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砲雷撃戦

     3

   -フォクスタ-

 「ウルフ・リーダーのマッコイ大尉より暗号入電!」

 ……時間通りか。

 ヨハン・クラウスは通信士のヘンリー少尉の報告に、胸ポケットの懐中時計を取り出しほくそ笑む。

 「解析結果は?」

 「ワレ、動力炉ヲ占拠ス。繰り返します。ワレ、動力炉ヲ占拠ス」

 「フォードくん、現在位置は?」

 航宙士のフォード中尉は即座にディスプレイに投影。

 「目標宙域まであと10分です!」

 ふむ、と副長のロックハートが息を吐く。

 「艦長……射程距離、ですな」

 クラウスは軽く頷いき、眉を寄せた。

 「コーツくんの所在が不明だが……」

 最前線の海兵隊だ、予定通りの報告がなければ生存の可能性は……。

 「よし、いいだろう、そろそろ頃合だ。ロックハートくん、任せた。行くぞ」

 身を正したロックハート。型通りの敬礼を放つと、艦内伝声管を掴んで高らかに宣を放った。

 「フォクスター全艦に告げる!これより本艦は砲雷撃戦に入る!各員所定の持ち場にて行動せよ!!」

 伝声管を戻すと同時、開戦のベルが艦内に轟いた。

 「第一戦闘配備へ移行!!」

 ロックハートの命令一下、ディスプレイが一斉に『CLOSE』の表示を流し、ブラックアウト。ブリッジ全体が下へ移動した。

 戦闘艦橋、宇宙軍の誇る多重装甲板で厚く固めたコアブロックだ。

 理論上、恒星の中心核の高圧にも耐え得る構造である。物理的には完全に遮断されながらも、全ての戦闘情報がダイレクトにリンクし、どの部署よりも最後まで戦闘行為を続け得るという……つまり、本気ということだ。

 下降が止まり、床下で大きく機械音がする。

 「基底部ロック確認!」

 深淵たる闇に、一点赤い点滅が。直後一斉に光が灯り、ディスプレイに『READY』が表示された。

 「システム移行完了!」

 「独立イナーシャル・キャンセラー作動確認!」

 ディスプレイに『Green』が表示。ロックハートの口許に、笑みで深い皺が寄る。

 「主砲1番2番3番、安全装置解除、標的に合わせ!」

 「アイアイ・サー!!」

 主砲にエネルギーが充填された。

 「目標合わせ、X05、Y03、Z12、誤差推定0.04%!」

 「主砲、一斉射!!」

 漆黒の宇宙に、9条もの凶暴な光芒が一直線に闇を疾り抜けた。

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