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《剣聖》になった弟に追放された俺のスキルは《会員》でした ~ハズレスキルだと思っていたら、ポイントで好きな能力を買えるらしい~  作者: アカメノコバチ
第2章 ダンジョンへ行こう

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13/211

第13話 さらに下へ

 翌朝、俺とフェリシアは再び冒険者ギルドへ来ていた。


 今日は西部ダンジョンの三階を本格的に探索するつもりだ。


 依頼掲示板を見ると、ちょうどいい依頼が残っていた。


【ストーンリザードの鱗 三枚納品】


【対象:ベルガント西部ダンジョン第三階層】


【報酬:18,000ジェニー】


「これにしません?」


「前に倒した相手ですし、いいと思います」


 依頼書を受付へ持っていく。


「三階のストーンリザードですね」


「はい」


「先日も三階まで行かれたんですよね?」


「一体倒して、すぐ戻りました」


「それでしたら問題ありません。ただし、無理はしないでくださいね」


「分かりました」


 手続きを済ませ、ギルドを出た。


 今日は新しく買った鋼鉄剣を腰に下げている。


 回復薬やロープも持った。


 フェリシアも革の胸当てと腕当てを身につけている。


「今日は荷物が多いですね」


「帰りはもっと重くなるといいですね」


「素材で?」


「もちろんです」


「それなら大歓迎です」


 ◇


 西部ダンジョンへ入り、一階を進む。


 前回は周囲を確認しながら慎重に歩いたが、道筋はある程度覚えている。


 途中で四体のケイブバットに遭遇した。


「《魔弾》!」


 一体が床へ落ちる。


 俺が仕留め、そのまま次へ向かう。


 フェリシアが翼を狙い、俺がとどめを刺す。


 四体を倒すのに、それほど時間はかからなかった。


【20P獲得】


【累計獲得P:2,350P】


【保有:240P】


 四体分の小型魔石を回収する。


「前より早かったですね」


「動きも分かってますからね」


 二階も大きな問題なく通過した。


 ケイブラットとは遭遇せず、そのまま三階へ続く階段に着く。


「ここからですね」


「行きましょう」


 階段を下りた。


 ◇


 三階。


 前に来たときと同じく、魔石灯の数は少ない。


 今日は前回より奥まで進む。


 しばらく歩いたところで、フェリシアが天井を指した。


「います」


 岩に紛れるように、一体のストーンリザードが張りついていた。


「脚からいきます」


「お願いします」


 フェリシアが杖を向ける。


「《魔弾》!」


 光弾が前脚へ入った。


 ストーンリザードがこちらに気づき、壁を走る。


「《魔弾》!」


 二発目も同じ脚だ。


 体勢がわずかに崩れる。


 俺は壁から落ちてくる位置へ先回りした。


「ギャッ!」


 地面へ着地したところへ踏み込む。


 前回は首の鱗に剣を弾かれた。


 今度は最初から脚の付け根を狙う。


「はっ!」


 ザシュッ!


