第38章:最後の大会
この物語も大詰めを迎えます。応援よろしく
放課後の宝梅中グラウンド。
夕日がゴールネットを赤く染めていた。
「シュート、今日のメニュー、また増えてない?」
しっちゃんが手元のノートを見ながら言う。
「全国で勝つには、これくらい普通だろ」
「……お前の“普通”は普通じゃないんだよ」
部員たちは笑いながらも、その背中を追いかけて走る。
「キャプテン、もう一本いきます!」
「よし、来い!」
宝梅中は、去年より明らかに強くなっていた。
彼らの最後のサッカーへの戦いが始まる。
市内大会
初戦から宝梅中は圧倒的だった。
しっちゃんの戦術がハマり、シュートの得点で試合が決まる。
難なく決勝へと駒を進めた。
決勝戦。
相手は去年も戦った強豪・宝高第一中。
「去年は苦戦してシュートの個人技で勝った。でも今年は違う」
しっちゃんが静かに言う。
「今年は“勝つべくして勝つ”チームだ」
試合は終始宝梅ペース。
後半、シュートがミドルを叩き込む。2年生からのパスを
しっちゃんが決めた。
宝梅中、市内大会連覇。
阪神大会
阪神地区はレベルが高い。
宝塚・西宮・尼崎・伊丹・川西・三田。
去年はギリギリで勝ち上がった大会だ。
決勝の相手は強豪・西宮第一。
去年はPK戦までもつれた相手だ。
今年は2−0で完勝。宝梅中、阪神大会優勝。
県大会
宝梅中は“前年の県王者”として注目を浴びていた。
シュートという絶対的エース。
しっちゃんという戦術参謀
成長著しい選手が多い完成度の高いチーム
「宝梅は今年、全国で勝つためのチームだ」
と新聞に書かれるほどだった。
宝梅中は順当に決勝戦まで勝ち上がった。
相手は強豪・尼崎第一。
去年は延長戦までもつれた相手だ。
相手は徹底的にシュートをマークしてくる。
しかし、トータルサッカーを常時扱える体力を
つけた、宝梅中には敵ではなかった。
中盤からポジションチェンジ
を酷使してしっちゃんが2得点を挙げ完勝。
宝梅中、県大会優勝。
シュートとしっちゃんは全国大会のトーナメント表を
二人で覗き込んでいた。
去年、一回戦で当たった清水東は今回はブロックが異なり
決勝まで進まないと当たらないことになっていた。
代わりに、昨年優勝の青森北中学が同一ブロックに入っており
準々決勝からシードで入ってくる。
「シュートのライバル長谷川とは決勝まで当たらないなぁ」
「青森北がいちばんの山だな」
とシュートが答えた。
「今からモチベーション上がるぜ」
しっちゃんはシュートの肩を叩きながら叫んだ。
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