表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/75

過酷な稼業

     2

  -カタパルト破孔-

 「海兵隊はぁ、過酷な稼業とぉきたも~んだ!」

 FF-25ライナーの隊長機、ウルフ・リーダーのジョージ・マッコイ大尉は跳ね上がる心拍とは裏腹に、妙な節で口ずさむ。

 第2波により破壊された、迎撃機用カタパルト。その僅かな侵入口に向けて、ライナーは加速した。

 「ウルフ中隊、遅れんじゃねぇぞ!」

 「大尉、減速して下さい!!」

 後席のナビゲーター、ケン・アリエス少尉が悲鳴を上げる。

 防宙システムの大半を叩いたと言っても、最接近時の迎撃砲火はハリネズミその物だ。キャノピーを掠るように疾る光芒は脅威である。

 「馬鹿やろー、速度落としゃぁ砲火の餌食だろうが!!」

 その後方で閃光が上がる。

 「8番機直撃!」

 「くそ!」

 尚更速度は落とせない。しかし、破口は針の穴のようだ。

 「破口まであと10秒!大尉、減速を!!」

 「ざけんじゃねぇ、腹ぁ括れ!」

 ダイモスの岩肌が急接近。

 「うわぁぁぁ!」

 アリエス悲鳴を背中に、マッコイは無理に笑う。

 「っせい!!」

 直前で急制動を掛けたライナーが、破口で主翼を削って突入した。



 「し、死ぬかと思った……」

 停止した機体の中で、アリエスは大きく息を吐く。

 ライナーの主翼はもがれ、ランディング・ギアは折れ、壁面まであと数センチ。よくぞ停止したものだ。

 「アリエスよぉ、ぐずぐずすんなよ」

 キャノピーを爆破排除、マッコイはヘルメットを投げ捨てた。

 「これからが海兵の腕の見せ所だぜ」

 シート脇に固定されたライフルとライトニング・ブレードを装備し、機体より飛び下りた。

 侵入に成功した機体が、白煙上げて多数擱坐していた。

 その中より、口髭を蓄えた男が近寄った。ファルコン・リーダーのコーツ大尉だ。

 「よぉコーツ、怪我ねぇか」

 「そんなヘマはせんよ」

 装備を整えて降りて来たアリエスがコーツに敬礼。コーツもそれに応えた。

 「お互い機体壊しちまうとは情けねぇな」

 すると、コーツの隣りに若い少尉が駆け寄った。

 「ファルコン中隊、準備完了しました!」

 一つ頷くコーツ。

 マッコイは軽く手を振ると、背後へ振り返る。そこに部下達、ウルフ中隊の精鋭が整列していた。

 「よぉし、ウルフ中隊、意地みせるぞ!」


  -第2連絡通路-

 銃声が耳朶を衝く。

 港までを繋ぐ連絡通路で、習性からコールとクリスティーナは行き足を止めた。

 「もう来たか!?」

 コールがクリスティーナへ目配せ。彼女は意識を空に飛ばす。

 「大丈夫だ。まだ格納庫跡地で食い止めてる」

 重苦しい雰囲気と相反し、クリスティーナの字は『疾風』。風の守護神を持つ。この大気が、彼女に情報をもたらした。

 「エステールまでは、その格納庫を通過するんだがな」

 すると、クリスティーナは目を細くしてコールを見やる。

 「戦闘を恐れているのか?」

 コールは苦笑した。

 「いや。連邦の兵士が哀れなだけだ」

 しかし、不意にクリスティーナが表情を歪めた。

 「そんなことばかり言っていられない……」

 コールが眉を顰めた。

 「今、先鋒の騎士達が全滅した」

 舌打ち一つ、身を翻す。

 「クリス、急ぐぞ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