「ギャアッ!」


 鱗の隙間へ刃が深く入った。


 ストーンリザードが身体をひねる。


 剣を抜いて腹側へ回り込んだ。


「《魔弾》!」


 フェリシアの一発が顔へ当たる。


 動きが止まったところで、腹へ剣を突き刺した。


「ギャアアッ!」


 巨体が崩れる。


【120P獲得】


【累計獲得P:2,470P】


【保有:360P】


「やっぱり、この剣いいですね」


 刃を見る。


 前に使っていた剣より、明らかに通りがいい。


「十万ジェニー近くしましたからね」


「その話をされると大事に使いたくなります」


「魔物を斬るために買ったんですよ?」


「そうなんですけど」


 ストーンリザードから魔石と鱗を回収する。


 依頼に必要な鱗は、あと二枚だ。


 ◇


 さらに奥へ進む。


 三階は一階や二階より通路が複雑だった。


 行き止まりもあり、同じような岩壁が続いている。


 しばらく探索していると、フェリシアが足を止めた。


「アレンさん」


「はい?」


「前に二体います」


 曲がり角から少しだけ顔を出す。


 ストーンリザードが二体いた。


 一体は地面に伏せ、もう一体は壁に張りついている。


「どうします?」


「同時に来られると面倒ですね」


 フェリシアが二体を見る。


「右は私が抑えます」


「大丈夫ですか?」


「一体に集中すれば、しばらく足止めできると思います」


「じゃあ、左をできるだけ早く倒します」


「お願いします」


 剣を抜く。


 フェリシアも杖を構えた。


「行きます」


 飛び出す。


 二体のストーンリザードが同時にこちらを向いた。


「ギャッ!」


「ギャアッ!」


 地面にいた一体が俺へ走る。


 もう一体は壁を蹴った。


「《魔弾》!」


 フェリシアの攻撃が右の一体の顔へ入る。


 俺は左へ向かった。


 ストーンリザードが爪を振る。


 かわして横へ回り、脚の付け根を斬った。


「ギャアッ!」


 太い尻尾が横から来る。


 しゃがんでかわす。


「アレンさん、こっちは大丈夫です!」


 右のストーンリザードが壁を走ろうとするたび、フェリシアの《魔弾》が脚や顔へ飛んでいる。


 俺は目の前の一体へ踏み込んだ。


 ストーンリザードが突っ込んでくる。


 半歩ずれ、その懐へ入る。


 腹へ剣を突き上げた。


「ギャアッ!」


 さらに刃を深く押し込む。


 巨体が崩れた。


【120P獲得】


【累計獲得P:2,590P】


【保有:480P】


 すぐに振り向く。


「フェリシアさん!」


「こっちです!」


 もう一体がフェリシアへ向かっていた。


「《魔弾》!」


 前脚へ入る。


 さらにもう一発。


「《魔弾》!」


 同じ場所へ命中した。


 ストーンリザードの脚が崩れる。


「お願いします!」


 地面を蹴った。


 フェリシアとの間へ入り、剣を振り下ろす。


 一撃。


 続けてもう一撃。


 最後に腹へ剣を突き刺した。


【120P獲得】


【累計獲得P:2,710P】


【保有:600P】


「ふう……」


 フェリシアが息を吐いた。


「大丈夫でした?」


「はい。でも二体だと忙しいですね」


「一体抑えてもらえて助かりました」


「攻撃より、動きを止める方に集中しましたから」


 三体分の魔石と鱗を袋へ入れる。


 これで依頼の条件は達成した。


 売れそうな鱗は余分に持っていく。


「結構重くなりましたね」


「まだ全然大丈夫です」


「アレンさんに聞く必要なかったですね」


 再び歩き始めた。


 ◇


 しばらく進むと、少し広い場所へ出た。


「ここ、地面が違いますね」


 フェリシアが足元を見る。


 岩ばかりだった場所に、細かな土が混じっていた。


 俺も足元を見る。


「穴がありますね」


 小さな穴がいくつも空いている。


 そのとき、足元からかすかな振動が伝わってきた。


「……何かいる」


「え?」


 ドンッ!


「うわっ!」


 すぐ横の地面が弾けた。


 黒い塊が飛び出してくる。


 とっさに後ろへ跳んだ。


 鋭い爪が目の前を通る。


「何ですか、あれ!?」


 地面へ着地したのは、大型犬ほどの大きさがあるモグラのような魔物だった。


 前脚には長く太い爪が生えている。


「ロックモールです! 地面に潜る魔物です!」


 ロックモールが再び土へ潜った。


「見えない……」


 剣を構える。


 どこから来る?


