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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第10章 再び南へ

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186/203

第186話 もう十階層?

新連載はじめました!

『王女殿下、まずは拳をお下げください ~転生執事と最強王女の成り上がり~』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 しばらく待つと、湖の水位がさらに下がった。


 水面から現れた石の足場が、対岸まで続いている。


「すごい! 本当に道ができた!」


 ルナが嬉しそうに声を上げた。


「でも、また水が増えるんだよね?」


 フェリシアが足場を見つめる。


「うん。だから、渡った先で戻れなくなるようなら、無理せず引き返そう」


「分かった!」


 俺は《魔力感知》で湖の中を確認した。


 今のところ、近くに魔物の反応はない。


「じゃあ、行ってみようか」


「うん!」


 俺たちは石の足場へ向かった。


 最初の石に足を乗せる。


 濡れているけど、ぐらつく様子はない。


 次の石へ移る。


 その次も。


 足場の間隔はそれほど広くない。


 俺たちなら、飛び越えるのも簡単だ。


「ワフ!」


 テリーも軽々と石を跳び越えていく。


「キュ!」


 ステフは翼を広げ、俺たちの頭上を飛んでいた。


「テリー、落ちないでよ!」


 ルナが声をかける。


「ワフ!」


 テリーが尻尾を振った。


 大丈夫そうだな。


 ほどなくして、俺たちは対岸にたどり着いた。


 目の前には大きな岩の門がある。


 その奥に、下へ続く階段が見えた。


「あっ! 階段だ!」


「本当だね」


 フェリシアが地図を確認する。


「ここから二階層みたい」


「じゃあ、先へ進もうか」


「うん!」


 ◇


 二階層。


 階段を下りると、広い洞窟が続いていた。


 一階層と違い、足元には水溜まりが少ない。


 ただ、岩壁は湿っていて、潮の匂いもする。


 俺は《魔力感知》を使った。


「……あ、いるね」


「魔物?」


「うん。一体だけ」


 少し進むと、通路の真ん中に大きな亀がいた。


 甲羅は岩のように分厚く、身体も普通の亀とは比べものにならないほど大きい。


「あれ、シェルタートルかな?」


 フェリシアが言った。


「ギルドでもらった資料に載ってたね」


 俺が答える。


「すごく硬そう!」


 ルナが甲羅を眺めた。


 シェルタートルはこちらに気づくと、低い唸り声を上げた。


 そして、太い首を伸ばして噛みつこうとしてくる。


「おっと」


 俺は横へかわした。


 思ったほど速くない。


 もう一度頭を突き出してきたところで、竜爪剣を振る。


 ザシュッ!


【280P獲得】


 シェルタートルが動かなくなった。


「……終わった?」


 ルナが聞いた。


「うん」


「早いね!」


「それほど強い魔物じゃないみたいだね」


 フェリシアが言う。


 俺はシェルタートルを《収納》へ入れた。


「じゃあ、次へ行こうか」


「うん!」


 ◇


 三階層。


 今度は天井の高い洞窟だった。


 奥から羽ばたく音が聞こえてくる。


「……あ」


 ルナが上を見た。


 天井に、大きなコウモリが何体もぶら下がっている。


「ケイブバットだね」


 フェリシアが言った。


 その声に反応したのか、四体のケイブバットが一斉に飛び立った。


「キィィッ!」


 鋭い鳴き声が響く。


「私に任せて!」


 ルナが弓を構えた。


 シュッ!


 一体目が落ちる。


 続けて二射目。


 三射目。


 四射目。


 次々と矢が飛び、ケイブバットが地面へ落ちていく。


「……よし!」


 ルナが弓を下ろした。


「全部倒したね」


 俺が言う。


「うん!」


「あんなに動き回ってたのに、よく狙えたね」


 フェリシアが感心している。


「これくらいなら大丈夫だよ!」


 ルナが嬉しそうに笑った。


 さすが《弓聖》だ。


 空中を飛び回る魔物でも、まったく問題にならないらしい。


 倒したケイブバットを《収納》へ入れ、俺たちは先へ進んだ。


 ◇


 四階層では、アクアスライムが二体現れた。


 透明な水の塊のような魔物だ。


 地面を這うように移動し、身体の一部を伸ばしてくる。


「何だか変な魔物だね」


 ルナが首を傾げる。


「そうだね。でも、魔力の反応はちゃんとあるよ」


 俺が言うと、フェリシアが前へ出た。


「ここは私がやるね」


「うん。お願い」


 アクアスライムが触手のようなものを伸ばしてくる。


「《魔弾》!」


 ドンッ!


