロックムカデ】


【硬い甲殻を持ち、岩壁や天井を移動する魔物】


「岩の上も歩けるんだね!」


 フェリシアが見上げる。


「うん。上からの攻撃に気をつけよう」


 ロックムカデは長い身体をくねらせながら、天井を這っている。


 そして、突然こちらへ飛びかかってきた。


「来るよ!」


 ルナが矢を放つ。


 しかし、矢は甲殻に当たって弾かれた。


「あっ!」


 魔物がルナへ迫る。


 だが、その進路へ青白い光が飛び込んだ。


 フェリシアのオービットだ。


「そこ!」


 ドンッ!


 《魔弾》が魔物の側面に命中し、身体が大きく傾いた。


 ロックムカデは着地すると、素早く岩壁へ移動した。


 そのまま壁を這い上がり、大きな岩柱の裏へと姿を消す。


「隠れちゃった!」


 ルナが岩柱を見つめる。


 俺からも姿は見えない。


 でも、《魔力感知》には反応が残っていた。


「フェリシア、岩柱の反対側にいるよ」


「分かった!」


 フェリシアが頷く。


 二つのオービットが左右へ分かれ、岩柱の裏へ回り込んだ。


 残りの二つは、フェリシアの周囲に浮かんでいる。


「……あっ!」


 ルナが何かに気づいた。


「フェリシア!右に動くよ!」


「うん!」


 フェリシアがオービットの位置を変える。


 次の瞬間。


 ドンッ!


 岩柱の裏から、魔物の甲殻に魔弾が当たる音が響いた。


 続いて、ロックムカデが身体を大きく曲げながら姿を現した。


「すごい!」


 俺は思わず声を上げた。


「ルナ、どうして右に動くって分かったの?」


「風だよ!岩の向こうで空気が動いたの!」


「なるほど!」


 それにしても、フェリシアもすごいな。


 自分から見えない場所にあるオービットを動かして、正確に魔法を当てたんだ。


 ロックムカデは再び天井へ逃げようとした。


 だが、今度はフェリシアが先回りしていた。


 頭上に移動したオービットから魔弾が放たれる。


 ドンッ!


 魔物は身体をよじり、隣の岩壁へ飛び移った。


 そこへ、もう一つのオービットが回り込む。


 ドンッ!


 逃げようとするたびに、別の方向から魔法が飛んでくる。


 ロックムカデは、ついに岩壁へ張りついたまま動きを止めた。


「アレン、あの甲殻の隙間を狙えるかな?」


 フェリシアが尋ねた。


「うん。ちょっと見てみるね」


 俺は《鑑定》で身体の構造を調べた。


 硬い甲殻に覆われているけど、節と節の間には比較的柔らかい部分があるらしい。


「あそこなら、剣が通りそうだよ」


「分かった!」


 フェリシアが二つのオービットを動かした。


 魔弾が左右から命中し、ロックムカデの長い身体が大きく反る。


 ちょうど、甲殻の継ぎ目が見えた。


「今だよ!」


「うん!」


 俺は地面を蹴った。


 岩壁から身体を離したロックムカデに向かって、竜爪剣を振り下ろす。


「はあっ!」


 ザシュッ!


