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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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194/202

第194話 未踏の階層へ

新連載はじめました!

『王女殿下、まずは拳をお下げください ~転生執事と最強王女の成り上がり~』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 十五階層でオービットを手に入れた俺たちは、十六階層へ向かおうとしていた。


 そのとき。


「あっ、アレン!」


 ルナが湖の奥を指差した。


「あそこにもいるよ!」


 目を向けると、大きな岩の塊がゆっくりと動いていた。


 スウォームロックだ。


「本当だね」


 俺は《魔力感知》で中心部を探った。


 強い魔力の反応が一つ。


 今回もコアがあるらしい。


「また群晶石が手に入るかもしれないね」


 フェリシアが嬉しそうに言った。


「うん。行ってみようか」


 俺たちが近づくと、スウォームロックが周囲の小さな岩の魔物を集め始めた。


 だが、もう攻略方法は分かっている。


「ルナ、コアはお願いね!」


「任せて!」


 フェリシアが《魔弾》で集合体の身体を崩す。


 俺は飛び出してきた小型のスウォームロックを斬り倒していった。


【30P獲得】

【30P獲得】

【30P獲得】


 小さな魔物だけど、倒せばちゃんとPになる。


 俺はコアを守る岩を斬り崩した。


「ルナ!」


「うん!」


 ルナの矢が飛ぶ。


 バキッ!


 コアが砕けると、巨大な身体が一斉に崩れ落ちた。


「やったね!」


 ルナが嬉しそうに笑う。


 俺は崩れた岩の中から群晶石を拾い上げた。


「これで三つだね」


「うん!」


 フェリシアが新しい群晶石を受け取る。


 早速、魔力を通してみると、三つのオービットが宙に浮かび、それぞれ別の方向へ動き始めた。


「すごいね!三つでもできるんだ!」


「うん。まだ余裕がありそう」


 フェリシアが笑った。


 その後、もう一体のスウォームロックとも遭遇した。


 俺たちは同じ方法で集合体を崩し、最後はルナがコアを射抜いた。


 これで四つ目の群晶石だ。


 その間に、俺が倒した小型のスウォームロックは合計十二体。


 三百六十Pを獲得できた。


「これなら、四つ同時に使えるかな?」


 フェリシアが群晶石を並べた。


「試してみようよ!」


 ルナが楽しそうに言う。


「うん!」


 フェリシアが魔力を流すと、四つの群晶石が一斉に浮かび上がった。


「おおっ!」


 俺は思わず声を上げた。


 一つは右へ。


 もう一つは左へ。


 さらに一つは頭上へ、残りの一つはフェリシアの背後へ移動する。


「すごーい!」


 ルナが目を輝かせた。


「四つとも別々に動いてる!」


「うん。これくらいなら問題なさそうだね」


 フェリシアが嬉しそうに笑う。


 俺には一つ動かすことすらできなかったのに。


 やっぱり、フェリシアの魔力操作はすごいな。


「じゃあ、次の魔物が出たら試してみようか」


「うん!」


 フェリシアは四つのオービットを《収納》へしまった。


 ◇


 十六階層へ下りると、すぐに魔物の気配を感じた。


 それも、一体や二体じゃない。


「……結構いるね」


 俺は《魔力感知》で周囲を探る。


 通路の奥から、いくつもの反応が近づいてきていた。


 やがて姿を現したのは、青黒い鱗に覆われた四足の魔物だった。


【ブルースケイルハウンド】


【群れで行動する魔物】


【討伐獲得P:650P】


「八体いるね」


 フェリシアが言った。


「うん。じゃあ、お願いできる?」


「任せて!」


 フェリシアが《収納》から四つのオービットを取り出す。


 青白い光を放つ石が、一斉に宙へ浮かんだ。


 そして、魔物の周囲へ飛んでいく。


 正面。


 背後。


 右側。


 左側。


「いけ!オービット!」


 ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


 四方向から《魔弾》が放たれた。


 魔物たちは突然の攻撃に驚き、足を止める。


 さらにフェリシア自身も《魔弾》を放った。


 ドンッ!