 魔弾が一体の中心に命中した。


 水の塊が弾け飛ぶ。


 もう一体が横から近づいてきた。


「《魔弾》!」


 こちらも一撃だった。


「終わりだね」


 フェリシアが杖を下ろした。


「すごい!」


 ルナが手を叩く。


「二体とも一発だったね!」


「うん。思ったより柔らかかったよ」


 フェリシアが笑った。


 魔物の種類は違っても、この辺りの階層なら俺たちには問題なさそうだ。


 ◇


 五階層。


 今度は地面のあちこちに水路があった。


 俺たちが細い橋を渡ろうとしたときだ。


 《魔力感知》に反応があった。


「水の中にいる」


「えっ?」


 ルナが水路を覗き込む。


 次の瞬間。


 バシャッ!


 水面から、細長い魔物が飛び出してきた。


 巨大なウナギのような身体。


 岩のように硬そうな皮膚。


 ロックイールだ。


「うわっ!」


 ルナが驚く。


 ロックイールは大きな口を開き、こちらへ飛びかかってきた。


 俺は一歩踏み込んだ。


 竜爪剣を横に振る。


 ザンッ!


【360P獲得】


 ロックイールが橋の上へ落ちた。


「……あっさりだね」


 フェリシアが笑う。


「うん。びっくりしたけどね」


「アレン、全然驚いてなかったじゃん!」


 ルナが言った。


「《魔力感知》で分かってたからね」


「そっか!」


 俺はロックイールを《収納》に入れた。


 これで五階層か。


 思っていたより順調だな。


 ◇


 六階層では、シーリザードが三体現れた。


 青緑色の鱗を持つ、大きなトカゲ型の魔物だ。


 鋭い爪を立てて、岩場を走ってくる。


「じゃあ、私たちで倒そうか」


 フェリシアが言った。


「うん!」


 ルナが頷く。


 一体目はルナの矢が頭部を射抜いた。


 二体目にはフェリシアの《魔弾》が命中する。


 三体目は大きく跳び上がったものの、着地する前にフェリシアの二発目が直撃した。


 あっという間だった。


「終わったよ!」


 ルナが振り返る。


「ありがとう。二人とも強いね」


 俺が言うと、フェリシアが笑った。


「アレンに言われてもね」


「そう?」


「そうだよ!」


 ルナまで笑い出した。


 まあ、確かにそうかもしれない。


 ◇


 七階層では、三体のハープーンフィッシュが現れた。


 細長い身体に、槍のように鋭く伸びた口先。


 水場から勢いよく飛び出し、そのまま獲物に突き刺さるように攻撃してくる魔物だ。


「三体いるね」


 フェリシアが杖を構える。


「じゃあ、一人一体ずつにしようか」


 俺が言うと、ルナが笑った。


「いいね!」


 ハープーンフィッシュが一斉に飛び出した。


 シュッ!