 刃が甲殻の隙間に食い込んだ。


 魔物は地面へ落下する。


 さらに一撃。


 ロックムカデは動かなくなった。


【2,100P獲得】


「やったー!」


 ルナが嬉しそうに笑った。


「二千百Pか。いいね!」


 俺は竜爪剣を下ろした。


 それにしても、今回の戦い方は面白かったな。


 俺の《魔力感知》で位置を確認し、ルナの《風読み》で動きを予測する。


 そしてフェリシアが、見えない場所からオービットで攻撃する。


 三人で協力すれば、こんなこともできるんだな。


 ◇


「ねえ、アレン!」


 ルナが岩柱の向こうを指差した。


「あそこ、光ってない?」


「え?」


 俺たちは岩柱の裏へ回った。


 そこには、さっきの戦闘で崩れたらしい岩が散らばっていた。


 ロックムカデが身体をぶつけたのか、岩壁の一部が大きく削れている。


 その奥から、青白い光が漏れていた。


「……何だろう?」


 フェリシアが近づく。


 俺は露出した黒い石を《鑑定》した。


【群晶石】


「あっ!」


「どうしたの?」


「これ、群晶石だよ」


「えっ!?」


 フェリシアが驚いた。


「オービットと同じ魔石?」


「うん。そうみたい」


「すごーい!」


 ルナが目を輝かせる。


「こんなところにもあるんだ!」


 十五階層では、スウォームロックを倒すことで手に入った群晶石。


 それが、岩壁の中にも埋まっているんだな。


 俺は周囲を《鑑定》してみた。


 すると、削れた岩壁の奥にも、同じ表示が現れた。


【群晶石】


【群晶石】


「……ほかにもあるね」


「本当!?」


 フェリシアが嬉しそうに聞き返す。


「うん。岩の中に埋まっているみたい」


 ルナは、崩れた岩を見ながら首を傾げた。


「ねえ、アレン。さっきのムカデって、この岩の向こうから出てきたんじゃない?」


「そうなの?」


「うん。最初に上から小石が落ちてきたとき、こっちの方で音がしたから」


 なるほど。


 俺は岩の割れ目を覗き込んだ。


 奥の方に、小さな隙間が続いている。


 しかも、その先からも青白い光が漏れていた。


「……向こうにも空間があるみたいだね」


「行けるかな?」


 ルナが聞いてくる。


「ちょっと調べてみようか」


 俺は《魔力感知》で周囲を確認した。


 近くに魔物の反応はない。


 それから、割れ目の周囲を《鑑定》してみる。


 大きな岩をいくつか取り除けば、通れそうだ。


「少し広げてみようか」


「うん!」


 俺たちは崩れかけた岩を取り除いていった。


 やがて、人が通れるほどの隙間ができた。


 その向こうには、青白い光が広がっている。


「わあ……!」


 ルナが息をのんだ。


「アレン、見て!」


 ◇


 俺たちが岩の隙間を抜けると、そこには大きな空洞が広がっていた。


 天井は高く、岩壁全体が青白く輝いている。


 無数の小さな光が、壁一面に散らばっていた。


「きれい……」


 フェリシアが呟く。


「うん。まるで星空みたいだね」


 俺も思わず見入ってしまった。


 こんな場所が、ダンジョンの中にあるんだな。


「ねえ、アレン」


 ルナが壁を指差した。


「あれも群晶石なのかな?」


「ちょっと調べてみるね」


 俺は《鑑定》した。


【群晶石】


 さらに別の場所も確認する。


【群晶石】


【群晶石】


 やっぱりそうだ。


「うん。ここにある黒い石は、どれも群晶石みたいだよ」


「すごーい!」


 ルナが岩壁を見上げた。


「こんなにたくさんあるんだ!」


「本当だね」


 フェリシアも驚いている。


 十五階層では、スウォームロックのコアを倒して、ようやく一つ手に入った群晶石。


 それが、この空洞には数えきれないほど埋まっている。


 なるほど。


 ギルドでほとんど採取された記録がないと聞いたけど、こんな深い階層にあるなら納得できるな。


「これなら、ギルドの人も喜んでくれそうだね」


 俺が言うと、ルナが頷いた。


「うん!いっぱい持って帰ろう!」


「そうだね。でも、傷つけずに取れるかな?」


 フェリシアが岩壁を見つめた。


「試してみようか」


 俺は群晶石の位置を《鑑定》で確認し、周囲の岩を慎重に削った。


 石そのものを傷つけないように、竜爪剣の刃を少しずつ入れていく。


 やがて。


「……よし、取れた」


 黒い魔石が、きれいな形で外れた。


「やったね!」


 ルナが嬉しそうに言った。


「フェリシア、試してみる?」


「うん!」


 フェリシアが群晶石を受け取り、魔力を流す。


 石の内側の青白い光が強くなった。


 そして、ふわりと浮き上がる。


「ちゃんと動くね!」


