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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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189/200

第189話 群れで戦う魔物

新連載はじめました!

『王女殿下、まずは拳をお下げください ~転生執事と最強王女の成り上がり~』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。


 十三階層へ下りると、目の前には岩だらけの洞窟が広がっていた。


 大小さまざまな岩の間を、何本もの水路が流れている。


 水の流れる音が、あちこちから聞こえてきた。


「今度は岩だらけだね!」


 ルナが辺りを見回す。


「水路も多いね。足元に気をつけよう」


 フェリシアが言った。


 俺は《魔力感知》を使った。


「……あ、いるね」


「魔物?」


「うん。前の方に五体いる」


「どんな魔物かな?」


「行ってみようか」


「うん!」


 俺たちは岩場を進んだ。


 しばらくすると、大きな岩の陰から何かが現れた。


 青緑色の鱗。


 細長い身体。


 鋭い爪と長い尾。


 大きなトカゲのような魔物だった。


「六階層にも似た魔物がいたよね?」


 ルナが言った。


「シーリザードだね。でも、少し違うみたい」


 フェリシアが答える。


 俺は《鑑定》を使った。


「《鑑定》」


【リバーラプター】


【水辺に生息するトカゲ型の魔物】


【素早い動きと鋭い爪で獲物を襲う】


【鳴き声で仲間を呼び、群れで狩りを行う】


「リバーラプターっていう魔物みたいだよ」


「リバーラプター?」


「うん。群れで狩りをするらしい」


「じゃあ、みんなで襲ってくるんだね!」


 ルナが弓を構えた。


 そのとき、一体がこちらに気づいた。


「ギャアッ!」


 甲高い鳴き声を上げ、岩場を蹴って飛びかかってくる。


「おっと」


 俺は横へ身体をずらした。


 鋭い爪が目の前を通り過ぎる。


 そのまま竜爪剣を振り抜いた。


 ザシュッ!


【520P獲得】


 リバーラプターが地面へ倒れた。


「早いね!」


 ルナが笑う。


「うん。でも、まだ四体いるよ」


 俺は《魔力感知》で周囲を確認した。


 すると、突然。


「ギャアアッ!」


 残る一体が、甲高い鳴き声を上げた。


 直後、《魔力感知》に新しい反応が現れる。


 一体。


 二体。


 三体。


 さらに増えていく。


「……あれ?」


「どうしたの?」


 フェリシアが聞いた。


「魔物が増えてる」


「えっ?」


「今の鳴き声で仲間を呼んだみたい」


 水路の向こうから、何体ものリバーラプターが姿を現した。


 岩の上にもいる。


 後ろへ回り込もうとしている個体もいた。


「いっぱい来たね!」


 ルナが驚いた顔をする。


「うん。十体以上いるみたいだ」


 俺は周囲を見回した。


 岩の陰が多いうえに、水路も入り組んでいる。


 魔物たちは、そこを利用して俺たちを取り囲もうとしているらしい。


「アレン」


 フェリシアが声をかけてきた。


「少し下がろう」


「下がる?」


「うん。あそこの岩壁の前がよさそう」


 フェリシアが指差した先には、大きな岩壁があった。


 その手前には、幅の狭い岩の道が続いている。


 左右には水路があるけど、岩壁の近くでは岸が高くなっていた。


「正面から来る魔物が多くなりそうだね」


「うん。でも、水路からも来ると思う」


 フェリシアが頷いた。


「だから、アレンは正面をお願い。私とルナで左右を見ておくね」


「なるほど。それなら戦いやすそうだね」


「うん!」


 ルナも頷いた。


「じゃあ、移動しようか」


 ◇


 俺たちは岩壁の前まで移動した。


 テリーも俺たちの後をついてくる。


「ワフ!」


 ステフは頭上を飛んでいた。


「キュ!」


 ここなら後ろは岩壁だ。


 正面には狭い岩の道があり、左右の水路からも魔物が来る可能性がある。


 でも、開けた場所で囲まれるより、ずっと戦いやすい。


「アレン、正面から三体!」


 フェリシアが声を上げた。


「分かった!」


 俺は竜爪剣を構えた。


 リバーラプターたちが岩の道を走ってくる。


「ギャアアッ!」


 先頭の一体が大きく跳び上がった。


 俺は一歩踏み込んだ。


 ザンッ!


