義兄と街へ
猛牛を思わせる角が意匠された恐ろし気な鉄兜。
ショルダーに生やされた鋭利な物々しいスパイクが、ギラリと光る……そのいでたちに至った、冴えかえる考えについてを――愚鈍な義弟である 俺に教えてくれた。
「これならば……確実に一撃で、相手を屠れよう!」
キャプテンからのラグビーについて、説かれたにしては……一から十まで。なにからなにまで間違えてしまっていた義兄。
『闘諍を戯れに行うなどあってはならぬ』
と、説いた……先代族長ツォンカパに比すれば、そのスタンスには大きな違い。
義兄の この反応は、随分と柔軟な反応にも見えなくはない。
チュガ・プルカヌリからやって来た イミグラントたちが持ち込んだ音楽を耳にした時も、その反応は好意的であった様にも思える。
このことについてそれとなく話を振ってみると、義兄は突然、不機嫌を取り戻した様子で
「あんな年寄りと一緒にするな」
なんと言うのか……まるで自身の年齢については必死に、いつもお茶を濁そうとする……ネルのような空気と神経質さを垣間見せた。
* * *
ともあれ、学校に行こうと仰る訳だから義兄を必死になだめてすかして、キャプテンに見せるつもりで、おめかしして来た――特撮ものの、
悪役そのものな格好良すぎるアーマー 一式は陶片で写真に撮って戴くに留め、
なんだか釈然とできないと言った空気を漂わす義兄を連れて、学校へ。
(……こんなもん着て学校なんかに行かれたら……ガキんちょたちにロックダウン・ドリルまで、課さなきゃ いけなくなっちまうから)
『門』で街まで跳んで、学校までの道を歩いていると、寒さも和らいだせいか、街の様子も活況に満ちていた。
「魔神チンコ!」
……いやな呼び名で 呼び止めてくれたのは、かつての対戦相手。
ヴィルマにプロポーズした2人の片割れ。




