持って行かれると困るぅ
感動の涙を流し、クーゲルシュライバーを抱き上げるようにして、熱く熱く説くヴィルマ。
てか、お前に……こいつを持って行かれると困るよ俺……。
マジ困る。困りみ……。
そもそもが……こんな取り外しが可能な上に、自律可能。おまけに恐らくは、かなりの腕っ節まで持ち合わせていると推測されるクーゲルシュライバー氏。
こんな状況になった時点で、急いで……どっかの病院でお医者さんに相談しなかった俺にも、非はある訳だけど。
――いや、ダメだ。標本にされかねない。
「……ん~貴女の言うことも、もっともだけれど……クーゲルシュライバーさん連れてかれると、アタシも困っちゃうのよね。性的な意味で。……具体的には1週間が、うぅん……わりと3日が限界」
吠えるヴィルマの剣幕に、長椅子に掛けて、困った表情を浮かべる――つがい。
「生やすのじゃ! それはもう……もっじゃもじゃと! パセリかミントの如く生やせば よかろうなのじゃ! お主にできん訳あるか! ネルっ! やれ! やるのじゃ!」
キンキンキャンキャンと……いつも以上に、耳をつんざくヴィルマ・ボイス。俺がクーゲルシュライバーを雑に扱ったことが……それほどに怒りの導火線に火を点けたと?
「おおっ?!!」ヴィルマの言葉にポン♪ と相槌を打つネル「流石だわヴィルマ! 賢いわね貴女! その発想は無かったわ!!」
(……いかん。このままでは)
ネルに面白可笑しく……雪国シメジの様に、繁茂させられかねん。ズボン履けねぇ……。
下手すりゃ……興味本位で収穫されて、我が家の冬のお鍋の――定番食材まであり得る。
ロクでも無い方向に話が転がり始める前に、話を軌道変更するべく、アポジキック・モーターに点火。
「ちょ! ちょっと待ってくれっ! 当事者放置しっ放しで話進めんな! え? なに? ヴィルマ? こいつと やたら親し気だけど……」




