3、不思議な話と捜索結果
まず30分雨ざらしになりながら探した結果、少年は見つからなかった。僕はご家族の方にもっと人がいるという旨を伝え、応援を呼んでもらうことにした。
そして応援が来るまでの間は休む、ということになった。天候も視界も悪い。その状態で探し続けるというのは中々に体力がいる話だ。
おそらく1人で来た僕に気を利かせて休ませてくれたんだろう。「どうぞ」と少年の母親が温かいコーヒーを出してくれた。
少年の父親は心配半分、怒り半分といった様子でどうも落ち着かないようだ。
少年の父親は少ししたらまた探しに外に出たが、僕はここで待っていた方が後で来る人たちに話が通しやすいだろうということにで残ることになった。
正直言って早く外に出て探しに行きたい。待つ間はどうも手持ち無沙汰なのだ。それを見かねたのか、少年の祖母らしき人物が僕に昔話をする、ということになった。
その話は初めて聞くもので中々に興味をそそられた。聞けばこの地域にあった伝承のようなものらしい。詳細はよく分からないらしい。
話を要約するとこうだ。
この家の近くにある線路は昔汽車が走っていたという。まぁ、線路なのだから当たり前だろう。しかしその汽車は昼間姿を表さなかったという。
その汽車にはある言い伝えのようなものがあり、“昼間に走ると誰かに盗られる”、というものだった。無理な話だろうと誰もが思ったらしいが、実際に汽車は夜以外には決して姿を見せなかったという。
その話を聞いてから数分、といったところで応援が来た。人員も増えたのだからもうひと頑張りだろう。そう思い腰を上げた。
結果から言うと少年は見つからなかった。




