空白-4
今日の資源経済学の授業もいつもと同じように退屈だ。それでも僕は単位を取るために授業を受ける。
授業が始まる直前になって自己啓発本の彼がやってきた。彼は席に座ると、この間と同じ自己啓発本を取り出した。一週間経っても読み終わっていないことに可笑しさを覚えたが、本には付箋が何枚か貼ってあった。きっと彼は何周もあの本を読んでいるのだろう。
授業が始まった。僕はノートを取った。教科書が一瞬だけ開かれた。彼は本を読み続けていた。
次の授業が始まる前に、僕はキャンパス内にある本屋に寄った。昼休みには込み合うこの場所も、二限の前の時間では空いていた。店員が二人と学生が一人いるだけだった。僕はビジネス書が並んでいるコーナーに足を運んだ。隣の彼が読んでいた本はすぐに見つかった。僕は惹かれるようにその本を手にし、レジに持って行った。
二限目の時間。僕はひたすらその本のページを巡り続けた。血が体を巡り、高揚感が僕の体を内側から叩いた。僕は授業が終わると、自転車にまたがり家までの道を急いだ。三限にはまだ授業があったが、退屈なそれを受ける気分にはなれなかった。僕はただ自己を改革したかった。
部屋に着くとリュックを玄関に置き、僕は部屋の掃除を始めた。必要なものは整頓し、不要なものはゴミ袋に分別して詰めた。袋が膨らむにつれ、床は綺麗になっていった。僕はベッドの下に落ちている漫画に目をやった。少し迷ったがサークルのグループラインに漫画の写真とメッセージを送った。
「全巻で1000円。欲しい人いたら」漫画を手放すのに後悔はなかった。僕は爽快な気分に包まれていた。部屋と一緒に心の中までもが綺麗になった気分だった。僕はパンパンになったゴミ袋を物置の中にしまった。