「すごーい!」


 ルナが歓声を上げた。


「どこからでも攻撃できるんだね!」


 確かに、これはすごい。


 前後左右から魔法が飛んでくるんだから、敵はどちらを向いていいか分からないだろう。


「アレン、今だよ!」


「うん!」


 フェリシアが魔物の足元を狙い、動きを鈍らせる。


 俺は竜爪剣を構えて駆け出した。


 一体。


【650P獲得】


 二体。


【650P獲得】


 ルナの矢とオービットの援護を受けながら、さらに三体、四体と仕留めていく。


 八体すべてを倒したところで、ようやく通路が静かになった。


 五千二百P。


 いい稼ぎだ。


「やったね!」


 ルナが嬉しそうに笑う。


「うん。それにしても、フェリシアのオービットはすごいね」


「そうかな?」


「攻撃できる方向が全然違うよ」


 フェリシアは四つのオービットを手元へ戻した。


「まだいろいろできそうだね」


 そう言って嬉しそうに笑う。


 俺も楽しみになってきたぞ。


 ◇


 その後も、魔物との遭遇が続いた。


 十七階層では、硬い甲殻を持つストーンビートルが現れた。


【ストーンビートル】


【討伐獲得P:720P】


 甲殻は硬いけど、腹部は比較的柔らかい。


 フェリシアがオービットを背後へ回り込ませ、魔弾で体勢を崩す。


 そこへ俺が踏み込み、露出した腹部へ竜爪剣を突き立てた。


【720P獲得】


 さらに別の群れも現れたが、ルナとフェリシアの援護で次々と撃破。


 この階層では合計八体を倒し、五千七百六十Pを獲得した。


 十八階層では、鋭い棘の生えたスパイクテイルが次々と襲ってきた。


【スパイクテイル】


【討伐獲得P:850P】


 ルナが矢で牽制し、フェリシアのオービットが左右から魔弾を放つ。


 俺は体勢を崩した魔物を次々と仕留めた。


 ここでも八体を討伐。


 六千八百Pを獲得した。


 そして十九階層。


【アイアンホーン】


【討伐獲得P:1,000P】


 大きな角を持つ魔物が、勢いよく突進してくる。


 だが、ルナの矢が進路を変えさせ、フェリシアの魔弾が足を止める。


 俺は隙のできた魔物へ斬りかかった。


【1,000P獲得】


 その後も何度か戦闘を繰り返し、七体を討伐。


 七千Pを獲得した。


「それにしても、魔物が増えてきたね」


 フェリシアが言った。


「うん。十六階層から明らかに多くなってるよね」


 ルナも頷いた。


 確かに、以前の階層とは違う。


 一つの群れを倒して少し進むと、もう次の魔物が現れる。


 しかも、階層が深くなるほど強くなっている。


「普通の冒険者だったら、大変そうだね」


「そうだね」


 俺も頷く。


 戦闘の回数が増えれば、体力も魔力も消耗する。


 怪我をする可能性だって高くなるだろう。


 でも、俺たちはほとんど無傷だった。


 フェリシアのオービットもあるし、ルナの弓も頼りになる。


 俺としては、Pがたくさん稼げるのもありがたい。


 ◇


 そして、二十階層。


 階段を下りると、大きな地下湖が広がっていた。


「わあ……!」


 ルナが声を上げる。


 湖の中央付近では、水面がゆっくりと盛り上がっていた。


 何か、大きなものがいる。


 俺は《魔力感知》で湖の中を探った。


 強い魔力の反応がある。


「……いたね」


「階層主?」


「たぶん」


 そう答えた直後だった。


 ザバアッ!


 巨大な触腕が水面から飛び出した。


 一本。


 二本。


 さらに三本、四本。


 水しぶきとともに、巨大なイカのような魔物が姿を現す。


「うわっ! 大きい!」


 ルナが驚いた。


 俺はすぐに《鑑定》した。


【アビスクラーケン】


【ミナリア西ダンジョン第二十階層の階層主】


【複数の触手で獲物を捕らえる大型魔物】


 これは大きいな。


 しかも、今回はただ倒せばいいわけじゃない。


 依頼には墨袋を傷つけずに回収するという条件がある。


 俺は続けて《鑑定》を使い、身体の内部を詳しく調べた。


 すると、胴体の後方にある墨袋の位置が分かった。


 なるほど。


 あの部分を避けて攻撃すればいいんだな。


「フェリシア!」


「何?」


「墨袋は胴体の後ろ側にあるみたい。そこには攻撃を当てないようにしたいんだ」


「分かった。じゃあ、触手を狙うね」


「お願い!」


「ルナも、触手を牽制してくれる?」


「任せて!」


 ザバンッ!


 巨大な触手が、俺たちに向かって振り下ろされた。


 俺は横へ跳んでかわす。


 ドゴォン!