 ルナの矢が一体目を射抜く。


「《魔弾》!」


 フェリシアが二体目を撃ち落とした。


 残る一体は俺へ向かってきた。


 鋭い口先が迫る。


 でも、俺の方が速い。


 身体を横へずらし、すれ違いざまに竜爪剣を振り抜いた。


【380P獲得】


 三体とも地面に倒れた。


「終わり!」


 ルナが嬉しそうに言った。


「うん。楽勝だったね」


 フェリシアも頷く。


 俺は三体を《収納》した。


 魔物の種類は増えてきたけど、戦闘に時間はかかっていない。


 この調子なら、十階層まで一気に進めそうだ。


 ◇


 八階層。


 シェルタートルが二体現れた。


 一体は俺が倒し、もう一体はルナとフェリシアが協力して仕留めた。


【280P獲得】


 九階層では、再びロックイールが現れた。


 今度は浅い水溜まりから飛び出してきたけど、俺が竜爪剣で斬り倒す。


【360P獲得】


 倒した魔物は、すべて《収納》へ入れた。


「結構いろんな魔物がいたね!」


 ルナが楽しそうに言った。


「そうだね。でも、もう九階層まで来ちゃった」


 フェリシアが下へ続く階段を見つめる。


「早かったね」


 俺も頷いた。


 ここまで、ほとんど苦労していない。


 それに、三人ともまだ元気だ。


「じゃあ、十階層へ行こうか」


「うん!」


 ◇


 十階層。


 階段を下りると、これまでよりも広い洞窟が現れた。


 天井は高く、奥には大きな水場が広がっている。


 岩壁には青白い鉱物が埋まっていて、薄暗い洞窟を照らしていた。


「……広いね」


 ルナが辺りを見回した。


「階層主がいるのかな?」


 フェリシアが言う。


 俺は《魔力感知》を使った。


「……いるね」


「本当?」


「うん。水の中に大きな反応がある」


 そのときだった。


 ゴボゴボゴボ……。


 水面が大きく揺れ始めた。


 何か巨大なものが、水の下で動いている。


「来るよ!」


 俺が声をかけた直後。


 ザバァァッ!


 水面から巨大な魔物が姿を現した。


「……うわあ!」


 ルナが見上げる。


 長い首。


 太い胴体。


 全身を覆う青黒い鱗。


 巨大な海蛇のような魔物だった。


 水面から出ている部分だけでも、かなりの大きさがある。


 全長は十メートルを超えていそうだ。


 俺は《鑑定》を使った。


「《鑑定》」


【タイドサーペント】


【巨大な水棲魔物。強靭な鱗と尾を持つ】


【尾による打撃と高圧の水流で攻撃する】


「尾と水流で攻撃してくるみたいだよ」


「分かった!」


 ルナが弓を構えた。


 俺も竜爪剣を抜いた。


 ◇


「グオオオオッ!」


 タイドサーペントが咆哮した。


 そして、巨大な尾を水面から振り上げる。


「ルナ!」


「うん!」


 尾が勢いよく横へ振られた。


 ブオンッ!


 近くの岩にぶつかり、大きな亀裂が入る。


 すごい威力だ。


 普通の冒険者なら、まともに受ければ大怪我をするだろう。


 その尾が、ルナへ向かってきた。


「よっと!」


 ルナは身体を少し横へ向け、空いた手で尾を受け止めた。


 ドンッ!


「……あれ?」


 ルナが首を傾げる。


 巨大な尾は、それ以上動かなかった。


「思ったより軽いね?」


 ……いや、軽くはないと思うけど。


 ルナは尾をぐっと押し返した。


「えいっ!」


 タイドサーペントの身体が大きく揺れた。


「グオッ!?」


 魔物が驚いたように頭を振る。


「ルナ、大丈夫?」


 フェリシアが聞いた。


「うん! 全然平気!」


 ルナは笑っている。


 すると、タイドサーペントがフェリシアへ向き直った。


 大きく口を開ける。


「……あ」


 俺が声をかけようとした瞬間。


 ゴオオッ!


 口から激しい水流が放たれた。


 フェリシアは片腕を上げて顔を庇い、そのまま水流を受け止める。


 バシャアッ!


 水が岩場に飛び散った。


「フェリシア!」


「……大丈夫」


 水流が収まる。


 フェリシアはその場に立ったままだった。


 怪我をした様子もない。


 ただし……。


「服が濡れちゃった……」


 フェリシアが困った顔をしていた。


「大丈夫?」


「うん。痛くもないよ。でも、ちょっと気持ち悪い……」


「それは嫌だね」


 ルナが苦笑する。


「もう。あとで着替えないと」


 フェリシアが濡れた髪を払った。


 階層主の攻撃なのに、気にしているのは服が濡れたことだけか。


「グルルルル……!」


 タイドサーペントが俺を見た。


 どうやら、今度はこっちへ来るらしい。


「アレン!」


「うん。大丈夫だよ」


 タイドサーペントが大きく口を開けた。


 そして、そのまま突っ込んでくる。


 巨大な頭部が迫る。


 俺は竜爪剣を持ったまま、空いた手を前へ出した。


 ドンッ!


 頭部を片手で受け止める。


「グオッ!?」


 タイドサーペントの動きが止まった。


 大きな身体が、まだ前へ進もうとしている。


 でも、俺はほとんど動かされなかった。


「……うん」


 これくらいなら問題ないな。


「アレン、すごい!」


 ルナが笑った。


「やっぱりアレンは私たちより強いね」


 フェリシアも感心している。


「そうかな?」


「そうだよ!」


 ルナが頷く。


 俺はタイドサーペントの頭を押し返した。


 巨大な身体が水場の方へ後退する。


 タイドサーペントは驚いたように首を振った。


 フェリシアが杖を構える。


「《魔弾》!」


 ドンッ!