【520P獲得】


 リバーラプターが地面へ倒れる。


 二体目が、その横を抜けようとする。


 シュッ!


 ルナの矢が頭部を射抜いた。


「よし!」


 三体目は、岩の上へ跳び上がった。


「《魔弾》!」


 ドンッ!


 フェリシアの魔弾が命中する。


 魔物はそのまま地面へ落ちた。


「すごいね!」


 ルナが声を上げた。


「でも、まだ来るよ!」


 フェリシアが水路へ目を向ける。


 バシャッ!


 右側の水路から、二体のリバーラプターが飛び出してきた。


 高い岸に爪を引っかけ、岩場へ登ろうとしている。


「ルナ、右をお願い!」


「うん!」


 シュッ!


 一体目をルナの矢が射抜いた。


 もう一体は素早く身体をひねり、矢を避ける。


 そして、岩場へ跳び上がった。


「《魔弾》!」


 ドンッ!


 フェリシアの魔弾が直撃した。


 リバーラプターが水路へ落ちていく。


「やった!」


 ルナが嬉しそうに笑った。


 そのときだった。


「ギャアッ! ギャアッ!」


 正面にいた数体のリバーラプターが、一斉に鳴き始めた。


 でも、なかなか近づいてこない。


「……あれ?」


 俺は首を傾げた。


 さっきまでは、あんなに勢いよく襲ってきたのに。


「どうしたんだろう?」


 すると、フェリシアが左側の水路を見た。


「……もしかして」


「何か分かった?」


「正面の魔物たちは、私たちの注意を引こうとしてるんじゃないかな?」


「注意を?」


「うん。その間に、別の魔物が横から近づこうとしてるのかも」


 なるほど。


 群れで狩りをするというのは、こういうことなのか。


 俺は《魔力感知》で周囲を確認した。


「……本当だ」


「えっ?」


「左側の水路に、三体いる」


 どうやらフェリシアの言うとおりらしい。


「じゃあ、どうしよう?」


 ルナが聞いた。


「正面はアレンに任せて、私とルナで左側を迎え撃とう」


「分かった!」


「俺も大丈夫だよ」


 フェリシアが頷いた。


「じゃあ、来るよ!」


 ◇


 バシャッ!


 左側の水路から、三体のリバーラプターが飛び出してきた。


「私が先に!」


 ルナが弓を引く。


 シュッ!


 一体目の頭部を射抜いた。


 続けて二射目。


 しかし、二体目は岩の陰へ飛び込み、矢を避ける。


「逃げた!」


「大丈夫!」


 フェリシアが杖を構えた。


「《魔弾》!」


 ドンッ!


 岩陰から飛び出したところへ魔弾が命中する。


 残る一体は、大きく跳び上がった。


 そのままルナへ飛びかかろうとする。


「ルナ!」


「うん!」


 ルナは慌てることなく弓を引いた。


 シュッ!


 至近距離から放たれた矢が、リバーラプターの頭部を射抜く。


 魔物はそのまま地面へ落ちた。


「よし!」


 その直後。


「ギャアアッ!」


 正面の魔物たちが一斉に走り出した。


「今度はこっちか」


 俺は竜爪剣を構え直した。


 一体目が飛びかかってくる。


 身体を横へずらし、首を斬り抜く。


【520P獲得】


 二体目は低い姿勢で突っ込んできた。


 俺は一歩踏み込み、剣を振り下ろした。


 ザンッ!


