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空白  作者: 伊原亜紀
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空白-7

 図書館でTOEICの参考書を解く。速さが求められるTOEICでは問題への慣れが必要だ。時間を計り、問題に設定された時間内で問題を解く。その繰り返し。

 大学の授業が終わったら、大学の図書館でTOEICの勉強をする。僕のルーティーンだ。図書館には僕の他にも勉強をしていたり、レポートを書いたりしている学生が少しはいる。だが大多数は、スマホを弄ったり、睡眠を取ったりしている。空きコマかバイトまでの暇潰しをしているのだろう。そんな彼らに対し、軽蔑と優越感を持ち、勉強を続ける。

 今日の夜はマッチングアプリで知り合った女と会う。別に顔は可愛くないし、話が合いそうなわけではない。ただの経験だ。

 可愛い彼女を作ることは、今の僕では不可能なことは理解している。客観的な分析だ。僕には可愛い彼女を作る魅力がない。魅力的な男になるためには、経験を積む必要がある。周りを見ても、女からモテている奴は顔が良いやつか、女慣れしているやつだ。外見の魅力の向上に限界はあるが、経験には限度がない。明確化された目標は僕にやるべきことを与えてくれる。やるべきことが多いことこそ、人生の充実だ。常に目標を持ち、それに近づくための行動を自己に強制する。空白は要らない。

 今日僕は女をホテルに誘う。こないだ会った女にやったように、ご飯をすぐに切り上げ、夜の街を少し歩き、ストレートにホテルに誘う。断られたらそれまでだ。客観的にリスクとリターンを天秤にかけるべきだ。彼女に断られて恥を描くリスク。彼女とセックスをし経験を積み静的欲求を解消するリターン。明らかにリターンの方が大きい。客観視することが大切なのだ。日本人はリスクや恥を恐れすぎるから行動ができない。行動こそが全てだ。自信はある。今までにはなかった自信だ。成功体験を積み重ねること、失敗体験から改善を行うこと。人生とはそういうものだ。

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