 強力な魔弾がタイドサーペントの胴体に命中した。


 硬い鱗が砕け、巨大な身体が大きく揺れる。


「グオオッ!」


「ルナ!」


「うん!」


 ルナが弓を引いた。


 放たれた矢が、鱗の砕けた場所へ正確に突き刺さる。


「ギャアアッ!」


 タイドサーペントが身体をよじった。


 その隙に、俺は地面を蹴った。


 一気に距離を詰める。


 タイドサーペントが頭を振り下ろしてきた。


 でも、遅い。


 俺はその横をすり抜け、竜爪剣を振り上げた。


 ザンッ!


 刃が太い首を斬り抜く。


 タイドサーペントの動きが止まった。


 次の瞬間。


 ズズゥンッ!


 巨大な身体が岩場へ倒れた。


【階層主討伐を確認しました】


【3,000P獲得】


「……よし」


 俺は剣を下ろした。


「やった!」


 ルナが嬉しそうに駆け寄ってくる。


「階層主もあっさりだったね!」


「そうだね」


 フェリシアも杖を下ろした。


 以前は、十階層の階層主と戦うだけでも大変だった。


 でも、今はほとんど疲れてすらいない。


「ねえ、アレン」


「何?」


「この魔物も持って帰るの?」


 ルナが巨大なタイドサーペントを指差した。


「もちろん」


 こんなに大きな魔物なら、素材も高く売れそうだ。


 俺は身体に手を触れた。


「《収納》」


 タイドサーペントが消えた。


 よし。


 これで十階層の階層主も討伐できた。


 ◇


 ゴゴゴゴゴ……。


「……あっ!」


 ルナが広間の奥を見た。


 何もなかった石壁が、ゆっくりと左右へ動いている。


「あれ!」


「うん。前にも見たね」


 フェリシアが笑った。


 壁の奥に、小さな部屋が現れた。


 中央には、青白く光る大きな石が置かれている。


「転移石だ!」


 ルナが嬉しそうに言った。


「やっぱり、ここにもあるんだね」


 俺たちは小部屋へ入った。


 俺が転移石へ触れる。


 青白い光が強くなり、やがて元に戻った。


 続いてフェリシア。


 そしてルナも触れる。


「これで登録できたかな?」


 ルナが聞いた。


「うん。前と同じなら、次から一階層と十階層を直接行き来できるはずだよ」


「便利だね!」


「本当だね」


 フェリシアが頷く。


 これで帰りも楽になる。


 十階層まで歩いて戻る必要がないのはありがたい。


 ◇


「さて……」


 俺は二人を見た。


「どうしようか?」


「戻る?」


 服を着替えたフェリシアが聞く。


「それとも、もう少し進んでみる?」


 ルナが即答した。


「私はまだ行けるよ!」


「私も大丈夫」


 フェリシアが頷く。


「アレンは?」


「俺もまだまだ余裕があるよ」


 十階層まで来たけど、思っていたほど時間はかかっていない。


 魔物もたくさん倒したけど、ほとんど苦労しなかった。


 それに、三人とも疲れていない。


 テリーだって元気いっぱいだ。


「ワフ!」


「キュ!」


 ステフも翼をぱたぱたと動かした。


「でも、ここから先は魔物も強くなるんだよね?」


 ルナが聞く。


「そうだと思う」


「じゃあ、もっと面白くなりそう!」


 ルナが目を輝かせた。


 フェリシアも笑う。


「じゃあ、もう少し進んでみようか」


「うん」


 俺も頷いた。


「せっかく来たんだしね」


「やった!」


 ルナが嬉しそうに声を上げる。


 俺たちは小部屋を出た。


 広間の反対側には、さらに下へ続く階段がある。


 十一階層。


 ここから先には、どんな魔物がいるんだろう。


「じゃあ、行こうか」


「うん!」


 俺たちは階段へ向かった。


 まだまだ、冒険は続きそうだ。


【保有:101,060P】

【累計獲得P:558,270P】


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― 新着の感想 ―
女2人は一旦付与と共有を切って実力を確認すべきだよね ルナはもともと単独でBランクだからましだけどフェリシアは本当の実力を知るべきだよね 人の力を自分の実力と完全に勘違いしてる最悪の寄生虫と化してるか…
私たちよりも強いね、と聞かれて「そうかな?」はちょっと... やっぱりアレンもだけどフェリシアは特に動きは相応のランクの動きは出来なさそうで怖いですね いやもしかしたら相手が雑魚だと理解した上でこのく…
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