 地面が大きく砕けた。


「すごい力だね!」


 ルナが声を上げた。


「うん。まともに受けたら危ないよ」


 さらに二本の触手が、左右から俺を挟み込もうとする。


 俺は後ろへ跳んだ。


 直後、二本の触手が勢いよくぶつかり合う。


 すごいな。


 でも、動きは見えている。


 ルナが矢を放ち、一本の触手を牽制した。


 フェリシアは四つのオービットを取り出す。


 青白い光を放つ石が、アビスクラーケンの周囲へ飛んでいった。


「いけ!オービット!」


 四方向から《魔弾》が放たれた。


 それぞれが別の触腕に命中し、動きを止める。


 さらにフェリシア自身も《魔弾》を放つ。


 ドンッ!


 アビスクラーケンが身体をのけぞらせた。


「すごーい!」


 ルナが歓声を上げる。


「でも、強く撃ちすぎないようにしないと」


 フェリシアはオービットの位置を変えた。


 今度は、触手の先端に近い部分を狙っている。


 ドンッ! ドンッ!


 攻撃の威力も、さっきより抑えられていた。


 墨袋を傷つけないようにしているんだろう。


 しかも、四つのオービットを別々に動かし、それぞれ違う場所を狙っている。


 ……とんでもないな。


 アビスクラーケンは触手を振り回して抵抗する。


 だが、フェリシアはオービットを上下左右へ飛ばし、その動きに合わせて攻撃する位置を変えていった。


 俺やルナに触手が届きそうになると、すぐに別のオービットが回り込む。


 まるで、四人も五人もフェリシアがいるみたいだ。


「アレン、今ならいけるよ!」


「うん!」


 俺は地面を蹴った。


 触手の一本が、進路を塞ごうとする。


 しかし、ルナの矢がその先端に突き刺さり、動きが鈍った。


 その隙に俺は触手の間を抜け、頭部へ近づく。


 墨袋の位置は確認済みだ。


 そこを避け、急所へ竜爪剣を突き立てた。


「はあっ!」


 ザシュッ!


 巨大な身体が大きく震える。


 そして。


 ザバアッ!