【520P獲得】


 三体目は大きく跳び上がった。


 でも、遅い。


 着地する前に竜爪剣を振り抜く。


【520P獲得】


 三体とも倒れた。


 ◇


 その後も、何体かのリバーラプターが襲ってきた。


 でも、フェリシアが左右の動きを確認し、ルナが弓で迎え撃つ。


 俺も、正面から来た魔物を倒した。


 やがて、魔物の姿が見えなくなった。


「……終わった?」


 ルナが辺りを見回す。


 俺は《魔力感知》を使った。


「うん。近くにはもういないみたい」


「やった!」


 ルナが弓を下ろした。


「いっぱい来たね!」


「うん。でも、うまく戦えたね」


 フェリシアも杖を下ろした。


「フェリシアのおかげだよ」


 俺が言うと、フェリシアが首を傾げた。


「そう?」


「うん。あのまま戦ってたら、あちこちから襲われて面倒だったと思う」


「確かに、ここなら動きを予想しやすかったからね」


「それに、正面の魔物が囮になってることも気づいたでしょ?」


「うん。あまり攻めてこなかったから、変だなって思ったんだ」


「すごいね!」


 ルナが感心している。


「私は全然気づかなかったよ!」


「ルナだって、左右から来た魔物を全部止めてくれたじゃない」


「そうかな?」


「そうだよ」


 二人が顔を見合わせて笑った。


 こうやって、それぞれの得意なことを活かせるのはいいな。


 俺たちなら、開けた場所でも倒せたと思う。


 でも、わざわざ面倒な戦い方をする必要はない。


 それに、フェリシアの作戦のおかげで、テリーやステフも危険な場所へ出ずに済んだ。


「ワフ!」


「キュ!」


 二匹とも元気そうだ。


 俺は倒したリバーラプターを《収納》へ入れた。


 これだけ数があれば、素材も結構な量になるだろう。


 それに、Pも増えた。


 こうやって少しずつ積み重ねていくのも悪くないな。


 ◇


 魔物を回収し終えると、俺たちは探索を再開した。


 十三階層には、まだいくつもの水路が続いている。


 でも、さっきの戦闘以降、魔物の反応はほとんどなかった。


「静かになったね」


 ルナが言った。


「さっきの群れが、この辺りにいた魔物の大半だったのかもしれないね」


 フェリシアが答える。


 しばらく進むと、大きな石の門が見えてきた。


「あっ! 階段だ!」


 ルナが指差した。


「十四階層だね」


 フェリシアが地図を確認する。


「じゃあ、先へ進もうか」


「うん!」


 俺たちは階段へ向かった。


 ◇


 階段の前で、フェリシアが足を止めた。


「ねえ、アレン」


「何?」


「そろそろ、どこまで進むか決めておかない?」


「そうだね」


 俺は頷いた。


 十階層までは、あっという間だった。


 十一階層からは少し時間がかかるようになったけど、まだ疲れてはいない。


 ただ、次の転移石がどこにあるかは分からない。


「十五階層まで行ってみる?」


 俺が言うと、ルナが嬉しそうに頷いた。


「いいね!」


「私も賛成」


 フェリシアが笑った。


「十五階層まで行ったら、その先へ進むか、一度戻るか考えよう」


「うん。それがよさそうだね」


 俺も頷いた。


 無理をして進む必要はない。


 十階層の転移石は登録してあるし、戻ろうと思えば戻れる。


「じゃあ、次は十四階層だね!」


 ルナが階段を見つめた。


「うん」


 俺たちは階段を下り始めた。


 ◇


 十四階層。


 階段を下りると、今度は天井の低い洞窟が広がっていた。


 岩壁には細かな亀裂が入り、床には大きな石がいくつも転がっている。


「なんだか狭いね」


 ルナが呟いた。


「そうだね」


 俺は《魔力感知》を使った。


「……あれ?」


「どうしたの?」


「魔物がいるんだけど……」


「うん?」


「全然動いてないんだよね」


 少し先に、いくつもの魔力反応がある。


 でも、その場所からほとんど動いていない。


「寝てるのかな?」


 ルナが首を傾げる。


「どうだろう」


 俺は前方を見つめた。


 よく見ると、大きな岩がいくつも並んでいる。


 ……あれ?


 何となくだけど、妙な形をしているような。


「アレン?」


 フェリシアが声をかけてきた。


「うん。ちょっと気になることがあって」


 俺は一番近くにある岩へ視線を向けた。


 そのとき。


 岩の表面で、何かがわずかに動いた。


「……あ」


 どうやら、ただの岩じゃないみたいだ。


【保有:104,560P】

【累計獲得P:561,770P】



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