車を買う時……男の目にはパートナーが、閻魔に見える
自信も無くなって、怖い話は聞きたくない一心で、おどおどと不安な表情を浮かべていると――こちらの様子を捉えて察してくれたトキノが、説明してくれた。
「サぁイぃト ハぁウンド~おぉ……視覚猟犬だよ! 何千年も前に、トゥアレグ族が生み出した犬種! ほら?! 前にぱぱ! アルパゴンに言われて車選んでたでしょ? 4WDのジープみたいな外見の! フォルクス・ワーゲンの車にあったじゃない! トゥアレグって!」
言われてみれば、微かに思い出す記憶。
纏まった金が入ったから、マンションを買うついでに……車も買おうかと、何日か雑誌と睨めっこした事も……あったっけか?。
「その車の名前になった、青い衣の民って部族の! 「……ナウシカ?」わんちゃんだよ! ぱぱ、ままと……こういう車で、デートしたいって言ってたじゃない!」
漸く、鮮明に思い出した その時の記憶。
確かあの時、ネルに買って良いかどうかを、お伺いを立てたら……鼻で笑われた様な気もする。
「傾斜角45度まで、登れて? 水深50センチまで浸水しないの? ……ふ~ん、そう。それで? アンタは、そんな車を街乗り用に買って? アタシをどこに連れて行こうってのよ?」
ネルの声音と振る舞いを真似て再現すると、トキノは、先程のテンションを翳らせて、明らかに『しまった』……と言った表情をディスプレイに浮かべた。
「……う、うん。そ、その……トゥア……レグ」
「あ~あれか……あれは酷かった。でもまぁ、そのあと
『……で、でも、人もやって来ない様な屋外で、いちゃいちゃするってのも 悪くないかも知れないわね……。野生! って感じだわ。ターザンの表紙みたい。アンタ……今度ヤルわよ? 青k』」
「ストッ~~~プ! ストップ! ストップ! ストップぅ! ぱ、ぱぱぁ! む、娘の私に ままとの そんな話、聞かせないでっ!!?」
(お、おお? こりゃ失礼)