 アビスクラーケンが水面に倒れ込んだ。


【4,000P獲得】


「やったー!」


 ルナが飛び跳ねた。


「やったね、アレン!」


 フェリシアも嬉しそうに笑う。


「うん。二人のおかげだよ」


 それにしても、二十階層の階層主だったのに、思ったよりあっさり倒せたな。


 いや、フェリシアのオービットが強すぎるのかもしれない。


 俺は念のため、もう一度《鑑定》で墨袋を確認した。


 傷はついていない。


 よし。


 これなら依頼も達成できそうだ。


 俺はアビスクラーケンの身体を《収納》へしまった。


 ◇


 二十階層を後にしようとしたところで、ルナが声をかけてきた。


「ねえ、アレン」


「何?」


「ちょっと聞いてもいい?」


「うん」


 ルナは少しだけ言いにくそうな顔をした。


「最近、ちゃんと眠れてる?」


 ……ああ。


 ルナが何を心配しているのか、すぐに分かった。


「うん。大丈夫だよ」


 俺は笑って答えた。


「本当?」


「うん。こうして二人と冒険していると、楽しいからね」


 こうして新しいダンジョンを探索していると、楽しい。


「そっか……」


 ルナが少し安心したように笑う。


「でも、無理しないでね」


「うん。ありがとう」


「辛かったら遠慮しないで言ってね」


 フェリシアも優しく言った。


「分かったよ」


 俺は二人に頷いた。


 本当に、いい仲間に恵まれたな。


 ◇


 二十一階層へ進むと、さらに魔物の数が増えた。


「またいるよ!」


 ルナが声を上げる。


 今度は、岩のような硬い皮膚を持つ魔物だった。


【グレイストーカー】


 動きが速く、こちらを囲もうとしてくる。


 だが、フェリシアのオービットが先回りした。


「オービット!」


 四方向から放たれた魔弾が、魔物たちの進路を塞ぐ。


 そこへ俺が踏み込んだ。


【1,050P獲得】


【1,050P獲得】


 さらに三体。


 最初の群れを倒し終えると、今度は通路の向こうから二体が現れた。


 それも、ルナとフェリシアの援護を受けながら倒していく。


 この階層では合計七体。


 七千三百五十Pを獲得した。


 ◇


 その後も何度か戦闘して二十二階層まで来た。


 通路の奥から新たな二体が現れた。


「たくさんいるね!」


 ルナが笑った。


「うん。でも、Pを稼げるからありがたいよ」


 二体も問題なく倒した。


 それにしても、魔物の数が本当に多い。


 でも、三人で協力していれば、今のところ危険を感じる場面はほとんどなかった。


 その後も階層を進めていく。


 階層が深くなるほど魔物は強くなっている。


 しかも、次から次へと現れる。


 普通の冒険者なら、そろそろ引き返したくなるところかもしれない。


 でも、俺たちはまだほとんど疲れていなかった。


 ◇


 そして、二十五階層。


 階段を下りた瞬間、俺は思わず足を止めた。


「……多いな」


 《魔力感知》に、いくつもの反応があった。


 これまでの階層より、さらに魔物が密集している。


「またいっぱいいるの?」


 ルナが聞いてきた。


「うん。すぐ近くにもいるよ」


 やがて、通路の奥から大きな魔物が現れた。


【グランドホーン】


 太い四肢と巨大な角を持つ魔物だ。


 しかも、一体だけじゃない。


 三体が並んで、こちらへ突進してきた。


「来るよ!」


 ルナが弓を構える。


「うん!」


 フェリシアの四つのオービットが、魔物の周囲へ飛んでいった。


 左右から《魔弾》が命中する。


 魔物の突進が乱れたところへ、ルナの矢が飛ぶ。


 俺は一気に踏み込んだ。


【1,600P獲得】


【1,600P獲得】


 さらに一体。


 最初の三体を倒し終えたところで、今度は二体のグランドホーンが現れた。


「また来たね!」


 ルナが笑う。


「うん。休む暇もないね」


 俺も笑って答えた。


 フェリシアがオービットで動きを封じ、俺は二体を仕留めた。


 その後も通路の奥から二体が現れたけど、問題なく倒すことができた。


「ふう……」


 俺は竜爪剣を下ろした。


「それにしても、すごい数だったね」


 フェリシアが言った。


「うん。十六階層から明らかに魔物が増えてるよね」


 ルナも頷いた。


 ここまで何度も戦闘を繰り返してきた。


 しかも、階層が深くなるほど魔物は強くなり、数も増えている。


「普通の冒険者だったら、ここまで来るだけでも大変そうだね」


 フェリシアが言った。


「うん。魔力も体力も、かなり使うと思う」


 俺も頷く。


「二十階層には、あのアビスクラーケンもいたしね」


「そうだね!」


 ルナが言った。


「あんな大きな魔物を倒して、さらにここまで来るんだもん。普通はすごく大変だよね!」


 確かにそうだ。


 十六階層から魔物の数が増え、二十階層には強力な階層主がいる。


 それを突破したあとも、休む暇がないほど魔物が現れる。


 普通の冒険者なら、体力や魔力が尽きてしまってもおかしくない。


 怪我をすることもあるだろう。


 でも、俺たちはここまで、ほとんど無傷だった。


「……私たち、結構すごいことしてるのかもね」


 フェリシアが言った。


「うん!」


 ルナが笑う。


「アレンも強いし、フェリシアのオービットもすごいもん!」


「ルナの弓もね」


「えへへ!」


 ルナが嬉しそうに笑った。


 俺も二人につられて笑う。


 ギルドで聞いた、二十五階層までしか到達した記録がないという話。


 今なら、その理由が少し分かる気がした。


 ◇


 それから、俺たちは階層の奥へと進んだ。


 《魔力感知》で魔物の位置を確認しながら、階段を探していく。


 そして。


「あっ!」


 ルナが前方を指差した。


「階段があるよ!」


 視線の先には、下へ続く石段があった。


 俺たちは顔を見合わせる。


「ここを下りたら、二十六階層だよね?」


 フェリシアが聞いた。


「うん。そのはずだよ」


「誰も行ったことがないんだよね?」


 ルナが少し興奮した様子で言う。


「少なくとも、ギルドには到達した記録がないらしいね」


 俺は階段の先を見つめた。


 暗くて、下の様子はよく見えない。


 でも、何だかわくわくするな。


「行ってみようか」


「うん!」


「そうだね!」


 三人で階段を下りていく。


 テリーとステフも、俺たちについてきた。


「ワフ!」


「キュ!」


 やがて、階段の先に新しい空間が見えてきた。


 俺たちは足を止める。


 ここが、二十六階層。


 ギルドに記録のない、未知の場所だ。


 いったい、何が待っているんだろう。


【保有:181,130P】

【累計獲得P:638,340P】



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
今なら、AIドローンで全自動とかいきそうだ(笑
アレンの庇護から離れることになっても大丈夫なように、元々強かった魔力操作だけでフェリシアが独り立ちできる環境を作ったのかな。なるほど。
転移石はなかった?
感想一覧
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