きみは相変わらずの おしゃまさん
――とは言われても
一応の所有者は、俺と言う事になってはいるもの……お伺いを立てるべきは、まずは彼女。コアラの様に俺にしがみついて、お菓子の香りを振り撒く、ふにふに♡ とした ほっぺを くっつける義妹様。
顔をまじまじと覗き込んでいると、突然顔を赤らめて……なぜか目を伏せて?
「……なんだか、おにーちゃんから……子供の進路について相談されてるみたいかも『どうしようか……かぁさん』みたいな」
(うん。そうだねー)
おしゃまさんな君が、そんな風に照れる お顔もまぁね? 可愛いですけれども。
(とりあえずですよ? ……どーしようか)
「……う~ん。正直ね? わたしには まるで思い浮かばなかった発想ではあるの」
感心する様に口にして、小さな唇に指をあてる彼女。
「騎体の凹凸を生かして、壁画として絵を仕上げてみたいってガロワ公は、仰っているんだよね? 勿論、この子に絵の具でお絵描きしても 直ぐに剥がれ落ちちゃう訳だけど……」
* * *
彼女の言葉に、公が悲鳴のような声を上げる。
「なんとか?! なんとかする方法は無いザンスかっ!? わ、わ、わ、私! 此処まで絵を描きたいと思う素材に出逢ったのは……16年前に仕上げた『突撃』以来なんザンス!!」
(そうは言われましても……ねぇ? デシレア)
実のところ、デシレアの この感触から鑑みるに――断る理由は、特に無さそう。
そして『直ぐに剥がれ落ちる』と言う彼女の言にしてみたって、それをどうにかする方法は、俺にさえ思い当たることはあった訳ではあるのだけど……。
それには公に対して……我が家の寝室を披露するかのような――秘密を開けっぴろげにするかの様な……腹を決める必要も無いでは無くて。
騎体に絵を描く。それをどうにかできるのは恐らく、今抱っこしている このお姫様。彼女を置いて他には無い。けれどもそれでは、公が介在する余地は全く無いようにも思う。




