第一艦橋大破
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-フォクスター-
「射撃管制、修正急げ!」
「目標の後方より2艦急加速!巡洋艦エステールとミーティア、損傷は見受けられません!!」
「誤差修正、エネルギー充填完了!」
「副砲第四射、撃て!!」
「エステールとミーティア、対空機関砲射程距離まであと30秒!!」
行き交う情報と命令の狭間で、クラウスが小さく微笑んだ。
「逃げる気なし、か。突っ込んでくるとはな。さすがはジョーカーの鍛えた部隊だ」
「ジョーカー・クロウ……艦長の同期でしたな」
クラウスは頷いた。
「あの翔龍姫からは奴の臭いがする。……まさかとは思うが」
クラウスの思考を邪魔するように、警戒警報が耳を打つ。
「敵巡洋艦2、主砲発射しました!!」
「対光フィールド展開!急ぎ応射、これは威嚇ではない、墜とせ!!」
射程距離ぎりぎりで放たれた主砲のエネルギーの束は、フォクスター内に轟音を響かせるものの、フィールドに阻まれ漆黒に蒼いスパークを発して霧散した。
「主砲、撃ぇ!!」
全9門、連邦の誇る荷電粒子の主砲が號と吠えた。打撃戦開始の轟砲のように。
-翔龍姫-
頭上を巨大なエネルギーの束が駆け抜けた。
連邦軍巡洋艦の荷電粒子砲。防衛のみを考えたフェストの物とは格が違う。後方で加速するエステールとミーティアを掠めた。掠めただけで、ミーティアの左舷より炎が上がる。
「くそ、なんて威力だよ!」
銀河系を制した武力、伊達ではない。
……早くカタを付けないとヤバい!
「主砲用意!艦橋狙えるか!?」
「計測します」
精密射撃は演算装置が命だ。この高機動中、どれだけ安定して標的へのブレを予測できるか……。
「行けます。5秒でロックオン……どうぞ」
……こっちも伊達じゃぁないらしい。
「京子、撃て!」
翔龍姫の船首より光の束が放たれた。
-フォクスター-
頭上より轟音。イナーシャルキャンセラーの能力を大幅に上回る衝撃が艦内をかき回す。ディスプレイ上に警報が点滅した。
「翔龍姫からの主砲、直撃です!第1艦橋大破!!」
この直上だ。さすがのクラウスも顔色を変えた。
「大破だと!?対光フィールドはどうした!」
「それが……中和されました……」
「中和されただと……」
しかし、クラウスは即座に命令を飛ばした。
「原因は!?」
「兵器の種別、判別不能!ただ、大破した第一艦橋周辺に反物質の反応が残留しています!!」
クラウスの脳裏に閃く物があった。
あれは確か……
「反中間子」
オペレーターのハンプトンが思わず振り向いた。
「艦長それは……」
それこそ伝説級の兵器だ。
「有り得ない、か?しかし、奴はフェストの遺産だぞ」
ハンプトンは喉を鳴らした。
「そうとなれば、多少は対策が練れます。フィールド配列変更します!ただし、有効範囲40%減!!」
「よし、弾幕を厚くしろ!翔龍姫を近付けるな!!」




