全然、理解できていなかった
「ツモイ、手習い小屋に行くぞ 付き合え」
朝も早くから、やって来たのは義兄ハリバドラ。
このところ、デシレアの巣に――行ったり 来たりするばかりの毎日だっただけに。お付き合いするのは吝かでは無い。……やぶさかではないの……だが?
「……義兄ちゃん? それ……どしたの?」
「ダイスケに教えて貰った」
俺の言葉に『良くぞ聞いてくれた!』とばかりに、なんだか嬉しそうに答える義兄。ダイスケ? あぁ……キャプテンの名前か。けれども俺が尋ねた事柄については、全くかすりもしない。
「ダイスケが教えてくれた、らぐびぃ……か、実にイイ」(おお? べた褒めですやん)
朝から珍しいこともあるものだと――義兄の機嫌が良いと言うことは、俺としても平和を満喫できる訳であるから、有難いことではあるけれども。
此処まできても、未だ質問の答えには まるで辿り着いてはくれない。
* * *
「う、うん……それは良かったよ 義兄ちゃん。それで……その格好は?」
「……これか? これはな」
珍しく勿体に 勿体をつけて、鼻を鳴らして 漸く――説明する気配を見せてくれた義理の兄。
「もののぐが、らぐびぃで、振るえれば……と、ダイスケに こぼしたらだな」(うんうん)
「この様な……具足を纏って、相争う……『あめふと』となるモノもあるのだと、あいつは教えてくれた」
(う、うん……なんとなく、なんとなく分かるよ? それで それで??)
――しかし未だ遠い、その答え。
俺が、まだか まだかと義兄の……その格好についての説明を待って、相槌を打っていると
「どうやら……らぐびぃ では手に もののぐを持つ訳にいかんらしいのでな。これならば……と思い造らせた」
小脇に抱えたアメフトのヘルメットの名残りを残す 黒い3連星みたいな刺々しいスタッドと、両サイドに雄々しく生やされた――、