「アレンさん、右!」


 フェリシアが叫んだ。


 右側の地面が盛り上がる。


 横へ動いた直後、ロックモールが飛び出した。


 爪をかわし、その胴へ剣を振る。


「ギィッ!」


 刃が入った。


 ストーンリザードほど硬くない。


「《魔弾》!」


 フェリシアの攻撃が背中へ入る。


 ロックモールが再び潜ろうとする。


「逃がさない!」


 潜りきる前に距離を詰め、剣を振り下ろした。


「ギィッ……!」


 ロックモールが動かなくなる。


【80P獲得】


【累計獲得P:2,790P】


【保有:680P】


「地面から来るのは厄介ですね」


「私も土が動かなかったら気づかなかったです」


 ロックモールから魔石を取り出す。


 大きな爪も売れそうなので、二本回収した。


「また重くなりましたね」


「高く売れるなら歓迎です」


 ◇


 さらに進むと、下へ続く階段が見つかった。


 その手前にはギルドが設置したらしい木の札が立っている。


【第四階層】


「ここですね」


 フェリシアが階段を見る。


 クロードに言われた言葉を思い出した。


 三階より下には行かない方がいい。


 ここから先だ。


「どうします?」


 荷物を確認する。


 回復薬はまだ使っていない。


 怪我もない。


 時間にも余裕がある。


「少しだけ見てみませんか?」


「少しだけですよ」


「危なそうなら戻ります」


「それなら行きましょう」


 階段を下りた。


 ◇


 四階へ入って最初に感じたのは、暗さだった。


 三階より魔石灯が少ない。


 少し先までしか見えない。


「ランタン、出しますね」


 フェリシアが昨日買ったランタンに火を入れた。


 周囲が明るくなる。


 通路自体は三階より広い。


 壁には大きな傷がいくつも残っていた。


「これ……」


 フェリシアが立ち止まる。


 少し先に魔物が倒れていた。


 近づく。


「ストーンリザード?」


「ですよね」


 三階で何度も倒した魔物だ。


 背中の硬い鱗が大きく裂かれ、腹にも深い傷がある。


「何かにやられたんでしょうね」


「かなり大きな爪ですね」


 岩壁にも似た傷が残っている。


「今日は本当に入口だけにした方がよさそうですね」


「そうですね」


 そう答えた直後だった。


 暗闇の奥から低い唸り声が聞こえた。


「グルルル……」


「何かいます」


 ランタンの光の先に、二つの目が浮かぶ。


 ゆっくりと姿を現した。


 狼型の魔物だ。


 ただ、これまで戦ってきたグレイウルフより一回り大きい。


 全身の毛が黒い金属のように光っている。


「アイアンウルフです!」


「強いですか?」


「グレイウルフとは全然違います!」


「グルアッ!」


 言い終わる前に飛び出した。


「速っ!」


 横へかわす。


 爪が服のすぐ横を通った。


 反転も速い。


 すぐにこちらへ飛びかかってくる。


 剣を振る。


 ガッ!


「っ!」


 刃が毛皮を滑った。


「硬い!」


「《魔弾》!」


 フェリシアの攻撃が胴へ当たる。


 だが、アイアンウルフはほとんど止まらない。


「同じ場所を狙えますか!」


「やります!」


 アイアンウルフが俺へ飛びかかる。


 かわして剣を振る。


 また毛皮で滑った。


「《魔弾》!」


 一発。


「《魔弾》!」


 二発目。


 肩へ入る。


「もう一度!」


「《魔弾》!」


 三発目も同じ場所へ命中した。


 金属のような毛が乱れる。


「そこ!」


 踏み込む。


 同じ肩へ剣を叩き込んだ。


 ザクッ!


 今度は入った。


「グルアアッ!」


 アイアンウルフが暴れる。


 前脚が飛んでくる。


 身体をひねってかわし、さらに斬る。


「フェリシアさん!」


「はい!」


「《魔弾》!」


 四発目が傷口へ入った。


 アイアンウルフが大きくよろめく。


 首元が開いた。


「はあっ!」


 鋼鉄剣を振り抜く。


「ギャウッ!」


 アイアンウルフが地面へ倒れた。


 しばらく待つ。


 動かない。


【200P獲得】


【累計獲得P:2,990P】


【保有:880P】


「二百……」


「ストーンリザードより多いんですか?」


「かなり」


 四階へ入って最初に遭遇した一体でこれだ。


「戻りましょうか」


 フェリシアが言った。


「そうですね」


 魔石を取り出し、毛皮も持ち帰れる範囲で回収した。


 今日はここまでだ。


 ◇


 夕方、ベルガントへ戻った。


 ギルドの受付にストーンリザードの鱗を出す。


「三枚確認しました。依頼達成です」


「ありがとうございます」


 依頼報酬は一万八千ジェニー。


 そのあと、今日集めた素材も査定してもらった。


 ケイブバットの小型魔石が四個。


 三体分のストーンリザードの魔石と鱗。


 ロックモールの魔石と爪。


 そしてアイアンウルフの魔石と毛皮。


 受付嬢が計算を終える。


「素材の買取は、全部で八万六千ジェニーになります」


「八万六千……」


 フェリシアが目を丸くする。


「アイアンウルフの素材が高いんです。毛皮も状態がいいですね」


 依頼報酬と合わせれば、十万四千ジェニー。


 二人で分けても、一人五万二千ジェニーになる。


「昨日買った剣の半分以上が戻ってきた……」


 思わず呟いた。


「一日でですよ」


 フェリシアも自分の取り分を見る。


「四階って、本当に稼げるんですね」


「危険なのも分かりましたけどね」


 そのとき、視界に表示が現れた。


【依頼達成を確認しました】


【100P獲得】


【累計獲得P:3,090P】


【保有:980P】


「九百八十……」


「Pですか?」


「はい。かなり増えました」


「次も四階へ行きます?」


「その前に、アイアンウルフのことを少し調べましょう」


「賛成です」


 知らない魔物が他にもいるかもしれない。


 次に入る前に、四階の情報は集めておいた方がいい。


 ◇


 その夜、宿で《会員》を開いた。


【保有:980P】


【基礎能力】


【筋力:352】


【耐久:343】


【敏捷:393】


【魔力:18】


 筋力、耐久、敏捷をそれぞれ六回ずつ強化する。


【筋力強化(中)を6回購入しました】


【筋力:352 → 532】


【耐久強化(中)を6回購入しました】


【耐久:343 → 523】


【敏捷強化(中)を6回購入しました】


【敏捷:393 → 573】


【900Pを使用しました】


【保有:80P】


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 明日は、この身体を少し動かしてから四階について調べてみよう。


 累計獲得P=3,090P



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脳筋
次の朝、相棒は階段からすっ飛んでしまいそうな強化率w
2人の口調が似すぎてて、どっちが話しだしたのか分からないですね。
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