金のエンゼル 銀のエンゼル
抱っこする義妹の――知らねば ただただ、ひたすら可愛らしく聞こえる台詞に、顔を綻ばせるガロワ公。
……この言葉に至るまでのやりとり。
その実際の内容についてを知ったとしたなら、果たして公は……この様に笑っていて下さるものなのだろうか……。
公の穏やかな表情に――少し、どころでは無い後ろ暗さを覚えていると、そうこうしている内に、公が興味を示した屋敷の敷地の片隅
デシレアが「創る! 要る!」と、頑として、譲ってはくれなかった廟へ到着。
「のまのまぁ……とわとわぁ……いっぺんなっ!」
抱っこされたままの義妹が、閉ざされた廟の開錠の言葉を……こぶしを利かせ、子供らしい高音域の声で唱える。
てか、なんなの? その……おまじない。
* * *
「えっとね? なんかね? 地上にやって来た天使は、なんでかは 知らないけれど、猫さんに変身するの! でね? この呪文を唱えるとね。天使が猫の姿から、元の姿に戻っちゃうんだよ♬」
重々しい、両開きの分厚い石の扉が開くまでの間、義妹の話に耳を傾ける俺とガロワ公。我が義妹のなんと可愛いや……。
「だからね! だからね! わたしね! いつもね! 猫さん見かけた時以外でも 呪文を忘れないように……合言葉なんかには、このおまじないを使う事にしてるの♬ そのお陰でね」(うんうん)
「――これまでに……天使を3匹捕まえたよ」(おい)
義妹の言葉に、またも顔をふやけさせて「それは凄いザンスね♬ 是非、その内 天使さんに合わせて戴きたいザンス」……と、子供の話と踏んで、見事に話を合わせてくれる公。
いや、ちょっと待って……? ほんとスンマセン、ちょっと待って?
この子たちね? 神とか悪魔とか、それは それは……夜中の台所に現われる、Gみたいに毛嫌いしちゃってるの。絶対、怖いから。
人間と言う存在の矮小さを知らしめられる、怖いお話を聞く羽目になっちゃうから。
「怖くなんかないよ!」
「…………?」