「うん。十五階層で手に入れたものと同じみたい」


 フェリシアが微笑んだ。


「よかったね」


 俺は頷いた。


 どうやら、岩壁から採れる群晶石もオービットとして使えるらしい。


「じゃあ、ほかのも取ってみようか」


「うん!」


 俺たちは採掘を続けた。


 俺が《鑑定》で位置を確認し、周囲の岩を削る。


 ルナは取り除いた岩を運び、フェリシアは外した群晶石に傷がないかを確かめてくれた。


 ただ、思ったより時間がかかる。


 岩の表面に近いものは取りやすいけど、奥深くに埋まっているものは、なかなか外れないんだ。


「これ、アレンの《鑑定》がなかったら大変だね」


 フェリシアが言った。


「そうだね。群晶石まで傷つけちゃうかもしれないし」


「そもそも、壁の中にあるって分からないもんね!」


 ルナが笑う。


 確かにそうだ。


 普通の冒険者だったら、こんな場所に来られたとしても、魔石だと気づかずに通り過ぎてしまうかもしれない。


 俺たちは取り出しやすいものを中心に採掘を続けた。


 そして、しばらくして数えてみると。


「十四個も取れたね!」


 ルナが嬉しそうに言った。


「うん。結構集まったね」


 俺は群晶石を並べた。


 どれも黒い石の内側で、青白い光が揺れている。


「フェリシアのオービットも増やせるね!」


「そうだね」


 フェリシアは群晶石を一つ手に取った。


「でも、今は四つをもっと使いこなせるようになりたいな」


「増やさなくていいの?」


「うん。まだ、四つでも試したいことがあるから」


「そっか!」


 ルナが頷いた。


 確かに、今の四つだけでも相当強力だ。


 さっきのロックムカデとの戦いでも、自分から見えない場所に攻撃できていた。


 フェリシアなら、これからさらにいろんな使い方を考えつきそうだ。


「じゃあ、採掘した分はギルドへ持っていこうか」


「うん!」


 俺は十四個の群晶石を《収納》へしまった。


 ◇


 採掘を終えた俺たちは、空洞を出て元の通路へ戻った。


「ねえ、アレン」


 ルナが声をかけてきた。


「何?」


「私たち、すごいものを見つけたんじゃない?」


「そうだね。ギルドでもほとんど採取された記録がないって言ってたし」


「しかも、こんなにたくさん!」


 ルナが嬉しそうに笑う。


「ギルドに報告したら、驚かれるかもしれないね」


 フェリシアも言った。


「うん。研究も進むといいね」


 魔力を通せる不思議な魔石。


 フェリシアはオービットとして使っているけど、ほかにも使い道があるかもしれない。


 そう考えると、今回の発見には大きな意味がありそうだ。


「それにしても、まだ二十六階層なんだよね」


 俺が言うと、ルナが頷いた。


「うん! もっと下にも行けるのかな?」


「どうだろうね。ダンジョンがどこまで続いているのか、まだ誰も知らないみたいだし」


「じゃあ、私たちが調べてみようよ!」


「うん。せっかくここまで来たんだしね」


 フェリシアも微笑んだ。


 俺は《魔力感知》で周囲を探った。


 通路の先には、まだ魔物の反応がある。


 でも、今の俺たちなら問題なく進めそうだ。


「じゃあ、もう少し探索してみようか」


「うん!」


 俺たちは通路の奥へ進んだ。


 途中でまたロックムカデと遭遇したけど、三人で協力して倒すことができた。


 さらに別の魔物も現れた。


 俺はそのたびに竜爪剣を振るい、Pを獲得していく。


 今日、二十六階層に入ってから獲得したPは、合計一万三千八百P。


 未踏の階層は、Pを稼ぐにもいい場所みたいだな。


 そして、しばらく進んだところで。


「あっ!」


 ルナが前方を指差した。


「アレン! また階段があるよ!」


 視線の先には、さらに下へ続く石段があった。


「二十七階層だね」


 フェリシアが言った。


「うん」


 俺は階段の先を見つめた。


 この先には、どんな魔物がいるんだろう。


 それに、また新しいものが見つかるかもしれない。


「行ってみようか」


「うん!」


「そうだね!」


 三人で階段へ向かった。


 テリーとステフも、元気についてくる。


「ワフ!」


「キュ!」


 俺たちは、さらに深い階層へと足を踏み入れた。


【保有:194,930P】

【累計獲得P:652,140P】



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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群晶石 気になります。 リオンの出番?
これって空飛べるんじゃないですかね
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